私たちは何を見ていたのだろうか。
目の前では信じられない光景が繰り広げられた。2分30秒も後ろでスタートしたレムコ・エヴェネプールにタデイ・ポガチャルが抜かれたのだ。
しかも、タデイ・ポガチャルが得意とする登りでだ。カナダで不調を口にしていたタデイ・ポガチャルだったけれど誰もが接戦を予想していたのでは。
しかも表彰台に届かないという結果はタデイも想像していなかったのでは。何が原因だったのだろうか。
タデイ・ポガチャル最大の屈辱
Remco Evenepoel catches and OVERTAKES Tadej Pogacar in the time trial 😱
He started two and a half minutes behind… pic.twitter.com/OqiCWJlAwv
— Cycling on TNT Sports (@cyclingontnt) September 21, 2025
カナダの2連戦の時に、疲れがあると言っていたタデイ・ポガチャル。それでも2戦目は登りで抜け出して後ろのブランドン・マクナリティを待って勝利を譲った。単独で逃げることが出来ないと判断した訳ではないと思うけど。
今回のタイムトライヤルは1,400mの高地からスタート。空気が薄く慣れておく必要もあったはず。この点についてもタデイ・ポガチャルは答えている。
タデイ・ポガチャルのコメント
自分は全てを捧げた。もちろん、レムコに抜かれて残念だけど、信じられないよ。彼はこの分野では優れているからね。表彰台まであと1秒というのは、ほろ苦い結果だ。
もしこんな結果になると知っていたら、もう少しモチベーションが高かったかもしれないけど、まさかそんなことになるとは思っていなかったので、今日の結果はきっと後悔するだろう。でも、明日はまた新しい日だからね。
もちろん、これは私の最高のタイムトライアルのパフォーマンスではなかった。カナダの直前にタイムトライアルバイクのトレーニングブロックを完了することができなかった。
次のロードレースについては?
世界選手権の準備は決して容易ではない。多くの要因が結果を左右するからだ。例えば、準備レースもその一つだ。あと2回のハードなトレーニングをこなせば、日曜日のレースに間に合う。
準備に関しては、タイムトライアルを取り巻く状況を考えると、カナダは間違いなくスキップすべきだった、北米行きのフライト前に体調を崩してしまったため、タイムトライアルではなく重要なトレーニングセッションをいくつかスキップすることにした。
ロードレースとなると話は別だ。ロードレースで100%のコンディションを保つにはカナダに行く必要があると分かっていたので、来週日曜日のレースに向けてカナダへの遠征は良い選択だったと思う。
今回のレムコの走りについては?
彼が私に追いついた時、私も彼を追いかけたかったが、できなかった。レムコがこのタイムトライアルに100%のコンディションで臨めていた。
そして同時に、来週日曜日のレースには99%のコンディションで臨めることを願っている。
タデイ・ポガチャルは体調不良でタイムトライヤルのトレーニングができていなかったことを証言している。TTとロードでは、また条件は別となるけれど登りで抜かれている姿をみたのは衝撃的だった。一週間でタデイ・ポガチャルの体調が戻るのだろうか。
ここまでの二人のデータを比べると
- タデイ・ポガチャル レース日数47日 7,724km 16勝
- レムコ・エヴェネプール レース日数41日 6,074km 7勝
タデイ・ポガチャルは、2月のUAEツアーから出場。クラシックからツールまで走り続けている。対するレムコは、2024年末の交通事故で出遅れ4月からスタート。ツール・ド・フランスも途中リタイヤしている。
疲れという点でも、少しレムコのほうがフレッシュかもしれない。レムコが最大のライバルとして浮上してきたのは間違いない。
コメント
名を変えます
名は「kill2」でkillkillです!
ポガチャルはドーフィネの時もTT悪かったような気がしましたね。
たまにポガチャルも人間臭さがあるので好きですね。個人的にはツール3周目位からずっと調子が良くないように感じます。
思うように走れないとストレスも溜まるのでしょうか。
今回のベルタに出場してたら、世界選手権の参加はどうなってたのかなと思います。
U23のTT見てましたが、国によって機材に大きな差がありましたね。
ヤルノウィダルはスタートリストに名前があったのですが、見なかったような気がします。
オランダ、ポルトガルの参加がなかったのが意外でした。
タデイ・ポガチャルでもコンデションが悪ければ勝てないということでしょうね。
今回のキガリのコースは平坦ではなく集団についていれば良いという訳ではなく、その時のコンデションがそのまま反映された感じですね。1週間でどれだけ屈辱をためているのかが怖い。
U23のTTについては、機材までは見てなかったです。今回遠かったのと政情不安、予算、コースの関係で多くの国が派遣を見送ってますね。