まだ、これを言うのは早いかもしれないが、ロックダウン解除後の最高のライダーは誰かと聞かれたら、間違いなくワウト・ファンアールトとなるだろう。
ツール・ド・フランスではグリーンジャージを狙ったりしないが、もし仮に他のチームにいたならば間違いなく取ることは可能なはず。
ひたすら、ドメステックな役割を引き受けているが、ステージを狙って良い場面では確実に勝利を収める。これほど強いライダーはいないのではないだろうか?
第5ステージは楽だったと言う
第5ステージは逃げもなく、集団をコントロールする必要もない。最後の1時間だけが仕事の時間だった。
ワウト・ファンアールトはラスト4kmからダラダラと上がっているコースで常に前に位置。ラスト1kmからは、Sunwebの後ろにピッタリとつけて勝機を伺う。
Stravaを見ると、ラスト4kmの平均スビートは47.7km/h。Max67km/hだ。ゴール手前1km当たりの勾配は8%を越える箇所もあり、そんなに優しい登りではなかった。
これほど楽なステージはなかったというほど力を使ってなかったからだろう。第4ステージでは、ラスト3.5kmから1.5kmまで引き続けて、次の日にスプリントで勝利する。
信じられない回復力!
第4ステージの引きでは、チームメイトのトム・デュムランでさえキツカッタと述べているほど。最後のゴールで前に位置する足もなかったと言うほどなのだから。
しかもステージではボトル運びもする。
“Daar rijdt de winnaar van Milaan-Sanremo, Strade Bianche en rit één in de Dauphiné” pic.twitter.com/c5ENoWTa1z
— Sporza 🚴 (@sporza_koers) August 30, 2020
ワウト・ファンアールトは第6ステージからは、またドメステックなポジションに戻るだろう。
再びチームから勝利を狙うのを許されるのは最終日となるはず。スプリントの祭典と呼ばれるシャンセリゼで勝利したら凄いことだ。
今シーズンの素晴らしい成績
勝利を目指して走ったレースでは全て優勝している。
ストラーデビアンケでは独走勝利。
ミラノ~トリノではアルノー・デマール、カレブ・ユアンについで3位。トップスプリンターと戦う力もある。
ミラノ~サンレモではジュリアン・アラフリップと逃げて勝利。逃げてもいける。
クリテリウム・デュ・ドーフィネの第1ステージでも勝利した。これは登りスプリントだ。
当然のようにベルギー選手権TTでも勝利。レムコが不在だったのは残念なことだけど。
だが、忘れてはいけない、ワウト・ファンアールトは1年前のツール・ド・フランス第13ステージの個人TTでの落車からの復帰を果たしてこの成績なのだ。
手術は2回も行っている。1度目の手術は成功してなかったというから、どれほど大変だったことか。
筋肉は引き裂かれ、腱も断裂。一からの復帰でここまで強くなって帰って来ているのだから驚きの進歩と言って良い。しかも、ここまで強くなって帰ってくるなんて。
まだ、今シーズンを振り返るのは早すぎるが、ベストライダーを上げるとすればワウト・ファンアールトを一押ししたい。
あと、願うのはシーズン終了までケガなく走り切って貰いたい。
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