ツール・ド・フランス第8ステージの敗者の一人はトム・デュムランだ。
デュムランは総合5位から15位の2分20秒差に落ちている。タデイ・ポガチャルが1度目のアタックをかけた時に、彼はついていけなかった。
だが、トム・デュムランが先頭を引く必要があったのだろうか?
それも疑問だが、ゴール後のインタービューでトム・デュムランが引いた理由をあきらかにした。
デュムラン自身の選択
まず、最初にユンボ・ヴィズマの切り札であるセップ・クスが遅れた。これは落車の影響があると言われている。
これによりヴィズマの計画は大きく崩れる。登りではロベルト・ヘーシンクの後に前日のステージ優勝者のワウト・ファンアールトが超級山岳バレ峠を引き倒す。
ワウト・ファンアールトは下りも一人で引ききり、最後の1級山岳も全開で登って切れて行った。今ではワウト・ファンアールトは山でも強いライダーの一人となっている。
この超級山岳のワウト・ファンアールトの引きのことをデュムランはコメントしている。
最後までベストで行ける脚力がなかった。ロベルト・ヘーシンクの次にワウト・ファンアールトが引きだした時のバレ峠では苦労した。
しかし、我々はツールを制覇するためにここにいる。それは意図していたことであり、ログリッチェか私がリーダーとなることだった。
だが、今日は上手くいかないと思った。自分の脚では、すでに首を吊るか絞めるかの間にいたので、ログリッチェの前に乗るという選択をした。
ユンボ・ヴィズマは最後までアシストを残すことが出来なかった。トム・デュムランが最後の1級山岳ペイルスルド峠を先頭で引き始めたのは自分自身の選択でチームのためだった。
アシストの引きに堪えられないようではツール制覇は難しい。
結局それは早すぎた。 だから彼は孤立してしまったし、もちろんそれは望んでいない。しかし、私は先頭に立っていなくても残れなかったかもしれない。
難しい決断だったが、幸いにもログリッチェは調子がいい。
足を使い果たしたトム・デュムランは先頭からドロップした。
次の瞬間にダディ・ポガチャルがすかさずアタック。結局トム・デュムランはポガチャルの発射台となってしまった訳だが。
総合から遅れたトム・デュムランはアシストに回る。セップ・クスがどこまで回復するかによるが、山岳で最後に残るアシストはデュムランとなる。
今後のチームの行方を左右するライダーとなるだろう。しかし、何故プリモシュ・ログリッチはアタックしない?
普通ならば、トム・デュムランの引きをいかしてアタックするのはエースの役目のはずだ。ログリッチェの走りに対して疑問をいだくのは私だけだろうか?
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