ワウト・ファンアールトはシクロクロスでは完全に復調したと言っても良いだろう。
DVV Verzekeringen trofee Krawatencrossでぶっちぎりで優勝を飾った。
スタート位置が3列目ととても不利な状況からの優勝であり、世界チャンピオンのマチュー・ファンデルプールがいないだけで、あとは全てのライダーが揃っていた。
ワウト・ファンアールトのコンデションは完璧に戻っていると言っても良いはずだ。
DVV Verzekeringen trofee Krawatencross
ベルギーのリールで開かれたDVV トロフィーシリーズの第8戦クワラテンクロス(Krawatencross)のコースは1周2.980m。ここを8周する。
3分の1は砂浜。あとの3分の2は林道の中というコース。今回も砂浜では多くのライダーがカーブで落車してしまう。
ワウト・ファンアールトは前から3列目で厳しいスタートを強いられる。15番手当たりから、次々と前走者をパス。
レースは、ベルギーチャンピオンのローレンス・スウィックが2周目から独走を開始したが、砂場のカーブでクラッシュ。
せっかくリードを広げていたローレンス・スウィックだったが残念。
ここで、クィンティン・ヘルマンスがトップに立つ。
De decibels gaan duidelijk de hoogte in als Wout passeert 🔊#DvvTrofee #Krawatencross pic.twitter.com/eshx3wwAM8
— DVV Trofee (@DVVtrofee) February 8, 2020
彼は2020年からCircus–Wanty Gobertのプロチームでロードレースも走る。2019年はFlèche du Sud (2.2)で総合優勝も決めており、ロードとシクロクロスを走るライダーでもある。
上のツイートの動画で先頭を走っているのがクィンティン・ヘルマンスで、2位でゴールしている。
ついにトップへ
ワウト・ファンアールトは、4周目でようやく2位集団のトップまで上がる。
前を走るのは、クィンティン・ヘルマンスのみ。クィンティン・ヘルマンスは最大15秒までタイム差をつけていた。
海岸線の長い直線で距離を詰めたワウト・ファンアールトはついに、クィンティン・ヘルマンスの影を捉える位置まできた。後は、抜くタイミングを待つだけだ。
ワウト・ファンアールトがトップに立った瞬間は、カーブでヘルマンスが少しバランスを崩した場面だった。
一瞬のスキをついて、ワウト・ファンアールトが前に。
こうなると、走力で勝る元世界チャンピオンのワウト・ファンアールトを追えるライダーはいなくなった。
落車から204日振りの勝利
後続を突き放したワウト・ファンアールトはゴール前では腰を指さして復活をアピール!
— Steven Kruijswijk (@s_kruijswijk) February 8, 2020
復帰してすぐのシクロクロスでは、腰の痛みで苦労していた。レース後にも腰や足が痛んだことを告白している。
ワウト・ファンアールトの腰には、大きな傷跡が残っている。実に勝利は7か月ぶりだ。そして、ツール・ド・フランスのポーでの落車から204日が経過していた。
キャリアが終わってしまうかもしれないという恐怖とも戦っていた。
ここまで、スタート位置が後ろの場合には、中々トップまではあがれなかった。
だが、今日の走りをみると左右の筋力差もなく、パワーも以前の力が戻っているようだ。
最大の勝利ではないかもしれないが、自宅近くで最初の勝利をつかむことは1週間前から私の心をとらえていた。
腰を叩いたのは、数か月前から頭の中でこの問題を抱えていたから。過去数ヶ月で私がやり遂げたすべての後、これは素晴らしい報酬だ。とても感情的になっている。
ワウト・ファンアールトは、スーパープレスティージュュ・メルクスプラス(Superprestige Merksplas)でシクロクロスシーズンを終了する。
追記
メルクスプラスは、嵐が接近しているために午前9時30分に中止が発表されてます。
いよいよ、ロードシーズンに帰ってくることになる。ロードレースでの勝利はいつになるのか?
昨年のツール・ド・フランス第10ステージ以来の勝利を期待しておこう。
ワウト・ファンアールトが乗っていたのは新型のビアンキだ。
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