2026年のロンド・ファン・フラーンデレンで圧倒的な強さを見せつけ、自身3度目となる優勝を飾ったタデイ・ポガチャル(UAE Team Emirates – XRG)。
レース後のインタビューでは、マチュー・ファンデルプールやレムコ・エヴェネプールといった最大のライバルたちとの激しい攻防を振り返っている。
そして、次週に迫るパリ〜ルーベに向けた高いモチベーションと意気込みを語った。
パリ~ルーベに向けて
ミラノ〜サンレモに続く今季モニュメント2勝目を挙げたことで、周囲からは同一年でのモニュメント全5戦制覇という偉業への期待が高まっている。
しかし、ポガチャル自身は決して慢心することなく、一つの勝利がいかに難しいかを冷静に分析している。ライバルたちとのヒリヒリとするような駆け引きの裏側や、ルーベへの準備状況について、勝者が率直な思いを明かした。
ロンドでの3度目の優勝おめでとうございます。これで今年のモニュメント全5戦制覇という目標が見えてきたのではないでしょうか。
来週は本当に厳しいレースになるけれど、もちろん挑戦するよ。ただ、1年で全勝できるかどうかは分からない。あまりそのことばかり考えず、一つのレースごとに楽しんでいきたいと思っている。
ミラノ〜サンレモで勝った後、今年は5つすべて勝てる年になるかもしれないと考えませんでしたか。
いや、全く考えなかった。自転車競技では、モニュメントではない普通のレースで1勝することすら難しいんだ。最高の日、最高の脚があっても、すべてが完璧に噛み合わなければ勝てない。
だから、サンレモや今日のレースの後でも、今年5つすべて勝てるとは考えていないよ。
今日はこれまでで最高の脚でしたか。終盤でマチュー・ファンデルプール選手と抜け出した際、何度も後ろを振り返ってレムコ・エヴェネプール選手を警戒しているように見えましたが。
少し奇妙な状況だったんだ。マチューはクワレモントやパテルベルグの登りで本当に強くて、そこでレムコとの差が開いた。
ただ、マチューがレムコとの差を気にしているのかどうかが分からなかったんだ。自分としては、絶対にレムコに追いつかれたくなかった。だからハードに引き続けたんだ。
あの場面で追いつかれたくなかったのはなぜですか。
レムコが弾丸のような選手だというのはみんな知っているからね。もし彼にセカンドチャンスを与えて追いつかれたら、後で絶対に後悔することになる。だから、あのゴム紐を断ち切ろうと本当に必死だったんだ。
今日はマチュー選手とレムコ選手のどちらをより恐れていましたか。
両方だ。この種のレースでは何が起こるか本当に分からない。最後は全員が限界に達しているし、多くのことが起こり得るからね。彼らのようなライバルの存在が、自分を別のレベルへと押し上げてくれる最大の助けになっていると思う。
次のパリ〜ルーベに向けてのチャンスや準備はいかがですか。
今はモチベーションが高いし、プレッシャーは低い状態だ。サンレモとロンドまでの道のりは、パリ〜ルーベへの準備としても適していたと思う。
7日後に自分が準備できているかどうかは誰にも分からないけれど、自分では準備できていると思っているよ。とにかく良い脚を見せて、レースを楽しみたいね。
タデイ・ポガチャルの言葉からは、圧倒的な実績の裏にある極めて冷静な現状分析力と、ライバルたちへの深い敬意が浮かび上がる。
同一年でのモニュメント全勝という歴史的偉業が現実味を帯びる中でも、決して浮足立つことなく、一つのレースで勝つことの困難さを強調する姿勢は、彼の精神的な成熟を示しているのでは。
また、レース終盤の極限状態において、レムコ・エヴェネプールの弾丸のような追走力を的確に警戒し、マチューの意図を推し量りながら自らペースを引き上げる判断力もレースにおける駆け引きが出来ている点だ。
自らの限界を引き出してくれるライバルたちの存在を最大の助けと語る通り、三つ巴の死闘こそがポガチャルをさらに上の次元へと押し上げていることがわかる。
まさに天才だ。レースの申し子と言ってもよいだろう。
次なる舞台であるパリ〜ルーベに向け、高いモチベーションと低いプレッシャーという理想的な心理状態にあることを明かしたポガチャル。慢心を完全に排し、純粋な挑戦者として未踏の石畳へと向かう王者の走りに、さらなる期待が集まる。




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