1年前、 フレームデザインに関するUCIルールの変更がリークされた。
ルールの変更は、デザインのシェイクアップを刺激し、ロードトライアルバイクの規制を統合。メーカーがチューブの厚さを減らし、チューブの深さを増やすことを可能にすることが期待されている。
Simplonは、これらの緩和されたルールに基づいてバイクを開発。
Simplonは、「世界最速のロードバイク」であると主張するPride IIエアロバイクを発表した。
Simplon Pride IIエアロバイク
「世界最速のロードレースバイクを開発したい!」 それは、SIMPLONが2年前に掲げた明確な目標だった。野心的すぎる目標?全然違う。
Pride IIの開発において、専門家は最大限のワット数を節約するために、エアロダイナミクスとレーシングバイクの重量との間に最適な妥協点を見出した。
また、ここで重要なのは、UCIの新しいガイドラインのルールがすべて満たされていること。
自転車の製作は、まずデザインから始まる。
Pride IIの開発の最初の段階では、すでに自転車競技の世界連盟UCIの仕様が重要な役割を果たしていた。これにより、チューブの寸法設計に限界が生じ、バイクの空力特性に影響を与えることになる。
CFDシミュレーション
SIMPLONのエキスパートたちは、当初からSwiss Sideのエアロダイナミクスのスペシャリストのサポートを受けていた。スイスの空力サービス会社とインペラーメーカーがCFDシミュレーションの実施を担当。
これは、CFD(Computational Fluid Dynamics)と呼ばれる数値流体シミュレーションだ。
チューブのコンセプト、コックピットのフォークやシートポストの3次元スケッチは、いくつかの開発ステップにおいて、仮想風洞でテストされた。
常に注目されるのは、空力的なポテンシャル。CFDシミュレーションの明確な利点。開発時間とコストの削減につながる。
CFDの結果をもとに、部品の設計を段階的に空力的に最適な状態に近づけていく。
そのためには何度も繰り返しの作業が必要だった。エアロダイナミクスに加え、フレームの剛性、重量、エルゴノミクス、ケーブルの取り回しなどの面でも、当然ながら最適化が求められた。
風洞実験:バーチャルとリアル
バーチャルな風洞からリアルな風洞へと移る。そこでは、正面からの風だけでなく、横風もシミュレートされる。
その影響を受けて、Pride IIの特殊な形状のチューブが、いわゆるセーリング効果を生み出している。
つまり、側面から流入した空気が、特別に設計されたチューブのプロファイルを帆のように掴み、推進力に貢献しているのだ。これにより、全体の抵抗が大幅に減少する。
ちなみに、空気抵抗の少なさは、時速40km/h以上のプロだけでなく、それ以下の速度のアマチュア選手にも有効となる。
特にホビーバイカーにはセーリング効果が期待できる。横殴りの風は、速度が低いほど、入ってくる空気が強く、より長く効果を発揮するため、著しく効果的だ。
実際の風洞では、SIMPLONの開発チームは、架空のテスト環境での正確な予備作業の最初の確認を受けた。
計算結果が確認されただけでなく、わずかに上回っていた。
また、アッターゼー湖で開催されるオーストリアの有名なレース「King of the Lake」で、2台のプライドモデルをコンピューターシミュレーションで競わせた。
同じ性能を持つプライドIIは、47.4kmの総距離を約2分02秒速く走りきったのだ。これにより、Pride Iと比較して1kmあたり2.6秒のスピードアドバンテージが得られることがわかっている。
SIMPLONのステムの設定は、CerveloS5のセットアップと良く似ている。独特の形状だ。
ヘッドチューブ、シートチューブ、ダウンチューブ共に、幅がかなり大きくなっている。これは新しいUCIのフレーム形状のルールに乗っ取ったものだ。
重量は、7.7kg。まだ、公式サイトにも情報は出ていないが、価格等はこれから提示される予定だ。平地については、風洞実験では最速かもしれないけれど、登りを含んだ場合はどうなんでしょうね。
SIMPLONでは、新しいボディスキャニングバイクフィッティングシステムも開発している。
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