マーク・カヴェンディシュはバーレーン・マクラーレンに移籍して最初のサウジツアーでチームの勝利に貢献した。
自らの勝利はなかったが、総合優勝したフィル・バウハウスを見事にアシスト。ゴール前の機転はトラックで培った経験の表れでもある。
マーク・カヴェンディシュは東京オリンピックで採用されるマディソンで出場を狙っていた。
イギリス代表の厳しい道のり
マーク・カヴェンディシュは、2016年のリオデジャネイロオリンピックではオムニウムで銀メダルを獲得している。
マディソンでは世界選手権で3度世界チャンピオンとなっており、オリンピックで初めて採用されるマディソンで金メダルを狙うのは当然の流れだった。
マディソンとは
マディソンは2人でチームを組んでポイントを獲得していくポイントレース。各チームの一人の選手だけがレースに参加しているのが特徴。
定期的に各チームは、「タッグ」によって選手交代を行う。タッグは走行を終える選手がこれから走行を開始する選手の手をつないで引くことでスピードを上げていく。
ポイントの獲得方法は2通り。
スプリント周回(10周に1回)で4着以内にポイントが与えられる。
1着5ポイント・ 2着3ポイント・ 3着2ポイント・ 4着1ポイント。
ラスト周回のフニッシュはポイントが2倍
もう一つは、集団をラップすると20ポイント獲得となる。
だが、マーク・カヴェンディシュはUCI世界選手権のイギリス代表に選出されなかった。
2⃣0⃣ riders will represent the Great Britain Cycling Team 🇬🇧 at the upcoming @UCI_cycling Track World Championships 🌈
Berlin is the final opportunity for the #GBCT to score @Tokyo2020 qualifying points 🙌
Full story ➡️ https://t.co/EvclZ0VDF0
26 Feb – 1 Mar 🗓#Berlin2020 pic.twitter.com/AfPb34LtHm
— British Cycling (@BritishCycling) February 10, 2020
イギリスの代表になって成績を残さなければ、オリンピックへの道も開けない。イギリス代表の資格基準を満たすために以前の国際イベントに参加する必要があった。
マーク・カヴェンディシュは冬のトラックイベントには出場していた。
6Day LondosnやGent Six Dayなどはトラックのイベントであり、これらはイギリス代表選考の公式レースではない。
イギリス代表に選出されるにはワールドカップに出場してポイントを稼ぐ必要があったのだ。
イギリス代表のメダルの目標は4人で行われる団体追い抜きがメインであることも関係している。
トラック代表として5人必要だが、4人必要な団抜きのメンバーは確立されていた。マディソンだけの出場のためにマーク・カヴェンディシュを選択するのは得策ではなかったという理由もある。
リオデジャネイロオリンピックではマーク・カヴェンディシュは団抜きに出場する準備も整っていたが、東京オリンピックでは団抜きのメンバーの一員ではなかった。
また、マーク・カヴェンディシュは250ポイントを獲得するために、香港ワールドカップ、ニュージーランドのケンブリッジ、オーストラリアのブリスベン、そして1月末のカナダのミルトンに出場する必要があったのだが、いづれも出場していない。
マディソン代表は、団抜きが走れるメンバーが兼務していたという理由もあった。
世界選手権に出場する前のワールドカップに出場しなかった時点でマーク・カヴェンディシュのイギリス代表の道も閉ざされてしまった。
残念ながら、東京オリンピックに出場するというマーク・カヴェンディシュの夢は立たれてしまったことになる。
その代わりにロードレースに集中することを選択したのだろう。マーク・カヴェンディシュの次の出場レースはUAEツアーだ。
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