いよいよ今年最後のモニュメント、落ち葉のクラシック、枯れ葉のレースことイル・ロンバルディアの季節となった。
モニュメントとは
格式が高く記念碑的な意味合いも含まれている5つのクラシックレースのこと。今年の優勝者は
- ミラノ〜サンレモ マチュー・ファンデルプール
- ロンド・ファン・フラーンデレン タデイ・ポガチャル
- パリ〜ルーベ マチュー・ファンデルプール
- リエージュ~バストーニュ~リエージュ タデイ・ポガチャル
- イル・ロンバルディア
過去の優勝者は
- 2024 タデイ・ポガチャル
- 2023 タデイ・ポガチャル
- 2022 タデイ・ポガチャル
- 2021 タデイ・ポガチャル
- 2020 ヤコブ・フルサン
- 2019 バウケ・モレマ
- 2018 ティボー・ピノ
- 2017 ヴィンチェンツォ・ニバリ
- 2016 エスデバン・チャベス
- 2015 ヴィンチェンツォ・ニバリ
- 2014 ダン・マーティン
今年最後のモニュメントをタデイ・ポガチャルは、5連覇となるか。それを阻むのはレムコ・エヴェネプールなのか。
コモ~ベルガモ 241km

コースマップ photo ilombardia
2023年のコースと同じ。つまり、今年のルートは2年前と同じだ。

ロンコラ photo ilombardia
マドンナ・デル・ギザッロをウォーミングアップとして、2番目の山岳ロンコラで集団の絞り込みとなる。
登り始めて1kmで最大勾配17%という激坂が現れる。その後も、8.2%の勾配が続きクライマーでないと残れないようなコースとなっている。

ザンブラ photo ilombardia
4番目の登り、ドッセーナとザンブラは繋がっている。頂上手前には10%の登りがあり、ここでもゴールに向けた動きが出てくるはず。

パッソ・ディ・ガンダ photo ilombardia
最後から2番目の登りバッソ・デイ・ガンダは3kmと短いけど、頂上手前には15%という勾配があり、ゴールに向けた逃げ切りの動きが出てくるかも。
頂上からゴールまでは約30km。少人数で抜け出したいところだ。

photo ilombardia
ゴール手前には、最後のアタックポイントが用意されている。1kmの登りだけど、最大勾配12%で石畳も含んでいる登り。
頂上からは下り3kmなので、足のあるパンチャーならば逃げ切れるだろう。逃げ切りとなるのかスプリントになるのか見ものだ。

コースプロフィール photo ilombardia
- 山岳 マドンナ・デル・ギザッロ 8.8km・3.9%
- 山岳 ロンコラ 9.4km・6.7%
- 山岳 ベンベンノ 6.8km・4.6%
- 山岳 ドッセーナ 11.1km・6.1%
- 山岳 ザンブラ 9.8km・3.3%
- 山岳 パッソ・ディ・ガンダ 3km・7.1%
- 山岳 ベルガモ・アルタ 1.3km・7.0%
注目のライダーは
- UAE Team Emirates – XRG タデイ・ポガチャル(以下メンバーは下記で)
- Alpecin – Deceuninck クサンドロ・ムーリッセ
- Arkéa – B&B Hotels ティボー・ゲルナレック
- Bahrain – Victorious レニー・マルティネス、ペッリョ・ビルバオ、ダミアーノ・カルーゾ、アントニオ・ティベッリ
- Cofidis アレクサンデル・アランブル、ヨン・イサギレ、ディラン・トゥーンズ
- Decathlon AG2R La Mondiale Team ポール・セイシャス、アンドレア・ヴェンドラーメ
- EF Education – EasyPost ベン・ヒーリー、リチャル・カラパス、ニールソン・ポーレス
- Groupama – FDJ ロマン・グレゴワール、ギヨーム・マルタン
- INEOS Grenadiers テイメン・アレンスマン、エガン・ベルナル、フィリッポ・ガンナ、ミハウ・クフィアトコフスキ
- Intermarché – Wanty ゲオルク・ツィンマーマン、ロレンツォ・ロタ、ルイ・バール
- Lidl – Trek マティアス・スケルモースイェンセン、アンドレア・バジオーリ、バウケ・モレマ、トムス・スクインシュ
- Lotto
- Movistar Team オールイス・アウラール、ダヴィデ・フォルモロ、ロレンゾ・ミレジ、ナイロ・キンタナ、エイネルアウグスト・ルビオ
- Q36.5 Pro Cycling Team トム・ピドコック、ジャンルーカ・ブランビッラ、ミラン・ファーダー
- Red Bull – BORA – hansgrohe プリモッシュ・ログリッチ、ジェイ・ヒンドリー、アレクサンドル・ウラソフ
- Soudal Quick-Step レムコ・エヴェネプール、ミケル・ランダ
- Team Jayco AlUla ベン・オコナー、エディ・ダンバー、マウロ・シュミット、フィリッポ・ザナ
- Team Picnic PostNL オスカー・オンリー、ワレン・バルギル
- Team Visma | Lease a Bike ベン・トゥレット、ティシュ・ベノート、セップ・クス、バート・レンメン、シアン・エイテブルックス
- Tudor Pro Cycling Team マルク・ヒルシ、マイケル・ストーラー
- Uno-X Mobility アンドレアス・レックネスン
- XDS Astana Team クリスティアン・スカローニ、セルジオ・イギータ、二コラ・コンチ、ファウスト・マスナダ、ディエゴ・ウリッシ
スタート

Tiz-cycling ストリーミング スクリーンショット以下同様
UAE Team Emirates – XRGのラファウ・マイカがホイールセレモニーでおくられる。
現役最後のレースだ。
オフィシャルスタートから、Lidl – Trekのクイン・シモンズがもうスパート。
抜け出しが決まったか。
14人の逃げ
14人が逃げに成功。
- ガル・グリバー (Alpecin – Deceuninck)
- ティボー・ゲルナレック (Arkéa – B&B Hotels)
- ペッリョ・ビルバオ (Bahrain – Victorious)
- ルーカス・ハミルトン (INEOS Grenadiers)
- クイン・シモンズ (Lidl – Trek)
- ウォルター・カルゾーニ (Q36.5 Pro Cycling Team)
- アスビョルン・ヘレモース (Team Jayco AlUla)
- マイケル・マシューズ (Team Jayco AlUla)
- バート・レンメン (Team Visma | Lease a Bike)
- フィリッポ・ガンナ INEOS Grenadiers
- ヴィクトル・ランゲロッティ INEOS Grenadiers
- ルイス・フェルファーク Soudal – Quick Step
- ビョルン・クールト Team Picnic PostNL
- マッティア・バイス Team Polti VisitMalta
残り213km。集団はUAE Team Emirates – XRGが引いている。タイム差は1分45秒。
山岳 マドンナ・デル・ギザッロ 8.8km・3.9%
フィリッポ・ガンナは先頭集団の最後尾に。
過去には決勝となったギザッロが最初の登り。
さあ、先頭がギザッロを越えた。
Q36.5 Pro Cycling Teamのトム・ピドコックが接触して止まった。レース前コメントは、
「グラベル選手権で勝つか。それとも今日勝つか。今日だ。」
トム・ピドコックは、シューズダイヤルをいじっている。
結局走りながらシューズを交換。
どっちが引くのか話しているのかな。
レムコはピーター・セリーにひかれて集団復帰中。このレースが引退レースとなる。たしか、レムコが最初にルームメイトになったのがピーター・セリーではなかったかな。
タデイ・ポガチャルは、集団後方。
山岳 ロンコラ 9.4km・6.7%
集団前方にトム・ピドコック、レムコの姿も見える。
タデイ・ポガチャルは、集団の後方。
レムコは前にきている。残り129kmで2分差。
INEOS Grenadiersのクリス・ハミルトンが集団に戻る。
山岳 ドッセーナ 11.1km・6.1%
フィリッポ・ガンナがヴィクトル・ランゲロッティのために先頭を引く。
Lidl – Trekのクイン・シモンズがアタック。
逃げ切りを狙うのだろうか。
追走は4人に。
- ペッリョ・ビルバオ (Bahrain – Victorious)
- フィリッポ・ガンナ INEOS Grenadiers
- ルイス・フェルファーク Soudal – Quick Step
- マイケル・マシューズ Team Jayco AlUla
ファンが並走して走ったので、補給が取れにくかった。ペッリョ・ビルバオ大変。
Q36.5 Pro Cycling Teamのウォルター・カルゾーニも先頭集団から脱落して集団にキャッチされる。
山岳 ザンブラ 9.8km・3.3%
ベン・ヒーリーが遅れている。
クイン・シモンズのリードは追走まで1分12秒。集団まで3分16秒。
クイン・シモンズはいいペースだ。
残り48kmで2分53秒差。UAE Team Emirates – XRGは本腰を入れないといけない。
表彰台候補だったEF Education-EasyPostのベン・ヒーリーだけど完全に遅れてしまった。
追走のフィリッポ・ガンナ。1040wってなってる?
山岳 パッソ・ディ・ガンダ 3km・7.1%
ラファウ・マイカが引き出した。もう追い込みモードだ。
ラファウ・マイカが引き終わったところでタデイ・ポガチャルがねぎらいの手をあげる。
今度はジェイ・ヴァインだ。
あら、もう5人しかいない。
ジェイ・ヴァインが引き倒したところで、タデイ・ポガチャルがアタック!
レムコは反応しない。アイザック・デルトロはレムコをチェックしている。
タデイ・ポガチャルは、一度レムコを振り向いてチェック。
レムコ追えない!
先頭まで1分8秒差。
追走は4人。
- アイザック・デルトロ UAE Team Emirates – XRG
- ポール・セイシャス Decathlon AG2R La Mondiale Team
- レムコ・エヴェネプール Soudal – Quick Step
- マイケル・ストーラー Tudor Pro Cycling Team
あ~、もうクイン・シモンズが見えてきた。
もう追いついた。
クイン・シモンズ粘れるか。
あ~、粘れない。
レムコは58秒離れている。下りで追いつくのか。
もう少しで頂上だ。
あ~、ポール・セイシャスは切れてしまった。このままいくとアイザック・デルトロは有利だ。
残り31.4km。頂上をタデイ・ポガチャルが越えた。
あら~、アイザック・デルトロは切れてしまった。
レムコはクイン・シモンズをとらえて単独となるか。
去年は凄いタイム差となったけれど、今年はどうか。
レムコにマイケル・ストーラーは追いついたけれど、クイン・シモンズは遅れた。
なんとリチャル・カラパスが落車している。頭をおさえているが大丈夫なのか。
マイケル・ストーラーがレムコから切れる。
アイザック・デルトロは、クイン・シモンズに追い付いた。
タデイ・ポガチャルは道路をショートカット。
山岳 ベルガモ・アルタ 1.3km・7.0%
ここをタデイ・ポガチャルが単独で登る。
タデイ・ポガチャルが登りを越えた。
レムコは1分50秒と開いた。
タデイ・ポガチャルはカメラにガッツポーズ。
タデイ・ポガチャルがゴールエリアに。
タデイ・ポガチャルが5連覇達成。これでファウスト・コッピの記録に並んだ。
タデイ・ポガチャルが今シーズンの20勝目を達成。
今年のモニュメントでは3位以下がない。
ツール・ド・フランス制覇、世界選手権制覇、モニュメントを3つ獲得。最高のシーズンの締めくくりとなった。
リザルト
優勝したUAE Team Emirates – XRGのタデイ・ポガチャル
5回連続でモニュメントを獲得した初の人物となりましたが、特別な存在だとは思ってますか?
いや、誰もが特別な存在であり、そう感じる権利がある。
それでも、このようなパフォーマンスは、世界チャンピオン、ヨーロッパチャンピオン、ツール・ド・フランス優勝者など、誰にとっても大きな影響を与えることは間違いありません。
5連勝は素晴らしいですね。ここをスタートするたびに、このコースは私のために仕立てられたように感じる。そして、こんなにも強力なチームに囲まれていることに…本当に感謝している。
チームのドメン・ノヴァクとパヴェル・シヴァコフが、レースの大部分を引いてましたね。パッソ・ディ・ガンダでのリードアウトは素晴らしかった。
今日はチームメイト全員が最高のパフォーマンスを 見せてくれた。
今シーズンを振り返ってどうですか?
7年連続で今シーズンがこれまでで最高のシーズンだと言ってきたが、今年もそうだ。
7位 Decathlon AG2R La Mondiale Teamのポール・セイシャス
先週、脚が少し衰え始めているのを感じたんだ。下りでちょっとびっくりして、途中で体力を消耗してしまった。最後にそのツケが回ってきた。上りではいい感じだったけれど、落車に遭って自分ひとりで終わってしまったのは悔やまれる。その後、たくさん仕事をしなければならなかった。
初めてのモニュメントで10位以内は素晴らしいが、もう少し良かったかもしれない。優勝争いをするグループに入るためには、肉体的にも精神的にもまだ一歩踏み出す必要がある。
でも、私は学び続けている。それは来年に向けてポジティブなことだ。素晴らしい結果だが、表彰台を争えなかったことは少し残念。でもそれが現実だ。僕はすべてを出し切ったし、チームからも多くのサポートを受けた。みんなに感謝しなければならない。
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