ツール3連覇を目指すUAE Team Emiratesのメンバー。
これまでは、チームのアシストがJumbo-Visma、INEOS Grenadiersと比べて劣っていると言われていた。
だが、移籍で獲得したライダーで、山岳アシストは強力にバージョンアップしている。今年はJumbo-Vismaのライバルチームからジョージ・ベネットを引き抜いた。
更に、Movistar Teamからエースの一人だったマルク・ソレルが完全なアシストとしてタデイ・ポガチャルを助ける。
ラファウ・マイカは、直前のツアー・オブ・スロベニアで見せたように山岳でもタデイ・ポガチャルについていく強さだ。
このチーム力に、タデイ・ポガチャルの強さ。弱点はあるのだろうか?
UAE Team Emiratesのツール出場メンバー
We’re excited to reveal our lineup for #TDF2022, with the big race kicking off on Friday:
🇸🇮 @TamauPogi (🏆 2020, 🏆 2021)
🇵🇱 @majkaformal
🇺🇸 @BrandonMcNult
🇪🇸 @solermarc93
🇮🇹 @MATTEOTRENTIN
🇳🇴 @VSLaengen
🇳🇿 @georgenbennett
🇩🇰 @mikkelbbjerg ⁰#UAETeamEmirates #WeAreUAE pic.twitter.com/SJokSDIG2G— @UAE-TeamEmirates (@TeamEmiratesUAE) June 27, 2022
タデイ・ポガチャル
ジョージ・ベネット
ミッケル・ビョーグ
マルク・ヒルシ
ヴェガールステイク・ラエンゲン
ラファウ・マイカ
ブランドン・マクナリティ
マルク・ソレル
タデイ・ポガチャル
What a day! 😍So happy with this win, thanks so much to the whole team @TeamEmiratesUAE 🙏
And to wingman @majkaformal for his sacrifice while wearing the leaders jersey. Amazing teamwork by all 👏🏼 pic.twitter.com/G5KXy7sh0o
— Tadej Pogačar (@TamauPogi) June 17, 2022
史上最強のライダーと言われるエディ・メルクスから、歴史上の人物に並ぶ男と評されているタデイ・ポガチャル。
このまま走り続けると、カンピニッシモと呼ばれることになるかもしれない。
チャンピオンの中のチャンピオンのこと イタリア語で Campionissimo
長い自転車の歴史の中で「カンピオニッシモ」と呼ばれているのは、エディ・メルクスとファウスト・コッピの二人だけだ。
それだけ、偉大なライダーとなる可能性を秘めているのがタデイ・ポガチャルだ。
ツールまでの今シーズンを振り返ってみると
- UAEツアー第4・7ステージ優勝 総合優勝 新人賞獲得
- ストラーデビアンケ 優勝
- ティレーノ〜アドリアティコ 第4ステージ優勝 総合優勝 山岳賞獲得 新人賞獲得
- ミラノ~サンレモ 5位
- ドワルス・ドール・フラーンデレン 10位
- ロンド・ファン・フラーンデレン 4位
- フレッシュ・ワロンヌ 12位
- ツアー・オブ・スロベニア第3・5ステージ優勝 総合優勝 ボイント賞獲得
もっとも凄いのは、順位的にも大きく崩れるということがないことだ。シクロクロスもこなすポガチャルはストラーデビアンケのグラベルロードも勝ちとってしまった。
この時には、落車して肘から血を流しながら独走して勝利してしまった。こんな勝ち方をされると誰も勝てないと思えてしまう。
これならば、ツール第5ステージの石畳も怖くないだろう。更にコースの偵察もしている。万全だ。
TTにも強く、ここ一番の気合が入った時には2020年ツール第20ステージで見せたように切れた走りをすることも出来る。
クラシックから、グラベル、ステージレースでも、強さを見せ貪欲に勝利を狙っていく。まさにカンニバルだ。
落車とかのアクシデントがない限り、力でタデイ・ポガチャルをねじ伏せるライダーはいないかもしれない。
とくに、ライバルとなるプリモッシュ・ログリッチが今一つのコンデションに見えるのも気がかりだ。
マルク・ソレル
👋 ¡Hola @solermarc93 !#UAETeamEmirates #RideTogether pic.twitter.com/PUDNxnnxVp
— @UAE-TeamEmirates (@TeamEmiratesUAE) January 16, 2022
Movistar TeamのエースからUAE Team Emiratesに移籍。他チームのエース級のライダーがタデイ・ポガチャルの山岳アシストに回るのだから心強い。
まず、ティレーノ〜アドリアティコでは、エースのタデイ・ポガチャルを献身的にアシスト。自身も総合13位に食い込んでいる。
一転してイツリア・バスクカントリーでは、最終第6ステージで、ヨン・イサギレ、アレクサンドル・ウラソフ、ダニエル・マルティネスと共に同タイムでゴール。
総合7位に食い込む走りを見せている。実力からして当然だ。
短いステージレースならば、エースとしてチームから任されることも、これからは増えるだろう。ブエルタでも、タデイ・ポガチャルをアシストすることになっている。
UAE Team Emiratesにとって、山岳でのアシストの強化は必須だったが、これでジョージ・ベネットの獲得と共に大きく強化されたのは間違いない。
マルク・ヒルシ
この投稿をInstagramで見る
マルク・ヒルシは滑り込みセーフだ。マッテオ・トレンティンがコロナ陽性で、急遽コペンハーゲンに呼ばれた。
マルク・ヒルシは、昨年は親知らずの治療と腰の不調。そして、昨年11月には股関節の手術を受けている。
心配されたシーズンインだったが、開幕戦となったフォーエバー・アルフレッドでいきなりの優勝。
さらに、グロサー・プライス・デス・カントン・アールガウで、今シーズン2勝目。
復調は、明らかだったけれど、ツール選出は本当に運が良いと言っても良い。
ただ、タデイ・ポガチャルの総合優勝を目指すために、マルク・ヒルシの役割は逃げをつぶすアシストとなるだろう。
普段は、自らが逃げているけど、逃げる相手を捕まえる姿も今シーズン良く見られた。ツールでも同じ光景が見られるはずだ。
Jumbo-Vismaから移籍した、ジョージ・ベネットもUAEツアーからタデイ・ポガチャルをアシスト。ツールでも、山岳ではラファウ・マイカの前に引くパターンとなるのでは。
ジョージ・ベネットは、ツールだけでブエルタは走らないので、全てをタデイ・ポガチャルに奉げる走りとなる。
チームのアシストも強化されたUAE Team Emirates。ブエルタと並んでタデイ・ポガチャルを倒す相手が現れるのか。各チームの奮起を期待したい。
コメント