2023 ツール・ド・スイス第7ステージ ジーノ・マーダーを讃える勝利

第6ステージは、レース無効化に。

ジーノ・マーダーを追悼する悲しい走行となった。ジーノ・マーダーの家族とも話合われ、レースは継続される。

第7ステージのレース続行については、主催者側でも論議され、ゴール手前25kmで総合のタイムが決定する。ゴールでのボーナスタイムはない。

スタートでは、3チームがレースから撤退している。

 

 

第7ステージ　

 

総合タイムは、ゴール手前25kmで行われる。その後、選手はゴールまで走ることになりそうだ。ステージ優勝者は決定するが、ボーナスタイムもないので、総合のタイム差はつかない。

 

1. 1級山岳　オーベレッグ 8.9km・5.3%
2. 2級山岳　Eichberg 　6.2km・5.7%
3. 3級山岳　エッガースタンデン 　2.4km・5.5%
4. スプリントポイント　Braunau
5. 3級山岳　Islisberg  Ottenberg 2.6km・7.9%
   

 

スタート前

ワウト・ファンアールトのコメント

感情的にレースに臨む準備ができているかどうかは、各人が決めること。それが実際にコースになるかどうかは、実際に乗車して初めてわかります。

今日は間違った決定はなかった。昨日は本当に奇妙な一日で、たくさんの感情が湧き起こった。すべてがあっという間に起こったので、本当に何が起こったのかを理解するのは夜遅くになってからだ。

ナンバーを付けられて、再びここに来るのは奇妙だ。しかし、通常の生活に戻るのに適切な時期は決してない。間違いなく、今日が再びスタートするのに最も難しい日になるだろう。非常に困難なレース日になるだろう。

 

レムコ・エヴェネプールのコメント

我々に継続を望んでいたジーノの家族とチームに敬意を表してこれを行っている。私たちは皆、ジーノを讃えるためにこれをやっている。彼がどんな人物だったのかを讃えるためだ。

彼の家族と彼のチームに敬意を表して、彼らも私たちに前進を続けることを望んでいた。それが私たちがここにいる理由だ。

もし彼の家族とチームがこのレースを中止する決断をしたなら、我々全員がそれを尊重しただろう。彼のことを考え始めると、すぐに完全に悲しくなる。

このことが浸透し、消化するまでには時間がかかるだろう。ジーノの家族が今どのように感じているのか想像もできない。新型コロナウイルスの影響でジロから姿を消した私。それはここで起こったことには何の意味もない。

 

 

パスカル・エーンクホーンも山岳賞を争う動きは見せないだろう。

 

新人賞ジャージのフェリックス・ガルも、今日は総合タイムには関係がない。

 

第7ステージスタート時の4賞ジャージ着用者は

• 総合　マティアス・スケルモースイェンセン　Trek-Segafredo
• ポイント賞　ワウト・ファンアールト　Jumbo-Visma
• 山岳賞　パスカル・エーンクホーン　Lotto-Dstny
• 新人賞　フェリックス・ガル　AG2R Citroën Team

最終的に、37名がスタートしていない。

 

スタートしたけれど、誰もアタックはかけないままにレースは進む。

 

3級山岳　エッガースタンデン 　2.4km・5.5%

ここも集団のまま通過。

1. ジャコポ・モスカ　Trek-Segafredo　3ポイント
2. ロベルト・ヘーシング　Jumbo-Visma　2ポイント
3. レト・ホレンシュタイン　Israel – Premier Tech　1ポイント

 

ジャコポ・モスカが先頭を引き続ける。

 

Trek-Segafredoが先頭を引く。

 

スプリントポイント　Braunau

スプリントポイントを通過。

1. クイントン・ヘルマンス　Alpecin-Deceuninck　10ポイント
2. ミヒャエル・ゴグル　Alpecin-Deceuninck　6ポイント
3. ジェームス・ノックス　Soudal – Quick Step　3ポイント

 

残り39.2km。

 

集団のまま進む。

 

ゴール手前もTrek-Segafredo先頭。

 

ここが今日の総合タイムを決定する場所となる。集団は暗黙の了解で同タイムで通過する。ここから、ゴールまでは25km。

 

3級山岳　Islisberg  Ottenberg 2.6km・7.9%

集団は登りに。

 

ようやくアタックがかかる。

 

ここからレースは動きだす。

1. ケヴィン・ヴェルマーケ　Team DSM　3ポイント
2. ジョナタン・ナルバエス　INEOS Grenadiers　2ポイント
3. レムコ・エヴェネプール　Soudal – Quick Step　1ポイント

 

下りとなる。

 

アタックがかかり始めた。

 

残り17.3kmでレムコ・エヴェネプールがアタック。

 

反応出来たのはTeam Jayco AlUlaのウェライ・ハゴス・ベルヘ。だが、すぐに切れてしまう。

 

レムコは、タイム差がつかないステージで独走を選んだ。

 

残り14.9km。明日のタイムトライヤルなんて関係ない。感情で走っている。

 

あっと、誘導がうまくいかずコースアウトしそうになる。

 

猛烈なペースで進んでいる。ほとんどの選手の腕には喪章が巻かれている。

 

追走は、12名。

 

 

追走は35秒差をつけられている。

 

全開で追うけれど、レムコには追いつかない。

 

レムコは天を指さしている。全てはジーノ・マーダーのためだ。

 

レムコはゴールで天を指さす。

 

そして、最後は両方の指を天に。タイム差のつかないステージで、ジーノ・マーダーに奉げるステージ優勝を飾った。

 

ステージ2位はワウト・ファンアールト。3位にブライアン・コカールが入っている。

 

リザルト

レムコ・エヴェネプールのコメント

ラスト25kmでタイムが計測されるまで、レースが中立であることは、すぐに皆に理解できた。そこで全員が同じタイムで走ること、それが最も重要なことだった。その後は、みんな自由にレースをすることができた。

ティム・メルリエが登り切ってからスプリントする、それが私たちの目的だった。しかし、ワウト・ファンアールトと彼のチームメイトがハードに走ったこともあり、登りはとてもタフだった。

ティム・メルリエとベルト・ファンレルベルフを助けたかったが、彼らはすぐに “早く前へ “と叫んだ。

たとえ状況が厳しくても、私はレースをあきらめるような人間ではない。ジーノを称えるには、これが一番いい方法だと思う。このレースを最大限に生かし、ここで何ができるかを確かめたかったんだ。

最後の15kmは、アップダウンが激しく大変だった。でも最後のほうは平坦になり、感動を味わうことができた。ジーノのためにどうしても勝ちたかったんだ。

明日、トップのマティアス・スケルモースイェンセンとの46秒差を縮めるのは簡単ではないでしょう。

ステージ優勝を目指してベストを尽くすつもりだ。ジロの後の病気や精神的なダメージから、このレースでは毎日良くなっていると自負している。

だから、自分が示したものには本当に満足している。明日はもう1度、すべてを出し切りたい。最終的な勝利は難しいだろうが、全力を尽くすつもりだ。

 

2位のワウト・ファンアールトのコメント

レースを続けない方がいいというチームもあれば、レースをした方がいいというチームもあった。とにかく、お互いを尊重し合い、ステージの最初の160kmの間にアタックがなかったのは良かったと思う。

でも、決勝でレースをして、黒いページをめくれたのもよかったと思う。またみんなにレースを見せたいと思っているが、あの上り坂をゆっくり走るのはまだ変な気分だ。

明日の最終タイムトライアルでステージ優勝の可能性がありますが。

事前にコースを調べたが、ここ数日は頭の中が真っ白だった。しかし、初日のタイムトライアルよりもタフなコースであることは明らかだ。マティアス・スケルモースイェンセンとレムコ・エヴェネプールに有利なのは確かだが、素晴らしいチャンスだ。なんとかレースに集中できるといいのだが。

 

第7ステージリザルト

総合

マティアス・スケルモースイェンセンのコメント

私たちのチームが、レースの流れを作ったことを誇りに思う。他の選手もステージ中、それを尊重してくれた。このようなことができたことをとても誇りに思います。

あの悲劇の後、初めてレースに復帰した特別な日だったけれどね。

明日、ツアー・オブ・スイスの総合優勝の栄冠を手にするかもしれないですが?

通常、私はそれを完了することができるはずです。でも、脚力次第でどうにでもなる。プロローグではいい感じだったし、タイムトライアルバイクもよく動いた。それに、コースも自分に合っている。昨年優勝したルクセンブルクのラウンドを思い出させる。

ポイント賞

山岳賞

新人賞