2026年のストラーデ・ビアンケで、再びファンに見慣れた圧倒的な独走劇を見せつけたタデイ・ポガチャル。
シエナに到達するはるか前に、グラベルセクターの「モンテ・サンテ・マリー」でアタックを仕掛け、勝負を決定づけた彼の走りは、かつてのプロ選手たちをも驚愕させている。
オランダの元プロロードレーサーであるローレンス・テンダムが、レース後のポッドキャスト番組『Live Slow Ride Fast』内でポガチャルの出力データを分析している。
そして、過去の優勝時と比較して驚異的な数値の向上があったことを明かしている。
2時間の平均ワット数が大幅向上
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ローレンス・テンダムは2012年にブエルタ・ア・エスバーニャ総合8位。2014年のツール・ド・フランスでは総合9位という成績を残し素晴らしいキャリアを送った。
現在はグラベルレーサーとして活躍している。
今回のストラーデ・ビアンケでの、ポガチャルのパフォーマンスをどう分析しますか?
ポガチャルは2024年と2025年のストラーデ・ビアンケにおいて、レースの最後の2時間をおよそ340Wで走っていたんだ。
過去の勝利時ですでにそれだけの出力を出していたのですね。では、今回のレースでのデータはどうだったのでしょうか?
しかし、今回はそれが380Wだった……狂ったようなワット数だよ。
モンテ・サンテ・マリーでのアタックから独走に持ち込みましたが、その裏には劇的な出力の向上あったということですね。
ああ。過去2年間ですでに驚異的だった出力をさらに40Wも向上させ、そのパワーを維持し続けたことが、今回の彼による長距離独走の勝利を裏付けている。
アイザック・デルトロ(UAE Team Emirates – XRG)を抑え、初出場で見事2位に入った10代のポール・セイシャス(Decathlon AG2R La Mondiale Team)の走りについてはどう見ていますか?
彼は未来のチャンピオンだよ。モンテ・サンテ・マリーでは、もう少しでポガチャルに追いつきそうだった。
私の分析では、セイシャスはレースの最後の2時間で平均約330Wを出していたんだ。それはポガチャルが2024年と2025年に出していたレベルだよ。
モンテ・サンテ・マリーでセイシャスが差を詰めようと脅かした瞬間もありましたが、ポガチャルはそれを許しませんでした。
彼は「あいつを一緒に連れて行きたくない」と思っていたはずだ。ポガチャルは、他の選手が挑戦しようとすら思わないほど、明確に自分のテリトリーを示しているように見えるね。
結果としてその後ろでは「誰もが2位争いをしている」状態になってしまっている。
ローレンス・テンダムが特定した「40Wの向上」は、決定的な違いを意味している。
ポガチャルが380Wで走破し続けることで、追走グループはタイム差を維持するだけで無酸素領域(アネロビックゾーン)での走りを強いられる。
その一方で、ポガチャル自身は高い有酸素領域である「スイートスポット」に留まっている。
追走グループが協力して脚を燃やしているにもかかわらずタイム差が広がり続けるのは、彼らが到達できないテンポでポガチャルが巡航しているためだ。
圧倒的な力による心理的支配は、集団全体に及んでいる。
Team Visma | Lease a Bikeのティム・レックスは、UAEのストラーデ・ビアンケでのリードアウトに対して
「俺は止まっているのか? 500Wも出しているのにあいつらが通り過ぎていくなんて、普通じゃない」と驚愕とも絶望交じりともいえない言葉を残している。
見慣れた最高峰の走りが再び確認された今回のレースだが、その裏にある数値は、ライバルたちにとってさらに不吉な事実を示している。世界王者は、まだ強くなり続けているのだ。






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