DT Swissは、Swiss Sideと協力して、通常のロードバイクタイヤトレッドのショルダーに特別に傾斜したディボットを組み込むことで、タイヤ自体が「セーリング効果」を補うことができる特許を取得している。
これによると、30km/hで走っていても効果があるというのだ。30km/hならば、一般のアマチュアサイクリストでも十分に出せるスピードだ。
そんな夢のようなタイヤが出来るのか?
DT Swiss エアロ ロード タイヤ コンセプト特許
特許によると、以下のような効果があると説明されている。
具体的には、平均速度が37.5km/hの場合、本発明によれば、前方から斜めに衝突する空気を推進力として利用する多くの状況で、セーリング効果をすでに利用することができる。
本発明は、45km/h以上の高速(相対)速度だけでなく、37.5km/hの平均速度、さらには30km/hの低速でも、このようなセーリング効果を可能にする。これを達成するのは難しく、競合他社のどの製品もこれほど達成していません。
と述べられている。
特許の考えをまとめると
- トレッド タイヤのエアロディボットが、回転するタイヤのすぐ隣に乱気流の境界層を作成
- 対向する空気流がタイヤの上をよりスムーズに通過できるようにする
- 直線グリップや転がり抵抗に影響を与えないように定義
- タイヤの総表面積の 1 ~ 8%
このくぼみ(Divots)を増やし過ぎると、逆に空気力学的な効果が減少するという。特許ではDivotsとなっているが、通常はゴルフのショットで芝生が切り取られたくぼみを指している用語だ。
タイヤにくぼみがあると、速くなるとは不思議な感じもするけれど、これで速くなるならば使わない手はない。
これまで、タイヤにはトレッドパターンがあったけれど、くぼみを使ったタイヤなど聞いたことがない。
図面から見ると、タイヤサイドにくぼみがある。ディンプルとは違い、逆にくぼみでスピードが増すとは面白いアイディアだ。
DT Swissは、タイヤは販売していない。米国特許は付与されていないが、EU特許は2021年5月に申請され、2022年12月に付与されている。
タイヤにくぼみを作るだけならば、トレッドパターンを作るのと同じくらいの技術で出来るはず。新型エアロロードタイヤが発売されたら、是非試してみたいものだ。
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