自転車の技術革新は素晴らしい速度で毎年進化している。
タイヤ幅は、年々広がり、リムブレーキの新車販売はなくなりつつある。では、これまでの技術で革新的だけど、あまり普及しなかった技術では何があるだろうか?
過去には以下のような製品を紹介している。
オールプラステック自転車
全てがカーボンという自転車が現在ではあるけれど、1980年代には全てがプラステックという自転車が存在していた。
これは、スウェーデンの自動車メーカーVolvoとITERAが開発したもの。ただ、3年で生産は中止。
出足が悪い、一度壊れると修理が大変など、関心を集めることが出来なかったようだ。まあ、ぶつかったり、落車したりすると簡単に壊れそうですね。
今では、プラステックは環境破壊でやり玉に挙げられているので、続かなくて良かったかも。
Shimano Airlines
マウンテンバイクのダウンヒル競技がブームとなった1990年代後半、Shimanoはそれまでにない斬新な変速システムの開発を行っている。
寸秒を争うダウンヒルでは、変速の素早さが非常に重要であり、シマノは「空気圧」を利用したコンポーネンツを開発した。
トップチューブまたはダウンチューブのいずれかにフレームに取り付けられた圧縮ガスのキャニスターよりも、電光石火のような高速シフトを実現した。
だけど、問題が~。シフトのたびに銃声のような音がしたそうだ。限定販売で希少な製品だったが、今では、電子シフトとなってますね。
シューズベースのパワーメーター
パワーメーターの種類は様々だけど、シューズに取り付けて使用するパワーメーターも開発されていた。
サイクリングシューズにクリップで留めてクリートからのパワーを測定するというシステムでクラウドファンディングで資金調達に成功。
ただ、ユーザーに製品が届けられることはなかった。生産量の問題と、使用時の完成品の精度のばらつきにより、納品ができず、資金を使い果たしてしまったのだ。
パワーメーターペダルを除いて、サイクリングシューズの中、上、または下にあるパワーメーターの成功例は未だにない。それだけ、正確な測定をするというのは難しいということだ。
Cinelli Spinaci bars
このハンドルは見たこともある人が多いのでは。
Cinelliは、1943年のミラノ~サンレモで優勝するなど、輝かしい戦績を残したチーノ・チネリによって1947年に設立された。
Cinelliはすぐに、革新的なバイクと洗練された前衛的なデザインで名声を高める。
しかし多くの人にとって、Cinelliの最良の時は1993年、チネリ・スピナチ・ハンドルバー・エクステンション(Cinelli Spinaci bars)の発売だった。
ちょうどその4年前、グレッグ・レモンはタイムトライアルバーで50秒のビハインドを乗り越え、ローラン・フィニョンに打ち勝ち、8秒差でツール・ド・フランス優勝をもたらした。
Cinelliは、タイムトライアルだけでなく、ロードステージでも使用されることを想定し、レモンが使用したものよりも短く、幅の広いアタッチメントを発明した。
It amazes me that they banned Cinelli Spinaci bars years ago yet they don’t DQ riders for riding like this, surely the clip on bars are safer pic.twitter.com/EVG8ycI2dn
— Rick Lister (@rick_lister) June 26, 2018
ただ、1997年の誕生から4年後、UCIはこのバーを禁止している。しかし、いまだに多くの信奉者がおり、eBayではそれなりの値段がついている。
一部のサイクリング・ファンは、プロサイクリストたちが “子犬の前足 “のようなポジションを取り始めたとき、このバーの再導入を提唱した。しかし、UCIは2021年にこれも禁止している。
私も、トライアスロンをしていた時には、クリップオンバーを使っていた。結構便利ですよね。ただ、UCIはなんでもかんでも禁止してしまうので、ロードレースでは製品開発しても儲けにならないのは残念。
マグネット式ボトルケージ
強力な磁石でパーツを取り付けている製品は結構多い。ボトルケージでも製品があるが、一部の製品では、磁力が弱くて気が付いたら落ちていたということもあるようだ。
Fidlockのボトルケージは成功例で、左右にどちらでも回転させて取り外すことが出来る。
小さなフレームだと、ボトルケージから取りだすのが難しい場合もある。そういう場合には、このFidlockの製品は良いだろう。
一般的に普及するかどうかはわからない。
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