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勝負を決めるSACRA SLFチェーン

インプレ
この記事は約9分で読めます。

私はロードレースの時には、決戦用チェーンとしてSACRAのSLFチェーンを使用してます。

あまり、レースには出なくなったので(足がない) 効果を確認出来る機会が少ないですけど(^-^;

ただ、今回紹介する二つのゴールシーンで、もしSLFチェーンでなかったらどうだったのか検証していみたいと思います。

 

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SACRAとは

どこまでもサイクリスト目線で!どこまでもサイクリスト感覚で!すこしでも速くなるために、強くなるために、日々追求しているシリアスサイクリストのために、走りが変わる自転車部品/知識の開発・提供を行います。
引用  http://www.sacra-cycling.com/company
 

元シマノのエンジニアであり、ロードレースにも参加しておられる田中氏が設立された会社がSACRA。

名品「SHIMANO WH-R9100」のカーボンリムを設計開発したと言われている。

現在も、こんな製品あったらいいなと、いう目線で作成されている。

SACRAのホイールやハンドルの記事などを皆さんも見られたことがあるのではないでしょうか?

 

レスポンスは速い

メールでSACRA SLFチェーンや、オイルについて、細々と質問しました。

すると実に丁寧に、しかも素早く回答が帰ってきます。さすが元シマノの社員と言った感じです。こんなアマチュアに返信くれるとは嬉しい!

 

SACRA SLRチェーンとは

SACRA SLRチェーンと題名で書いてますが、SLRチェーンというのが本当の名前です。

この記事を書くまで、SACRAチェーンで覚えてました^^;

SLFは、Super Low Frictionの頭文字ですね。日本語訳すると超低摩擦となります。

 

SLFチェーンの特徴

特殊なコーティングをほどこして抵抗を軽減させたチェーンです。

  • 超低摩擦かつオイル濡れ性・撥水性が高い固体潤滑剤をチェーンにコーティング
  • 表面にはPTFEパウダーを付着。
  • 付属のオイルでチェーンピン部の摩擦係数を低減
  • チェーンによる駆動ロスを半減致します。
  • 通常走行において約2~5Watt
  • スプリントで約10~16Wattもの抵抗低減効果

コーティングは3段階

  1. 固体潤滑剤をチェーン全体にコーティング
  2. 表面にPTFEパウダーを付着
  3. 付属のオイル
表面に付着させるPTFEパウダーとはなんなのでしょうか?

http://www.sacra-cycling.com/products/slfchain

チェーンには、最初白い粉みたいなものが付着してます。PTFEパウダーだそうです。

PTFEとはフッ素樹脂のこと。

正式には、(ポリテトラフルオロエチレン 4フッ化エチレン樹脂) 通称はテフロンと呼ばれている。

テフロンだったら、聞いたことがありますよね。

フッ素と炭素のみで構成されるPTFEは、デュポン社によって商品化され「テフロン」と名付けられました。

テフロンは物がくっつきにくく熱に強いという特性があるため、フライパンなどの表面のコーティングに使われています。

 

PTFEの特徴

  • 耐熱性
  • 耐極低温性
  • 耐燃焼性
  • 耐薬品性
  • 非粘着性(離型性)
  • 低摩擦性
  • 電気絶縁性
  • 低誘電性
  • 耐紫外線特性

ここで注目したいのは、低摩擦性です。あらゆる物質の中で最も摩擦が少ないといわれています。自動車用部品のベアリングなどにも使用されている。

雨天時にも有利

チェーンの表面にPTFTを付着させているので、撥水性なども期待できる。

つまり、雨天時のレースなどにも効果を発揮出来るようになっている。

実際に、雨でチェーンオイルが落ちるとノーマルチェーンでは10%も効率が落ちてしまいます。

SLFチェーンならば、雨での300ワット走行時に約30ワットもアドバンテージを得る事ができる計算になります。

 

SLFチェーンの低減効果

SACRAの製品では、常にWattによる数値化されたデータ検証をされています。

そこは元シマノの技術者ですから、結果を数値化して自分の納得のいく製品を作り出している訳です。

 

重量換算すると

SLFチェーンを使用すると、スプリントの際に10~16Wattの低減をされると書かれています。

このWatt数を重量に換算すると、約720gの軽量化と同等の効果が得られる。

 

自転車の軽量化で720gといったら凄い重量。これが、わずか数千円で得られるのだから対費用効果は素晴らしく良いことになりますね。

 

転がり抵抗

10Watt削減することで、30km/h走行時のタイヤ1本分の転がり抵抗に相当致します。

最近タイヤの転がり抵抗について、良く自転車サイトで話題になっていますよね。

タイヤ1本分の転がり抵抗が減るということは、両輪で考えると転がり抵抗が半分になるわけですから凄いことだと思います。

 

特別なチェーンの取付方法

SLFチェーンが送られてくると、おまけとして1watt抵抗を下げるチェーンの取り付方法を教えてくれます。

通常の取付方とは、少し違っています。わずかな差ですが、トレーニングで1watt向上しようと思うとどれだけトレーニングが必要でしょうか?

1wattですから、走行時に体感することは出来ないとしても、少しずつの積み重ねが大切ですからね。この情報を得るだけでも価値があると思います。

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効果はいつまで

商品の性質上効果はチェーンを洗浄するまでとなっています。

洗浄といっても、強力なディグリーザーを使用したりしなければ大丈夫のようです。

表面のコーティングが落ちると撥水性は失われると思います。

ただ、SLFチェーンはチェーン内部のコーティングが一番重要なので、ここの潤滑剤が流れださなければ大丈夫のようです。

チェーン自体の寿命は仕方ないので、ここ一番で使用すれば良いと思います。

 

メンテナンス方法

  • 灯油で洗浄
  • ウェスで汚れをふく
  • その後、チェーンオイルをさす。

 

SLFチェーンの効果を発揮できるのは

高負荷の状態が一番watt数の低減が出来るので、ロードレースではアタックや最後のゴールスプリントに効果がありそうです。

時間をやくりくりしてトレーニングにいそしみ、最後のゴールスプリントで相手よりも、わずかなアドバンテージが出来たら、数センチの差で勝てるかもしれません。

私は、走行中にこのチェーン凄いなあ、と数ワットの差を感じることは出来ませんが、事実としてレースで役に立ちました。

 

もしSLFチェーンだったら

こちらのゴールシーンでは、左の赤いジャージの選手に抜き去られています。

ラスト500mからロングスバートして、あと5mでゴールだったのに~。

 

この時の装備は
  • ホイールはR-SYS アルミホイール
  • チェーンは10速アルテグラチェーン
photo:Hideaki TAKAG https://www.cyclowired.jp/image/node/107433

photo:Hideaki TAKAG

まあ、写真みるとスプリントする力残ってないですね。腰も上げられませんでした^^;

ほとんど、精も根も尽き果てており、両側からズブズブと~。

 

SLFチェーン装着

数年の時を経て、再びこの選手と戦うとは~

右の選手は実業団登録E1の選手で、実は上の写真のゴールシーンでの赤いジャージの方です。

 

この時の装備は
  • ホイール ENVEカーボンホイール
  • チェーンはSACRA SLFチェーン

 

もし、この時SLFチェーンでなかったら先着出来ていたでしょうか?

足も実力も違う選手に対して、少しでも肉薄するには、装備もかかせないと思います。

そう、すべて1%の積み重ねなのです!

このSACRA SLFチェーンは高負荷で威力を発揮するので数パーセントは、ノーマルチェーンよりも、アドバンテージを受けていたと思います。

 

そのわずか数パーセントの差が、ゴールでの数十センチにつながったのではないでしょうか?

補足説明ですが、写真はチギレ組の3位争いです。1-2位は逃げ切りです。
 
 

ライバルに勝つために

自転車の抵抗は

  1. 機材抵抗 チェーン・ギア・ハブやプーリーの抵抗
  2. 路面抵抗 タイヤと地面の摩擦抵抗
  3. 空気抵抗  物体が空気中を動くとき、進行方向に逆向きに生じる抵抗力。

自転車の抵抗には、機材抵抗・路面抵抗・空気抵抗があります。

今回のSLFチェーンは機材抵抗を減らすために作られたものです。

 

トラック競技とかは100分の1秒を争う世界ですから、効果は高いと思います。物凄く高負荷で、ゴールでのスピードも凄いですよね。

ほんのわずかなタイムで、雌雄が決するのならばより抵抗の少ない機材で戦うのは理にかなっていると思います。

 

そして、ヒルクライムレースにおいても、効果は高いのではないでしょうか?

ヒルクライムでは、重力に逆らって登るのですから、空気抵抗よりも路面抵抗・機材抵抗が大きく比重をしめてきます。当たり前ですよね。

最後のゴールスプリントでライバルに遅れをとるよりは、アドバンテージを持って臨むほうが精神的にも良いと思います。ライバルよりも、機材抵抗を減らして足を残すことも可能ですね。

そして、なによりも、一生懸命練習したならば最大限の力を発揮したいですよね。

 

2018全日本選手権でフルタイムワーカーながら8位にはいった井上選手。井上選手もツールド沖縄ではSLFチェーンを使用していました。今回の全日本も多分使っていると思います。

 

商品ラインナップ

ロードレーサー用以外にも、MTB用、ピスト用と種類が揃っています。

また、ロードは10速にも対応しておりありがたいです。

こちらで、売られているチェーンには、付属のオイルと秘密のチェーンの取付方もついてます。

 

SLFチェーン ロード用

  • シマノ11S(Dura-ace クイックリンク付き) 9,200円
  • シマノ11S(105 クイックリンク付き) 7,600円
  • シマノ10S(ULTEGRA) 6,600円
  • カンパ11S(Record) 9,980円
  • SRAM11S  10,980円

 

MTB用

  • シマノ11S(XTR クイックリンク付き)9,200円

 

ピスト用

  • イズミ V 7900円
  • HKK ベルテックス ブラック 5,300円

 

付属オイル

オイルは、ベースコートとの相性を考慮してあり、UCIプロチームの使うチェーンオイルと中身はほぼ同じです。

こちらは、必要に応じてチェーンに差します。チェーンピン部の摩擦係数を低減する効果があります。

 

コーティングサービス 4,000円

SACRAにチェーンを送付して、コーティングしてもらうことも可能です。ただ、手間を考えると最初から、コーティング済みのチェーンを買ったほうがいいですね。

 

 
10速用 ULTEGRA
11速用 デュラエース
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まとめ

チェーンの機材抵抗って、少しでも小さいほうが良いですよね。

ほんの少しの差で、勝負が決せられるのが自転車のゴールです。プロ選手なんて、何百キロも入って最後の何メートルかで勝負ですからね。

今日は勝負と言う時に使うと真価を発揮するSACRA SLRチェーン。ライバルに差をつけるのに良いと思います。

 

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