2026年1月、シクロクロスの歴史が動いた。 マチュー・ファンデルプールが、父アドリの名を冠した地元ホーヘルハイデでのワールドカップで圧勝。
これによりワールドカップ杯通算勝利数が51勝に達し、長年破られなかったスヴェン・ネイスの記録50勝を抜き去った。
自身の目の前で記録を塗り替えられたかつての王者、スヴェン・ネイス。 しかし、インタビューに答えた彼の言葉に、悔恨の色は一切なかった。
正しい時代に生まれてよかった
シクロクロスの皇帝、スヴェン・ネイスは2016年に引退している。マチュー・ファンデルプールとは何度も対戦。上記は2015年ネクタイクロス Krawatencross (C1)の表彰台。
この時には、もうマチュー・ファンデルプールが37秒の大差でワウト・ファンアールトとスヴェン・ネイスを破っている。マチューの無敵の快進撃が始まる前のことだ。
スヴェン・ネイスの愛称は、バールの人食い鬼(De Kannibaal van Baal)、シクロクロスの皇帝、コッペンベルグの王、ミスター・スーパープレスティージュ。
1995年にジュニア部門でベルギーチャンピオン。 1997年・1998 世界選手権U23で2連覇。
プロシクロクロス選手として、1998-1999シーズンにデビュー。プロとして18シーズン活動。 通算勝利数は、271勝。 2006-2007シーズンには年間30勝を挙げた。
- 世界選手権優勝:2回
- ベルギー選手権優勝:9回
- スーパープレスティージュ:総合優勝13回(23歳で初優勝)
- ワールドカップ:総合優勝7回
- GvAトロフィー / bpost bankトロフィー:総合優勝9回
- コッペンベルグクロス(Oudenaarde):9勝
- ロードレース: パリ〜ルーベに3回出場 プロでの勝利はない
- マウンテンバイク(MTB): 通算24勝。 ベルギー選手権優勝:5回 オリンピック出場:2回(2008年北京、2012年ロンドン)。北京五輪では9位。
2016年2月、39歳で現役を引退。アントワープのスポーツパレス(Sportpaleis)で2日間の引退イベントが開催され満員となった。
マチューが39歳まで走れば、スヴェン・ネイスの記録は抜けるかもしれない。ただ、そのころにはマチューはゴルフコースにいそうですね。
マチューが凄いのはロードレースでも強いこと。これにマウンテンバイクの世界王者の称号が加わればいうことない。
Two legends. Nothing to separate them 🤏
Mathieu van der Poel draws level with Sven Nys with his 50th World Cup win 🙌 pic.twitter.com/fvaQ9qmk9n
— Cycling on TNT Sports (@cyclingontnt) January 24, 2026
あなたのワールドカップ勝利記録50勝が並ばれ、破られることになりました。これをご自身ではどう見ていますか?
まあ、これはある程度予想できていたことだし、マチュー・ファンデルプールが19歳から31歳になるまでいかに支配的だったかを見れば、非論理的なことではないよ。
いつかは起きることだったんだ。それでも、私の記録は10年間破られなかったわけだから、その点については誇りに思っているよ。
あなたがその記録を打ち立てた時、「これは永遠に破られないかもしれない」と思ったのではありませんか?
さあ、どうだろうね。記録というのは、たとえそれがどれほど高い数字であっても、いつかは破られるためにあるものだと思っている。
ファンデルプールを見ていると、「これはいつか起きるだろうな」と思うことがたくさんある。例えば、エリック・デ・フラーミンクの世界選手権7勝という記録もそうだ。
あれも、おそらく彼によって更新されることになるだろうね。 この記録をマチュー・ファンデルプールに奪われることは、全く悪い気分ではないよ。私にとっては、それはごく明白で当然の帰結のように思えるんだ。
「もし誰かに記録を譲るなら、マチューのような超人的な才能の持ち主が良い」という思いはありますか?
そうだね。彼はその記録を盗んだわけじゃない。本当にハードに戦って手に入れたものだ。 ロードレースと並行しながらシクロクロスへの情熱を持ち続けることは、決して簡単なことではない。
それがこの記録をより特別なものにしていると思う。彼が達成した勝利に対しては、ただただ脱帽するしかないよ。
あなたの弁護をするなら、昔よりも今のほうがワールドカップの開催数は増えていますよね? 記録を出しやすい環境なのでは?
確かにそうだね。でも、彼は全てのレースに出場しているわけではないからね。 世代も違うし、全ての要素を比較するのはとても難しいことだ。
でも、私は記録が破られたことに何の問題も感じていないよ。私は自分が勝ち取ったものにも、失ったものにも満足している。
それに、今日彼が走っている姿を見ると……「私は正しい時代に生まれたんだな、全盛期の彼と戦わずに済んでよかったと嬉しく思うよ(笑)。




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