ワウト・ファン・アールトは クリテリウム・デュ・ドーフィネでなんと、第4ステージのタイムトライヤル優勝に続いて、第5ステージでもスプリントで勝利!
このステージでは、すでに4回目の3位以内という素晴らしい成績。
タイムトライヤルの才能に続いて、スプリントでの才能も開花している。
ワウト・ファン・アールトは、ツール・ド・フランス初出場となるがサガンとグリーンジャージを競う可能性が出てきた。
タイムトライヤルは1か月のトレーニングの成果
🇫🇷 #Dauphiné
“It’s a great win. I can’t believe it. I have worked a lot on my time trial in recent weeks, but I never expected to win here.” – @WoutvanAert
— Team Jumbo-Visma cycling (@JumboVismaRoad) 2019年6月12日
ワールドツアーレースでの初優勝をした第4ステージのタイムトライヤル。
ティージェイ・ヴァンガーデレン(EF Education First)に31秒差。トム・デュムラン(Team Sunweb)には、47秒もの差をつけた圧倒的な勝利。
トム・デュムランが膝を痛めて本調子ではないとしても、これは凄いことだ。
だが、彼は2016年にタイムトライヤルでトニー・マルティンを破っているという事実がある。
Baloise Belgium Tour (2.HC)のプロローグ。距離は6キロと短いが、2秒差で勝っている。
トニー・マルティンは2016には世界個人タイムトラヤルチャンピオンに輝いている。その力のある時の彼を破っているのだから凄い!
本人のコメントによると、この1か月で集中してタイムトライヤルのトレーニングを受けたという。トニー・マルティンともチームメイトになっているので、彼にも手ほどきをうけたことだろう。
今回のタイムトライヤルでは中間地点までは、登りもあり全くの平坦ではなかった。ツール・ド・フランス第13ステージのタイムトライヤルにとても良くにているコース。
クリテリウム・デュ・ドーフィネとツール・ド・フランスの主催者が一緒なので、こんなことも出来るのだろう。
まったくもってのツール・ド・フランス前哨戦だったといえる。
スプリントの才能も開花か
🇫🇷 #Dauphiné
“Dit is ongelofelijk. Ik had nooit verwacht Sam Bennett hier te kloppen” – @WoutvanAert
— Team Jumbo-Visma cycling (@JumboVismaRoad) 2019年6月13日
続いて、昨日の クリテリウム・デュ・ドーフィネ第5ステージ。なんと驚きの連続優勝!
スプリントでは本職のサム・ベネットを破っての勝利だ。サム・ベネットは第3ステージで勝利している。
レースは、アシストを受けたジュリアン・アラフィリップが先行でゴールに突入。
コース左側から、ワウト・ファン・アールトが加速。アラフィリップを抜くと、そこからはサム・ベネットに並ばれることもなく、先頭でゴールに飛び込んだ。
強い! 強すぎる。
ここまでの クリテリウム・デュ・ドーフィネのファンアールトの成績は
- Stage1 3位
- Stage2 26位
- Stage3 3位
- Stage4 1位
- Stage5 1位
第2ステージで少し遅れたが、凄い成績だ。スプリントでは常に3位以内!
ここで、ツール・ド・フランスのスタートリストを見てみると、スプリンターはディラン・フルネヴェーヘンがいる。
ピュアスプリントでは世界でトップクラスのスプリンターがいるので、ワウト・ファンアールトの仕事は彼のアシスト役となるだろう。
彼がアシストでゴール前を引いていくならば、ディラン・フルネヴェーヘンの勝利も手堅くなる。
ファンアールト自身のコメントをまとめると
あくまで、チームのサポートが仕事だとコメントしている。
シクロクロスとロード
彼や、マチュー・ファンデルプールのロードでの強さはシクロクロスで鍛えられた心肺機能にあるとも言われている。
シクロクロスでは800Wのインターバルを何度もレースの中でかけている。ロードではありえない強度を何度も繰り返しているからロードのスプリントでも強いのだ。
しかも、シクロクロスではチームメイトが引いてくれることなどほぼない。自分の力で勝利をこじあけていく。
それが、彼らのスプリントでも強い秘密なのかもしれない。彼がチームメイトに最後まで引かれてスプリントを開始した所など、今まで見たことがない。
今回のドーフィネでは、スプリントの開始まで第3ステージで自転車を盗まれたレナード・ホフステッドが引いてくれている。
だが、スプリント開始までかなりの距離はあった。良い位置にチームメイトが運んでくれれば、ファンアールトの足を持ってすればスプリント勝負できるのだ。
クリテリウム・デュ・ドーフィネは、これから山に向かう。彼は178cmで体重は78キロ。
あと10キロは落とさないと、山岳は厳しいだろう。
彼やマチュー・ファンデルプールがツール・ド・フランスで総合を狙うならば体重を落さないと難しい。その時にはシクロクロスとの併用は難しくなるのでは。
彼が本気で体重を落としてきた時こそ、彼らがグランツールを制覇する時だ。
まずは、山岳でどれだけファンアールトが残れるのか見てみたい。
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