昨年末、Red Bull – BORA – hansgroheのダニー・ファンポッペルはこれまでの「世界最高のリードアウト」という役割に見切りをつけ、「2026年シーズンはエーススプリンターとして自らの勝利を目指す」と高らかに宣言していた。
最大の目標としてジロ・デ・イタリアでのステージ優勝を掲げていた。
だが、いざシーズンが開幕し蓋を開けてみると、ジロのメンバーに彼の名前はなく、気がつけば再びヨルディ・メイウスを牽引するリードアウトのポジションに戻っている。彼に何があったのだろうか。
なぜ自らスプリントせず、再びリードアウトに戻ったのか
Presión en Red Bull: el dúo de velocistas que busca un lugar en el Tour de France y el dilema táctico de la plantillahttps://t.co/jeS5s5EmvD#Ciclismo #Cycling pic.twitter.com/MXTNAGZZAW
— Ciclismo Internacional (@CiclismoInter) June 9, 2026
ダニー・ファンポッペルにとって、2026年の春は計画通りには進まなかった。クラシックシーズンでは怪我と体調不良に見舞われ、本来のパフォーマンスを発揮できないまま、大目標であったはずのジロ・デ・イタリアへの出場も静かに見送られた。
「単純にコンディションが良くなかったんだ」と、彼は率直に語っている。
不調の中でチーム首脳陣と話し合いを持った結果、まずはチームとして勝利という結果を出すことを最優先にするという結論に至った。
その結果、直近のブリュッセル・サイクリング・クラシックでも見事な働きを見せたように、再びヨルディ・メイウスのリードアウトを務め、チームに勝利をもたらしている。
以下のインタビューでこれまでの経緯も語られている。
今日のブリュッセルでの見事なリードアウトについてお聞きします。ヨルディ・メイウスとの息が再び完璧に合ってきましたね。
ああ、ヨルディは僕の相棒だからね。自転車を降りても仲が良いし、それがレースでの結果にも直結している。
もう何年も一緒にやっているから、お互いのことはよく分かっているんだ。彼が僕に安心感を与えてくれるし、僕も彼に安心感を与えている。ただただ素晴らしいよ。こういうレースではタイミングがとても重要だけど、今日は二人とも絶好調だった。
今日だけではありませんよね。ワロニーやダンケルクからずっと良い流れが続いています。二人の関係はどうですか?あなた自身の調子はいかがですか?
ああ、調子はいいよ。ようやくまた良くなってきた。ここ数ヶ月で良い脚と良い感覚を取り戻せたんだ。やっぱりこういうレースは素晴らしいね。
本当にたくさんのレースをこなし、たくさんスプリントして、多く勝つことができた。それがチームとしての目標だったからね。
ザック・デンプスター(監督)とも話したんだけど、僕たちは結果を出したいんだ。そしてそれをここで実行しなければならない。「脚で語れ」って言うからね。
以前のことについて教えてください。今年の最大の目標はジロ・デ・イタリアでしたが、最終的にはメンバーに選ばれませんでした。一体何があったのでしょうか?
単純に僕のコンディションが十分じゃなかったんだ。いくつかの怪我や病気があって…。まあ、キャリアの中ではこういうことも起こり得る。
でも、今は完全に復活したと感じているよ。今日の決勝では本当に調子が良かった。囲まれてしまうのが少し怖かったから、一定のペースで前に出たんだ。
とても感覚が良かったから、長くペースを維持できると分かっていた。おかげで後ろから全員が上がってくるのを防ぐことができたし、それが僕の狙いだった。
そこが一番怖かったからね。でも、ヨルディが完璧に決めてくれた。今日はこれ以上ない最高の一日だった。
もしジロに出場していれば、ご自身のチャンスもあったはずです。ヨルディ・メイウスが勝つのも、自分が勝つのと同じくらい嬉しいものですか?
もちろんさ。数年前にリードアウトを始めたのは、その役割が好きだったからだ。そして今、自分の経験をこの役割でとても上手く活かせていると実感している。だから、こういう形も素晴らしいと思っているよ。
どちらか一方だけをやるのではなく、役割を交代することもあるのですね。
ああ、役割は少し交代している。僕はヨルディよりも少し登りに強いから、彼が登りで遅れた時には僕がスプリントする。
でも、メインの目標はあくまでヨルディだ。そして今日のように僕たちは勝つ。君が言ったように、ここ数週間はとても上手くいっているから、コペンハーゲンに向けて良い流れができているよ。
ヨルディは、ツール・ド・フランス出場の可能性もまだ残されていると話していました。
そうだね、それは素晴らしいことだ。「脚で語れ」を実践してきたしね。
次はコペンハーゲンがあるから、そこで自分たちのすべてを見せたい。脚で結果を示せば、選考なり何なりを勝ち取れるはずだ。
だから、今それをできる限り上手くやろうとしている。どうなるか見てみよう。僕とヨルディがここでやっているのは、一種の就職活動みたいなものさ。上手くいくかどうかは全く分からないけど、ベストを尽くすだけだ。
6月以降も、あなたがオランダチャンピオンジャージを着る姿を見られると思いますか?
それは全く考えていなかったな。今年はこのジャージを本当に楽しませてもらったし、すべてが素晴らしい経験になった。
自分がオランダチャンピオンになれるなんて夢にも思っていなかったからね。どうなるかはその時になれば分かるよ。今回は本当にユニークな経験だったと思う。
ヨルディ・メイウスの移籍の噂がもたらす影響
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一方で、ダニー・ファンポッペルが現在リードアウトを務めているヨルディ・メイウス自身にも、大きな転機が訪れようとしている。
今年でRed Bull – BORA – hansgroheとの契約が満了するヨルディ・メイウスに対し、Lidl-Trekが獲得に動いているという有力な噂が流れているのだ。
Lidl-Trekにはすでにジョナサン・ミランとマッズ・ピーダスンという絶対的なエーススプリンターが君臨しているため、ファンからは「なぜ自らが絶対的なエースになれるチームを選ばないのか」と疑問視する声も上がっている。
しかし、現在の1.5倍という年俸アップという好条件に加え、ヨルディ・メイウス自身も「自分は絶対に単独エースでなければならないタイプではない」と語っており、移籍の可能性は低くないと見られている。
もしこの移籍が現実のものとなれば、Red Bull – BORA – hansgroheのスプリント体制は再び再編を迫られることになる。
ヨルディ・メイウスがチームを去ることで、ダニー・ファンポッペルに再びエーススプリンターとしてのチャンスが回ってくるのだろうか。
それとも、新たなスプリンターとして台頭しつつあるローレンス・ピティがエースとなり、ダニー・ファンポッペルはローレンス・ピティの強力なリードアウトとして機能していくのか。
今後の移籍市場の動向から目が離せない状況となりそうだ。




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