8月から、UCIは特別に指定されたレースで最も重いギアの制限をテストする。情報ではツアー・オブ・広西と言われている。
これらのレースでは、クランク1回転で最大10.46mの推進力を発揮するギアの使用が許可される。
これはホイールの直径とギアのサイズによって決定されるが、全員が同じホイールサイズを使用しているため、この措置は事実上ギアを中心としたものでしかない。
ここで問題となるのがギアの組み合わせだ。
SRAM REDでは48Tしかない
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10.46mということは、ShimanoやCampagnoloのグループセットの場合、許容される最大ギアは54×11ということになる。
つまり、フロントは54歯のアウターリング、カセットは11歯が最小ギアとなる。 この2つのブランドがすでに製造しているチェーンリングとカセットなので問題はない。
SRAMを使用するチームにとっては、状況はより複雑で不運だ。 なぜなら、SRAMはカセットの最小スプロケットとして10歯のコグを使用しているからだ。
つまり、新ルールを遵守するために、ライダーが使用できる最大のスプロケットは49歯のスプロケットということになる。
しかし、SRAMはそのサイズのチェーンリングをRED AXSグループセット用に製造していない。 そのため、実質的には48歯のフロントチェーンリングを使用しなければならない。
SRAM REDのアウターチェーンリングは、50と48しかないのだ。
あらためてUCIの示した表みてみると30・28・25mmのタイヤ幅に対するギアが掲載してある。現在一般的なタイヤ幅となってきた28mmを抜粋してみてみると。
48 | 49 | 50 | 51 | 52 | 53 | 54 | |
10 | 10.22 | 10.44 | 10.65 | 10.86 | 11.08 | 11.29 | 11.50 |
11 | 9.29 | 9.49 | 9.68 | 9.88 | 10.07 | 10.26 | 10.46 |
SRAM REDだと48×10を使用して10.22mしか進めない。その差は、0.24m、24cmとなる。これは大きい。
SRAMのグループセットを使用していないすべてのチームは、より重いギアで長く進めることになる。
したがって、SRAMがスポンサーとなっているチームは、ShimanoやCampagnoloを使用しているチームよりも、UCIの新しいギアルールの影響を大きく受けることになる。
- Team Visma | Lease a Bike
- Lidl – Trek
- Movistar Team
- Red Bull – BORA – hansgrohe
SRAMが代替策を打ち出すかどうかは、今のところ推測の域を出ない。 SRAMは、UCIが発表したテストについて、コメントしていない。そりゃそうだ。まだテストもしてないのだから。
打開するには、49Tを作るしかないだろう。それならば1回転で2cmの差だ。ただ、ゴールでは2cm以内で決着がつくことも多々ある。
SRAMも困るけど、使っているチームにとっても大問題だ。
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