マイケル・ウッズは2021年からIsrael Start-Up Nationで走り始める。
彼が元エリートランナーで、銀行に勤めていたことは知っている人も多いはず。このランナーから、サイクリストとしての道を歩み始めた時に、重要な二人の人物が存在する。
彼ら二人がいたからこそ、プロライダーとしてのキャリアを始めることが出来たのだ。そして、今、両者の希望に沿ってIsrael Start-Up Nationに移籍となった。
イタリアへの渡航
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マイケル・ウッズは20歳までエリートランナーとして活躍していたが、ケガのために断念。英語で大学の学位を取得し、ランニングシューズ店と銀行の出納係として働いていた。
その後、父親のバイクを借りてレースにも出るようになる。フルタイムで働きながら、レースにも出ていたが、2013年Team Garneau – Quebecorに所属していた時に、ある人物と出会う。
この時、チームのコーチングサービスをしていた、パウロ・サルダーニャ(Paulo Saldanha)は一流の生理学者でもあった。マイケル・ウッズは彼を訪ね、テストを受け、いつくかの記録を破った。
彼は、マイケルに、「マイク、仕事を辞めろ、プロのサイクリストになれるから」と言ったらしい。
その時には、すでに20代後半で、エリートランナーへの道をあきらめていた、ウッズは銀行でフルタイムで働いていた。このままではプロライダーになる道筋なんてない。
ここで、シルヴァン・アダムスが登場する。
アダムスとパウロ・サルダーニャは、カナダで有望な選手のための基金を設立することを議論していた。ウッズは、彼らが探していたライダーの一人だった。
パウロは私をシルヴァンのオフィスに連れてきてくれて、私たちはおしゃべりをして握手をした。私は仕事を辞めることができたんだ。
イタリアでアパートを借りて、Amore & Vita – Selle SMPチームでレースをして、ヨーロッパの経験を得ることができた。
その後のマイケルは、2014年アメリカのOptum p/b Kelly Benefit Strategies(のちのRally Cycling)に移籍。
そして、2015年にはCannondale-Drapac Pro Cycling Teamでワールドツアーデビューを果たす。すでに30歳だったが、その後の活躍はご存じの通りだ。
シルヴァン・アダムスも夢を実現
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一方、イスラエル系カナダ人の億万長者シルヴァン・アダムスもプロサイクリングのランクを上昇させる。
62歳の彼は、2016年にイスラエルサイクリングアカデミーの共同所有者となる。そして、2020年にはIsrael Start-Up Nationとして、ワールドツアーチームに昇格。
この間も、マイケル・ウッズと連絡を取っていたが、マイケルがワールドツアーでのレースを希望していたので、その意見を尊重していた。
2020年にワールドツアーレベルに到達し、ジロでのステージ勝利も手に入れた。そして、2021年にはフルームの移籍を決めめ、多くの有力ライダーが移籍していくる。
舞台は整った。マイケル・ウッズの登場だ。
私は明らかに彼(アダムス)のためにレースをしたいと思っていたし、彼はチームに私を呼びせることに熱心だったと思う。
彼は誇り高いイスラエル人であると同時に、誇り高いカナダ人でもある。
彼はチームで最高のカナダ人を持っていることを望んでいるし、我々は数年前にこの会話を始めている。
彼らの物語は、ウッズが6年以上前にイタリアに移住するための資金を調達するために、アダムスのオフィスに足を踏みいれた瞬間から始まっていた。
その時から、今回の移籍となる道筋は出来ていたことになる。両者の発展が時を経て成し遂げられたことも一因だ。
ウッズとアダムスは次のステップに向かって準備をする。次はどうだろう。ツールでの勝利が見られることになるのだろうか?
しかし、凄い話だ。6年以上前からの関係だったとは。マイケル・ウッズもアダムスのために恩返しとして、カナダ最高のライダーとしての走りを見せてくれるはずだ。
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