2026 ツール・ド・ロマンディにおいて、レース中のモトバイクの運用が大きな議論を呼んでいる。
Soudal – Quick Stepのルイス・フェルファークとヴァランタン・パレパントルは、カメラや審判を乗せたバイクがメイン集団に近すぎることに対し、不当な空気抵抗の軽減をもたらしていると抗議の声を上げた。
モトバイクがもたらす不公平なスリップストリーム
🗣️ « J’ai dit ce que je pensais » : Valentin Paret-Peintre persiste et signe, l’organisateur répond 🇨🇭
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— DirectVelo (@directvelo) May 3, 2026
ロードレースにおいて、モトバイクの位置取りはレース展開に直接的な影響を与えるデリケートな問題だ。
今大会では、モトバイクが集団の先頭付近に長く留まりすぎたことで、選手たちの間にフラストレーションが蓄積していた。
逃げを打ちたい選手や、集団から抜け出したい選手にとって、プロトン全体がバイクの恩恵を受けてスピードアップすることは、死活問題となる。
自転車ロードレースにおいて、空気抵抗は選手の体力を奪う最大の要因だ。
前方を走るバイクが風除けとなることで、その後方にはスリップストリームと呼ばれる空気抵抗の少ない空間が生まれる。
モトバイクがプロトンの直前を走行すると、集団の先頭を引く選手は通常よりも少ない力で高い時速を維持できるようになる。結果として、集団全体のスピードが底上げされ、単独で走る逃げ集団とのタイム差が不自然に縮まってしまうという現象が起こる。
こうした不公平なスリップストリームの発生を防ぐため、UCIは明確なルールを定めている。UCI自転車競技規則の第2部 ロードレース(Part 2: Road Races)」内の「第2章 レース一般規定」にある「交通(Traffic / Circulation)」の項目(第2.2.038条付近以降)に書いてある。
いかなる車両も選手に空気力学的な優位性を与え、レース展開に影響を及ぼしてはならないと明記されている。
現在の詳細なルールが作られた背景には、ロードレース界の悲しい教訓がある。
2016年のヘント〜ウェヴェルヘムなどで車両と選手の接触による痛ましい死亡事故などが相次いだことを受け、UCIは2017年に具体的な「車両通行ガイドライン」を施行した。これにより、カメラを積んだモトバイクが集団の前方を走行する場合、最低30mの距離を保つことなどが義務付けられた。
今回のツール・ド・ロマンディにおける選手たちの強い抗議は、単なる感情的な不満ではない。競技の公平性と選手の安全を守るためのUCIの基本原則が守られていないのではないかという、極めて正当な危惧に基づいているのである。
モトバイクとライダーの距離
バイクが前を走ることで得られるメリットを、アイントホーフェン工科大学が科学的に実証している。
実験によれば、例えば、ライダーがバイクの後ろ30mを1分間走行した場合、2.6秒のタイム短縮を達成するという。
| 距離 | 時間節約 | 抵抗 | スピード |
| 0.48メートル | 29.3秒 | -71% | + 48.9% |
| 4.8メートル | 9.3秒 | -36% | + 15.6% |
| 15メートル | 4.0秒 | -18% | + 6.7% |
| 30メートル | 2.6秒 | -12% | + 4.2% |
| 50メートル | 1.4秒 | -7% | + 2.4% |
| ソース:TUアイントホーフェン |
ヴァランタン・パレパントル ポガチャルを勝たせたいのか?
このインタビューは、第4ステージのゴール後。
ヴァランタン、今日は先頭集団で走りましたね。遅れてやってきたサプライズゲスト、プリモシュ・ログリッチの合流はそれほどサプライズではなかったかもしれませんが、レースの状況を教えていただけますか?
プリモシュが前に来たのは全く驚きではなかったよ。彼はこの2日間でタイムを失っていたから、前に出る可能性があることは分かっていたんだ。
僕にとっては逃げのいいチームメイトだったと言えるね。10km地点で最初のグループが行ってしまった時は少しがっかりしたけど、その後Red Bullが引き始めた時に、プリモシュが上りでジャンプアップしたいんだなとすぐに分かった。だから僕にとっては都合が良かったよ。
それでも、タイム差はそれほど大きく開きませんでしたね。
そうなんだ。本当に力強く走ったし、連携も良くて、逃げ集団の中で全力を尽くしたんだけど、十分なリードを保てなかった。少しがっかりしているよ。
後で映像を確認しないといけないけど、後ろのモトバイクが近すぎなかったことを祈るよ。ここ2日間はそうだったからね。
もし大会組織委員会がタデイ・ポガチャルを勝たせたいなら、それは彼らの選択だ。僕たちは何度も言っているけどね。まあ、それが現実だよ。
ルイス・フェルファーク
Louis Vervaeke, à l’avant sur la 4e étape du #TDR2026 : “On a perdu 50″ en 5 km, j’imagine que c’est quand la diffusion télé a commencé. C’est comme d’habitude… Dès qu’il y a la prise d’antenne, les motos sont là et pour moi parfois, ça change la course.” https://t.co/tqyLC7X4Nd
— Le Gruppetto (@LeGruppetto) May 2, 2026
最大3分のリードを奪った。しかし、モトバイクの走りに不満だったとか?
たった5kmで50秒ロスした。おそらくテレビ中継が始まった時だろう。いつものことだ… 中継が始まるとすぐにバイクが現れて、私にとっては、それがレースを変えてしまうことがある。残念だ。
バイクは、大きな違いを生む。平坦な道では全力で走っていた。レムコ・エヴェネプールのために走っていたときから、バイクがレースを変えることがあると知っていた。
逃げているときは、1台が後ろを走っていて、もう1台のバイクが集団の前を走っている。向かい風が吹いているときは、大きな違いを生む。
確かにこの日の逃げ集団はエース級のプリモッシュ・ログリッチ、ヴァランタン・パレパントル、 ルイス・フェルファーク、マイケル・レナードと6人。逃げ切ってもおかしくないメンバーだった。
まあ、これまでも多くの問題が出てライダーが文句言っている。ただ、テレビ中継で集団や先頭のライダーを映像で見たいのも確か。逆に何百メールも離れていると誰だかわからないし。
高性能カメラで100m以上離れていも良く見えるようになると問題解決かな。






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