タデイ・ポガチャルのクランクの長さが少しずつ短くなっているのは承知の事実だ。
- 2022 172.5mm
- 2023 170mm
- 2024 165mm
この3年間で7.5mmも短くなっている。これを何万回も回すことになる。だが、今年からワウト・ファンアールトも短いクランクを使用しているのが判明した。
ワウト・ファンアールトが短いクランクを選択した理由とはなんだろうか?
一気に7.5mmも短く
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Team Visma | Lease a Bikeは、SRAMを使用してるのだけど、クランクの長さは色でわかるようになっている。
- 黄 : 175 mm
- 緑 : 172.5 mm
- ピンク :167.5 mm
- 赤 : 165 mm
- 青 : 160 mm
2024年に、ワウト・ファンアールトは172.5mmのクランクを使用していた。
ワウト・ファンアールトのInstagramの画像では、Cervélo R5-CXクロスバイクのクランクアームに赤い線が見えている。
したがって、ワウト・ファンアールトは 7.5mm以上短いクランクを選択している。4.5%も短くなっており、かなり違うのでは。
タデイ・ポガチャルのように少しずつ短くしたのとは訳が違う。
短いクランクの2つのメリット
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短いクランクにメリットがあるという説はかなり昔からある。トライアスリートでも短いクランクを使用するアスリートが多数いた。
一つ目のメリットはケイデンスが上がることだ。これは科学的にも研究されていて、スポーツ科学者のジェームス・マーティンは、異なるクランク長を使用したときの出力の違いに関する研究を2001年にユタ大学で発表している。
研究の結論は、クランク長が変わってもパワーにはほとんど影響がないが、ケイデンスには影響があるというものだった。逆にクランクが長くなるとケイデンスは低下する。
したがって、短いクランクを使えば、高いケイデンスを維持しやすくなる。 これも意見が分かれるところだが、高いケイデンスが筋肉疲労に効くという科学的研究もある。
もう一つのメリットは、より空気力学的なポジションを取りやすくなることだ。
小さいクランクを使うとサドルの高さの変更も必要で、股関節の角度が小さくなるので、ハンドルを少し下げることができる。
こうすることで、ユーザーは不快感を感じることなく、より簡単に前傾姿勢になり、空気力学的なポジションが可能となる。
これは特にタイムトライアルで有利で、ライダーは正面面積を減らすことができるため、より簡単に風を切り抜けることができる。
Team Visma | Lease a Bikeは、2024年には短いクランクを使用していなかったけれど、タデイ・ポガチャルが使用していることで、考え方が変わったのかもしれない。
ワウト・ファンアールトも7.5mmの差だけど、何万回もペダルを回しているとその差は少しづつ出てくるはずだ。
パワーがそれほど落ちず、ケイデンスの維持がしやすいのならばメリットも大きい。ただ、最適なクランク長は個人で違うのも確か。
ワウト・ファンアールトが2025年シーズン短いクランクで大きな成果が出れば交換して正解となる。
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