UAE Team Emiratesは、レース序盤からコントロール。
ニルス・ポリッツは早々に遅れ、パヴェル・シヴァコフも切れたが、マルク・ソレル、アダム・イェーツが残り、ティム・ウェレンスが驚異の引きで先行するプリモッシュ・ログリッチを捕まえる。
さらに、ヨナタン・ナルバエスが引き継ぐが、Decathlon AG2R La Mondiale Teamがフェリックス・ガルのために引き出しUAE Team Emiratesは助かることに。
残り14kmでテイメン・アレンスマンのアタックに反応したタデイ・ポガチャルのアタックによりヨナス・ヴィンゲゴーと二人になった時には壮絶な戦いが予想されてワクワクしたが、その後は静かなレースとなってしまった。
その後、タデイ・ポガチャルが1回しかアタックしなかった理由が分かった。
ベストなアタックタイミングがわからない
Through Stage 19: Tadej Pogačar (SLO) 🇸🇮 – 2D 21h 41m 46s @TamauPogi @TeamEmiratesUAE #TDF2025 #MaillotJauneLCL pic.twitter.com/kk1GjIvNri
— Who_has_MaillotJaune (@MaillotJauneTDF) July 26, 2025
残り14kmでタデイ・ポガチャルはアタックをかけて抜け出したけれど、ヨナス・ヴィンゲゴーは全く協力せず。
そのためテイメン・アレンスマンが追いつき、2回のアタックで抜け出した。タデイ・ポガチャルは追う義務はなく自分のペースで走ることに。
ただ、昔のレースを思い出すとマイヨジョーヌが先頭を引くことはあまりない。追いついた後続は1kmだけDecathlon AG2R La Mondiale Teamのフェリックス・ガルが引いたけれどケヴィン・ヴォークリンとのタイム差が十分となったところで引きを止める。
再びタデイ・ポガチャルがアタックをかけたのは残り6.9kmの地点。ここでついてこれたのはヨナス・ヴィンゲゴー、フローリアン・リポウィッツ、オスカー・オンリーのみ。
ただ、ここから延々とタデイ・ポガチャルだけが前を引くという不思議な光景となってしまった。
何故、タデイ・ポガチャルが、その後ステージ優勝のためのアタックをかけなかったのか。その謎が解けた。

Tiz-cycling ストリーミング スクリーンショット
タデイ・ポガチャルのコメント
ステージは短縮され、スタート直後からスタートした。ティム・ウェレンスが良いペースを刻んでいた。最後の登りまでは非常に良い走りができた。
でも、その後、チームやライダーの中には、19kmの登りをスプリントできると思っている人もいる。
スタート時のペースは信じられないほど速く、ヨナスもステージ優勝を狙っているかもしれないと思った。でも、結局、彼は僕のホイールにしがみついているだけだった。
テイメン・アレンスマンが良い攻撃を仕掛けてきたので、僕はそれに従わず、自分の得意な守備のリズムを崩さないようにした。
そして最終的にこんな結果となった。とにかく終わったことが嬉しい。パリまであと2日。
結局登りを全部引っ張らなければならなかったので、もちろんかなり疲れた状態でゴールしたが、最後の3日間は私にとって大変だった。
今日が終わって、明日また挑戦できることを嬉しく思う。ツール・ド・フランスはあと2日。集中力を保ち、頑張ろう。
タデイ・ポガチャルのコメントの中では、アタックのタイミングなどには触れられていない。この理由はスロベニアTVに語ったスポーツディレクターのアンドレイ・ハウプトマンの言葉でわかる。
「残念ながら、雨で無線接続が機能せず、タデイは情報を受け取れなかったので、ギャップやいつアタックすべきかを彼に伝えることができなかった。」
タイム差がわからないのであれば、ペース配分もわからない。自分の出来る限りのペースで上がるしかなかったのだ。
幸い、ゴール手前でオスカー・オンリーが離れたところで、フローリアン・リポウィッツが前を引き出しテイメン・アレンスマンに迫ることができた。
もし、無線が使えていたならば、テイメン・アレンスマンとのタイム差もわかるので、ゴールまでの距離を考えてアタックタイミングも指示があったはずだ。
前のライダーが見えない状態で、無線が使えない場合には結果にも影響するのは、これまでのレースでも多くみられる。
今回、無線がちゃんと機能していれば、静かなステージとはならなかったのでは。
コメント
マイヨジョーヌに10キロ以上引かせて何もしなかったヴィスマとヴィンゲゴー。ブーイング浴びるような競技じゃなくて良かったですね。脚力では負けてても仕上がり申し分ない状態なのに勿体ない。負けて当然なのだと腹を括って欲しかった。
そうですよね~。総合2位が逆転されることはまずないタイム差。逆転不可能な距離になったからと言って全く引かず最後だけチョイ差しとは~。
失うものは、何もなかったと思いますけど白旗あげてスタートというのはなんとも~。しかも、目的だったステージ優勝も取れなかったとは。
第18ステージの戦術と合わせて、どうもチグハグな感じがします。