シマノは、自転車用のABSシステム(アンチロックブレーキ)の特許を申請している。
これは、近い将来にブランドが独自のバージョンの技術をリリースする可能性があることを示唆している。
既存の技術はe-バイク向けに設計されているが、果たしてシマノもe-バイクのみで搭載するのかはわからない。
自転車にABSが必要な理由は?
ABSは、ブレーキがかかった状態での偶発的な横滑りを防ぎ、急いで停止したり、回避行動をとる必要があるときにクラッシュする可能性を減らすシステム。
自動車の世界では定評のある技術であり、新しいバイクでもほぼ普遍的に採用されている。
ABSは、ホイールの速度を継続的に監視し、ホイールがスライドしていることを示す速度の不一致があるときに介入することにより、横滑りを防ぐ。
ブレーキは、バルブやポンプを介して油圧システムの圧力を変化させることで調整され、1秒間に何度も調整が行われる。
二輪車では、後輪が地面から浮かないようにすることが考慮されており、一部のABSシステムにはこれを容易にするセンサーが含まれている。
理想的なABSシステムを使用すると、どのような条件下でも強くブレーキをかけることができ、コントローラーがブレーキ力を調整して、クラッシュの原因となるグリップの喪失を防ぐことが出来る。
自転車で採用されれば、パニックブレーキなどでもタイヤロックしてこけてしまうことがなくなることが予想される。
Shimano ABS:eバイクだけではありませんか?
ABSシステムには電源が必要であり、これが従来の自転車よりも電動自転車で採用されている理由の1つとなる。
シマノの特許は、あらゆる種類の自転車に対しており
- 人力を少なくとも部分的に原動機として使用する車両
- 人力を電力で支援する車両
- ロードバイク
- マウンテンバイク
- クロスバイク
この特許は、車輪速度の測定について論じており、代替測定技術を使用して技術の有効性を改善する試みとなっている。
ただ、走行環境の情報を知るシステムをどうするかが課題となる。
ShimanoがGPSデータを使用して、特定の瞬間に自転車がどのような地形にあるかをシステムが判断し、それに応じて動作を調整することを計画している可能性がある。
それはロールス・ロイスが2013年に発売したレイスの高級クーペのギアボックスで本質的に行ったことであり実現不可能なことではないようだ。
業界トレンドの一部
自転車用のABSのアイデアは、趣味に特化した製品だけでなく、一般のユーザーに対して有効だと思われている。
熱狂的なサイクリストや、パフォーマンス志向のサイクリストには、重量増になるシステムや特定の状況では実際に停止距離を延ばしてしまうABSは必要と思わないだろう。
しかし、カジュアルなサイクリスト、実用性に重点を置いたサイクリスト、ブレーキング能力に自身のないサイクリストだっている。
このような人たちがABSの恩恵を受けることは容易に想像できる。
理論的には、ブレーキをかけることによって引き起こされるオーバークラッシュを未然に排除できるはずだ。
シマノのABSが採用された場合、一体どのようなバイクに搭載されるのだろうか?
ただ、世の中の流れとしていずれ自転車にも搭載される時はやってくるのだろう。
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