ジロ・デ・イタリアで第20ステージまでマリアローザを着用したアイザック・デルトロ。
実に11日間もリーダージャージを着用し続けたのだから素晴らしい。そのアイザック・デルトロの父親がここまでの苦労を話している。さらに、何もしなかったメキシコ自転車連盟を批難している。
幾多の困難
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上記のインタビューで父親は以下のようにアイザック・デルトロの幼少の頃のことを語っている。
彼は長年骨粗鬆症を患い、腫瘍があり、顎に穴があったことを人々は知らない!
すべて彼が一生懸命にトレーニングしたからこそ、薬やサプリメントなど、支払うのが非常に困難なものが必要だった。
なぜなら、スーパーアスリートの体は豆だけを必要としているわけではないからだ。彼は診察、薬、サプリメント、研究に多額のお金を使った…。
メキシコ自転車競技連盟が今、息子を大々的に取り上げているが、それは恥ずべきことだと感じている。息子が困難な時期に、連盟は一度も息子を支えてはくれなかった。
アイザックはいつも母国代表になることを夢見ていたし、私は彼を誇りに思っている。しかし、こんなことを聞くと本当に辛い。
連盟はいつも何百万ドルもの資金が投入されていると口にするが、旅費やスタート料、食費さえも支払われた選手を私は知らない。私も子供たちのことで大変な時期を過ごしたが、一度も助けてもらったことがない。
例えば2022年のシクロクロス世界選手権でのことだ。
レース前夜、彼は息子から気になる電話を受けた。 夜の7時か8時頃だっただろうか、アイザックから電話がかかってきた。 何か持ってきてくれない? 私はショックを受けた。 えっ、何も食べてないの? そんなことがあり得るのか? 世界選手権前夜ですよ!
ユニフォームは支給されるというが、そんなことはない。 私がお金を払ったんだけど、私が払わないと彼の出場を認めてくれなかったんだ。
結局、送られてきたのは女性用だったので、借りたものを着て出場することになった。
自分自身は無名で、このことで何も変わらないことは分かっている。でも、今言われていることを聞くと、とてつもないフラストレーションを感じる。幾千もの思い出がよみがえるが、一番辛いのは、すでに引退してしまった若いライダーたち、アイザックのチームメイトたちのことだ。
正直なところ、このスポーツを続けることはほぼ不可能ですから。
メキシコ自転車連盟は、選挙プロセスの問題、内部対立、国際規則の遵守違反など、運営における重大な不正行為を理由に、2021年にUCI(国際自転車競技連盟)から資格停止処分を受けている。
そもそも活動自体なかった訳だ。アイザック・デルトロが大腿骨骨折したことは知っていたけれど、骨粗鬆症や腫瘍があったなどは初めて知った。
父親と母親はかなりの苦労をしてアイザック・デルトロの競技を支えていた。父親は米国で働いており、イタリアには出国できなかったそうだ。これからは、デルトロが両親に恩返し出来るだろうけど、活躍できるようになったのは奇跡に近い。
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