クールネ〜ブリュッセル〜クールネでは信じられない勝ち方を見せて貰った。
ここ数年はスプリンターが勝ってなくて、スプリンター向けの大会とは言えなくなった感じのするクラシックとなっている。
実に多様な勝ち方となっているのはこの大会ならではのコースにもあるだろう。
このレースでも、Deceuninck–Quick Stepの連携プレーと勝ちパターンの一つを見せられたように思う。
激しい位置取り合戦と攻撃の連続
20kmで逃げを決めたメンバーは5人。
- ボリス・ファレー(Bingoal – Wallonie Bruxelles )
- ロイ・ヤンス( Alpecin-Fenix)
- ユーゴ・ウル(Astana Pro Team )
- ヨナス・アブラハムセン(Uno-X Norwegian Development Team)
- ミッケル・ビョーグ(UAE-Team Emirates)
この5人の逃げの後ろでは壮絶なアタック合戦が起っていた。
残り70kmを切ってから、CCC Teamのメンバーが先頭で引いて前とのタイム差を削っていく。
更に、集団はアタックのたびに人数を減らしていく。今シーズン未だ勝利のないグレッグ・ファンアーヴェルマートも何度もアタックを繰り返す。
後続集団のペースアップによって、150km逃げ続けた先頭グループはついに目の前に迫ってきた。次のアタックがかかる瞬間が近づいてくる。
目前の逃げ集団に向かってアタックをかけたのはボブ・ユンゲルス(Deceuninck–Quick Step)。
それに前日優勝のジャスパー・ストゥイヴェン(Trek–Segafredo)が反応して追いつく。
だが、この危険な逃げが容認される訳はない。特にボブ・ユンゲルスは昨年この大会で15kmの独走勝利を飾っている危険人物だ。
このボブ・ユンゲルスのアタックがつかまって、すぐにカスパー・アスグリーンが集団から単独アタックをかける。
一気に逃げ集団をパスするカスパー・アスグリーンについていけたのは、ボリス・ファレー(Bingoal – Wallonie Bruxelles )とロイ・ヤンス( Alpecin-Fenix)の二人だけ。
逃げを続けたい、ボリス・ファレー(Bingoal – Wallonie Bruxelles )は果敢に先頭交代をカスパー・アスグリーンと続ける。
だが、流石にここまで逃げ続けてきたボリス・ファレーの引きは短い。後ろに下がるとロイ・ヤンスが番手についてフタをしてしまう。
ゴール前29キロから始まったカスパー・アスグリーンの引きは壮絶。結局、ロイ・ヤンスが先頭交代したのは4回だけ。
集団はDeceuninck–Quick Step二人がフタをして、タイム差を一時44秒まで開くことに成功。
残り20kmで30秒のタイム差。
ラスト17kmになってカスパー・アスグリーンがシッティングアタック! ついに後ろにいたロイ・ヤンス( Alpecin-Fenix)を引きはがした。
後ろの集団は、ルーク・ロウとイアン・スタナードのINEOS二人とロット、Sunwebが先頭後退して追ってくるが、中々タイム差が縮まらない。
ラスト10kmを切って、わずかな勾配の登りでカスパー・アスグリーンが再度シッティングアタック!ボリス・ファレー(Bingoal – Wallonie Bruxelles )を切り離すことに成功。
ラスト4.5kmを切って、ついにタイム差は10秒以下に。
ここからは、もういつ追いつかれてもおかしくない状況まで追い込まれる。後ろに集団が見えているのだから。
これで再びラスト2キロで13秒と広がる。集団では先頭交代を円滑に行えないようにチームメイトもフタをしている。
追いつくように見えて追いつかない。実に絶妙な距離感を保ったままゴールへと向かう。
そして、ついに数秒のタイム差を保ったままゴールまで逃げ続けてしまった。
ゴールでは、独走をアドバイスしたボブ・ユンゲルスがガッツボーズ。見事なまでに昨年の再現をウルフパックが果たすことに。
カスパー・アスグリーンは、ボブ・ユンゲルスからカーブが連続する市街地とコース幅も狭いので逃げるには有利だとのアドバイスされていたのだ。
まさに、30キロを引き続けて数秒差で勝つというアンビリーバブルな勝ち方だった。これでDeceuninck–Quick Stepは14勝目。ウルフパックは、昨年よりも速いベースで勝利を量産している。
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