2022ツール・ド・フランスで無敵と思われたタデイ・ポガチャルを倒したヨナス・ヴィンゲゴー。
落車したプリモッシュ・ログリッチが、ヨナス・ヴィンゲゴーを完全アシスト。交互のアタックでタディ・ポガチャルをついに追い落とした。
今年は、ヨナス・ヴィンゲゴーの連覇がかかっている。
Jumbo-Vismaのメンバー
Ready to ride their dreams. 💭
✨ Jonas Vingegaard
✨ @WoutvanAert
✨ @DylanvanBaarle
✨ @TiesjBenoot
✨ @LAPORTEChristop
✨ @seppkuss
✨ @W1lcokelderman
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— Team Jumbo-Visma cycling (@JumboVismaRoad) June 26, 2023
1.ヨナス・ヴィンゲゴー
2.テッシュ・ベノート
3.ウィルコ・ケルデルマン
4.セップ・クス
5.クリストフ・ラポルト
6.ワウト・ファンアールト
7.ディラン・ファンバーレ
8.ネーサンファン・フーイドンク
ヨナス・ヴィンゲゴー
2023年のロードレースシーンは大きな偏りを見せている。特定のライダーが勝利を独占してしまうという事態だ。
- タデイ・ポガチャル 14勝
- ヨナス・ヴィンゲゴー 11勝
- プリモッシュ・ログリッチ 9勝
- レムコ・エヴェネプール 8勝
- ディラン・フルーネウェーヘン 6勝
- ジャスパー・フィリップセン 6勝
- マティアス・スケルモースイェンセン 5勝
- クリストフ・ラポルト 4勝
- マチュー・ファンデルプール 4勝
ステージレースでは、上位4人が突出しているのは一目瞭然だ。レムコに関しては、ジロをリタイヤして8勝なので、完走してればもっと勝利していたはず。
この上位二人がツール・ド・フランスで世界一をかけて激突する。二人が対決したパリ~ニースではタデイ・ポガチャルがヨナス・ヴィンゲゴーを圧倒した。
だが、順調に勝利を上げていたタデイ・ポガチャルはリエージュ〜バストーニュ〜リエージュの落車で手首骨折。準備レースは、スロベニア選手権だけでツールに向かう。
迎えるディフェンディグチャンピオンのヨナス・ヴィンゲゴーは調整もバッチリ。パリ~ニース以外は全て総合優勝という破竹の勢いだ。
- グラン・カミノ 第2・3・4ステージ優勝 総合優勝
- パリ~ニース 総合2位
- イツリア・バスクカントリー 第3・4・5ステージ優勝 総合優勝
- クリテリウム・デュ・ドーフィネ 第5・7ステージ優勝 総合優勝
だが、このツールではプリモッシュ・ログリッチのスーパーアシストは得られない。
ヨナス・ヴィンゲゴーとしては、スーパーアシストとしてプリモッシュ・ログリッチがいれば最高だけど、一緒にスタートすることはもうないだろう。果たして、タデイ・ポガチャルとの一騎打ちとなった時に、どんな結果となるのか。
手負いのタデイ・ポガチャル vs ヨナス・ヴィンゲゴー。どんな戦いを見せてくれるだろうか。
ワウト・ファンアールト
2022ツールでは念願だったポイント賞獲得。ステージ3勝という驚異の走りを見せた。さらに、ヨナス・ヴィンゲゴーの総合優勝を決定する第18ステージのオタカムの登り。
ワウト・ファンアールトの引きによって、タデイ・ポガチャルを追い落とし、ヨナス・ヴィンゲゴーのリードを確実なものにしている。
ワウト・ファンアールトが今年山岳でヨナス・ヴィンゲゴーのスーパーアシストとなれるのかは不明だ。本人は、ポイント賞は狙わないといっているので総合優勝に完全にフォーカスするだろう。
ただ、スプリンターステージで、昨年のグリーンジャージが全く狙わないというのは寂しい気もする。一流スプリンターとの対決も見せて貰いたい。
ワウト・ファンアールトだけど、6月28日のStravaをみると104kmを2時間18分。av45.2km/hで走っている。速すぎておかしいとフラグが立っているほど。
凄まじい走りをツールで見せてくれるのは間違いない。
ウィルコ・ケルデルマン
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ステファン・クライスヴァイクがクリテリウム・デュ・ドーフィネ第2ステージで、鎖骨骨折に骨盤骨折の重傷。
山岳でのアシストは、ジロに出場予定だったウィルコ・ケルデルマンとなる。今年のJumbo-Vismaの切り札だ。
ウィルコ・ケルデルマンは、BORA-hansgroheでリーダーの役割を続けることは十分出来たはず。これまでのグランドツアーでは
- 2017 ブエルタ・ア・エスパーニャ総合4位
- 2018 ブエルタ・ア・エスパーニャ総合10位
- 2019 ブエルタ・ア・エスパーニャ 総合7位
- 2020 ジロ・デ・イタリア 総合3位
- 2021 ツール・ド・フランス 総合5位
エースとしての働きの出来るライダーなのだが、今年からJumbo-Vismaでアシストとなる。直前のツール・ド・スイスでは総合4位。
ツールでは、ヨナス・ヴィンゲゴーを完全にアシスト出来るはずだ。ウィルコ・ケルデルマンは、続いてブエルタ・ア・エスパーニャも出場予定となっている。
ディラン・ファンバーレ
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INEOS Grenadiersには5年在籍。タイムトライヤルスペシャリストであり、2018オランダ選手権タイムトライヤル王者でもある。
そして、クラシックハンター。2022パリ~ルーベを勝ち取ったライダーだ。
ディラン・ファンバーレは、2021ドワルス・ドール・フラーンデレンも勝ち取っている。独走から勝利をもぎ取ってしまうパターンだ。
忘れてはいけないのは、2021世界選手権ロードも2位に入っている。エースとして走れる場合には、実力を遺憾なく発揮するタイプだ。
Jumbo-Vismaは、2021年末に
- ティシュ・ベノート Team DSM
- クリストフ・ラポルト Cofidis
二人の両エースを引き抜いている。二人の加入によりJumbo-Vismaのクラシック班、ロード共に大きく強化され結果も成績に現れている。
そして、今年はINEOS Grenadiersからディラン・ファンバーレを引き抜いた。3人の移籍組がツールのメンバーとなった訳だ。クラシックでは最強チームとなった。
今シーズンも初戦のオンループ・ヘットニュースブラッドを独走勝利。
そして、オランダ選手権ロードでは、オラフ・コーイの驚異の粘りとアシストでマチュー・ファンデルプールを退けて独走勝利している。
INEOS Grenadiersでも定評のあったアシスト振りだったが、Jumbo-Vismaではローハン・デニス、2021年まで在籍したトニー・マルティンのような働きが期待される。
Jumbo-Vismaは良いメンバーだ。ただ、一つ気になるのは昨年のグランノン峠でのプリモッシュ・ログリッチの走りを誰が担当出来るのかということだ。セップ・クスなのか、ウィルコ・ケルデルマンなのか。
しかし、いずれにしてもログリッチほどの力のあるクライマーはいない。Jumbo-Vismaと共にUAE Team Emiratesも強化している。
ヨナス・ヴィンゲゴーは、プリモッシュ・ログリッチ抜きでタディ・ポガチャルに対抗しないといけないのが昨年と違う点だ。
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