2025 ジロ・デ・イタリア第20ステージで、サイモン・イェーツが決定的なアタックを決めた時、後方ではDecathlon AG2R La Mondiale Teamのドリース・デポンドが、他チームのリチャル・カラパスとアイザック・デルトロを引く姿が見られた。
何故、相手チームの選手を引くのか疑問に思っていたけれど、その理由をドリース・デポンド自身が語っている。
スタート前に
Dries de Bondt (Decathlon AG2R without contract for next year):
“Before the team presentation on stage 20, Vanmarcke from EF came to me and he said:
“Do you have anything planned for today? For us, it will be very difficult to send riders into the morning breakaway. But look:… pic.twitter.com/kPBFHSqLbo
— Lukáš Ronald Lukács (@lucasaganronald) June 5, 2025
この奇妙なけん引については、沢山の質問をドリース・デポンド自身が受けたそうだ。その答えをドリース・デポンドは以下のように語る。
第20ステージのチームプレゼンテーションの前に、EF Education-EasyPostのディレクターのケン・ヴァンマルケが私のところにきた。
彼はこう言ったたんだ。「 我々にとって、序盤の逃げに選手を送り込むのは非常に難しい。 でもね、もし君がジロの最終結果にとって重要な役割を果たせるなら、何か重大なことが起こるかもしれないよ』って言われたんだ。
それが、カラパスのためにしたことをするきっかけになったんだ。
しかし、リチャル・カラパスの勝利には繋がりませんでしたね。
サイモン・イェーツは強すぎた。 デルトロとカラパスは、私が牽引したときには22秒差だった。8秒差まで縮めたが、3分間すべてを出し切った後、明らかに私のベストは尽きてしまった。
体重73キロの僕のワット数は、クライマーたちよりもずっと高かった。 イェーツの走りは見えていたし、それほど前にいたわけでもない。 まだ差を縮められるだけの心と脚があることを期待していた。 そうすれば、またゲームが始まるかもしれない。 でも、それはもう不可能だった。
あの行動の後、なぜあんなことをしたのかという質問をたくさん受けた。 そして、それこそが私が望んでいたことだった。みんなに、自分の来シーズンの契約が決まっていないことを知って貰いたかったんだ。
EF Education-EasyPostに移籍するかどうかはわからない。
もし、彼らが適切な人たちと話をするために私をそこに連れてくるなら、それ自体が勝利になるだろう。 そこで私をうまく使えると確信できれば、契約を結んでもらえるだけだ。
ドリース・デポンドがリチャル・カラパスを引いたのは、アピールのためだ。Decathlon AG2R La Mondiale Teamとの延長契約の話は出ておらず、来シーズンの去就がわからない。そのため、各チームに現状を知って貰いたかったというのが実情だ。
Decathlon AG2R La Mondiale Teamには、来シーズン、オラフ・コーイとティシュ・ベノートがTeam Visma | Lease a Bikeからやってくる。
巨額オファーを貰っており、Team Visma | Lease a BikeのGMリチャード・プラグも離脱を認める発言をしている。
このためドリース・デポンドの来シーズンの契約は確約されていない。チームに二人来るということは、二人抜けないといけない。
今回、リチャル・カラパスが勝利していたら、ドリース・デポンドの移籍もあったかもしれないが果たして。
Lidl – Trekのジャコポ・モスカ
On Colle delle Finestre, Jacopo Mosca offered his service to Simon Yates and Dries de Bondt to Carapaz. Both riders are out of contract for next year. Nothing new here or illegal, this happened since the beginning of pro cycling. But De Bondt made it public that he planned this… pic.twitter.com/LgaSrQMKeQ
— Mihai Simion (@faustocoppi60) June 5, 2025
もう一つ。Lidl – Trekのジャコポ・モスカも、上記のようにサイモン・イェーツを引いている。残り36.8kmなので、ちょうどドリース・デポンドが諦めた時と同じころ。
ジャコポ・モスカは、ドリース・デポンドの夢を打ち砕いたのかも。ただ、こちらはTeam Visma | Lease a Bikeと話しがあったのかはわからない。
ジャコポ・モスカも2025年でLidl – Trekとの契約はきれる。サイモン・イェーツは総合優勝したのだから、ひょっとして移籍の話があるのかな。
ただ、チームは強いからどうだろうか。ライダーは、来シーズンのこと、契約をことを考えて走り続けている。
コメント
なるほどー!そういうことだったのですね。
中間スプリントでジャージ確定してるピーダスンと、無駄にやり合っていたのも合点がいきました。
単なる賞金と中間スプリント賞とるためたけじゃなかったんてすねー。
グランツールでの自己アピールは広告効果かなりありそう。
インテルジロを取りたかったんだと私も後から気づきました。まあ、来シーズンの契約が決まっていないということは、仕事の当てがないということなので必死ですよね。
ドリース・デポンドもDecathlon AG2R La Mondiale Teamにきて2年間、まだ勝利もないので焦っている。さらにUCI300ポイント程度では安心できないといったところでしょうね。
オラフ・コーイとティシュ・ベノートがきたら、逃げることもできなくなるでしょうし。