BORA-hansgroheに移籍して1年目、ウィルコ・ケルデルマンは4度目のツール・ド・フランスで総合5位という素晴らしい成績をあげた。
春先にキャンプで、大けがをしたことを思えば上出来の結果だ。
だが2022年には、ツールに参加せず、ジロ・デ・イタリアの総合を目指すという。
ケガからの復帰
ウィルコ・ケルデルマンは、春先のキャンプでの事故以にも、ベネルクスツアー第3ステージでも落車して、骨盤骨折、肋骨骨折して9月でシーズンが終了してしまった。
手も骨折していて、手術をしており6週間乗れない状態が続いた。本当にケガの多い選手だ。
上記の記事でも記載したが、わかっているケガだけでも
- 2014年12月23日:トレーニング中に鎖骨骨折
- 2015年6月8日:クリテリウム・デュ・ドーフィネでの転倒による手首の負傷
- 2015年6月13日:ドーフィネのクイーンステージで、早めの転倒により氷に沈む
- 2015年7月2日:トレーニング中に軽度のクラッシュが発生
- 2015年7月13日:ツアーデビュー戦で何度もクラッシュ。背中の問題に悩まされる
- 2016年3月21日:ツアー・オブ・カタルーニャでの体調不良について
- 2016年7月23日:ツール・ド・フランス第5ステージでの遅めの転倒による打撲傷
- 2017年3月7日:ストラーデビアンケでの指の骨折で1ヶ月間欠場
- 2017年5月14日 : ジロ・デ・イタリアでのバイクとの衝突で指を骨折
- 2017年8月22日 : 第4ステージのブエルタ・ア・エスパーニャで転倒
- 2017年10月22日 : ツアー・オブ・グォンシィでのクラッシュで腕に深い傷を負った
- 2018年3月11日 : Tirreno-Adriaticoで転倒し、鎖骨骨折
- 2018年4月5日 : 鎖骨骨折の合併症による長期欠場
2018年7月1日 : NKサイクリングでの事故後、肩を調査 - 2019年3月29日 : カタルーニャ州での転倒による頸椎骨折、鎖骨骨折
- 2019年7月22日 : 背中のトラブルでツール・ド・フランスを離脱
- 2021年1月16日 : トレーニング中の事故による椎骨骨折と脳震盪
- 2021年9月1日 : ベネルクスツアー第3ステージ落車 骨盤・肋骨、手の骨折
これだけ、ケガしたら普通のライダーだったら止めていてもおかしくはない。精神的にも強くないと復帰は難しい。
統計では、トップ10で139回もレースに勝つことなくゴールしている。つまり、安定して良い成績はだしている。
けれど、キャリアでの勝利は4勝という結果に終わっているのは、ケガの関係もあるだろう。
ジロを目指す理由
ウィルコ・ケルデルマンはボルタ・ア・ラ・コムニタ・バレンシアナから2022年のレースを始める。
2022年の主な目標はツールではなくて、ジロ・デ・イタリアだ。2年前、総合3位となったジロで再び頂点を目指す走りをする。
ジロ・デ・イタリアを走るBORA-hansgroheのメンバーは
- ジェイ・ヒンドレー
- ジョヴァンニ・アレオッティ
- エマヌエル・ブッフマン
- マッテオ・ファッブロ
- レナード・ケムナ
- ウィルコ・ケルデルマン
ケルデルマンとエマヌエル・ブッフマン、ジェイ・ヒンドレーと共に総合を狙う。2020年にジロでジェイ・ヒンドレーとの間で起こったことは一旦脇に置いている。
私は彼を責めません。チームとして、レースで選択をしなければならない。
そして、私はエミュー(エマヌエル・ブフマン)と良い関係を築いている。私たちは良いカップルで、楽しみにしている。
私がジロに勝つことは可能かどうか? それは、場合による。それは私の個人的な目標というよりもチームの目標だからね。チャンスがあるかどうか見ていく。
ツールについては、私はそれをあまり楽しんでなかったんだ。私は従うことしかできなかった。
最高のライダーと競争するのに十分ではなかった。ポガチャルやログリッチのようなライダーは良すぎる、彼らは一歩上だ。少しストレスが少ないほうが好きだ。
まあ、彼らと戦っても勝ち目が少ないのは事実かもしれない。ツールは、移籍したダニー・ファンポッペルがリードアウトしてサム・ベネットでスプリント勝利を狙うメンバーだ。
これも、チームと思惑が一致したと言って良いかも。無理にツールで総合を狙ってステージ勝利も得られないよりは、的を絞ったほうが良い。
チームとしても、ジロは総合、ツールではスプリントと目的をはっきりと絞ったほうが戦いやすい。ケルデルマンも集中できるというものだ。
BORA-hansgroheのジロのメンバーは山岳アシストもバッチリで気合が感じられる。面白いレースを見せてくれそうだ。
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