2026 ストラーデ・ビアンケは、タデイ・ポガチャルの圧勝劇の裏で、次世代の覇権を争う若き才能たちの熾烈なバトルが繰り広げられた。
その中心にいたのが、2025 ジロ・デ・イタリア総合2位に輝いたアイザック・デルトロと、Decathlon CMA CGM Teamのポール・セイシャスだ。
今大会、エースのポガチャルからある程度の自由を与えられていた彼だが、最終結果は3位。表彰台という素晴らしいリザルトにもかかわらず、そのレース展開からは、彼にとって最大の脅威となる「新たなライバル」の存在が浮き彫りとなった。
のぼりで負ける
It looks like Del Toro respectfully let Seixas get away in the last climb 👏👏
Look at his face… he’s smiling at the finish line and doesn’t look fatigued AT-ALL 🇲🇽
If this turns out to be, MASSIVE RESPECT to Torito 👏👏👏🇲🇽🇲🇽🇲🇽 pic.twitter.com/WB1uOpdC8V
— Fan Club Isaac del Toro 🐂🇲🇽 (@ToritoFanClub) March 7, 2026
勝負の分かれ目は、終盤の追走グループからの抜け出しだった。ポール・セイシャスが決定的なアタックを仕掛けた際、デルトロは素早くそれに反応した。
前方にエースのポガチャルが独走しているという強力なチーム戦術を盾に、デルトロはローテーションを完全に拒否。
セイシャスに追走の牽引をすべて任せ、自らは後方で徹底して脚を溜め続けた。 しかし、シエナの広場へと向かう最後の激坂において、脚を温存していたはずのデルトロは、引き続けて疲労困憊のはずのセイシャスをちぎることができなかった。
それどころか、最後のカンポ広場への上りで突き放されての3位。戦術面で圧倒的優位に立ちながらも完全に「力負け」したこの事実は、今後のロードレース界の勢力図に大きな波紋を呼ぶ出来事だった。
レース直後、彼は勝者をどのように見ていたのか。フラッシュインタビューの言葉から紐解いていく。
今日のレース終盤の展開について振り返ってほしい。
ポール・セイシャスが最後のグループで決定的な動きをしたから、なんとかついて行くことができたんだ。終盤で彼と一緒に行けたし、表彰台の3位という結果には満足しているよ。
道中、ずっと前を牽引していたセイシャスについてはどう感じたか?
彼は本当に強い選手で、自転車の乗り方やレースのコントロールの仕方をよく分かっている。ああいう強い選手たちと一緒に走れて本当に嬉しいね。
結果は3位だったが、現在の自身のコンディションはどう評価している?
シーズン初めとしては、正直言ってすごく調子が良いし、文句のつけようがない状態だよ。
インタビューではライバルの健闘を素直に称え、自身のコンディションの良さを強調したアイザック・デルトロ。
2025 ジロ・デ・イタリア総合2位という実績が示す通り、彼がこれからのグランツール戦線で次世代の覇権を握る中心選手の一人であることは疑いようがない事実だ。
しかし、今回のストラーデ・ビアンケで見えた現実は残酷。風よけとしてずっと前を引かせ、極限まで脚を使わせたポール・セイシャスに対し、万全の状態で挑んだ最後の勝負で勝ちきれなかったのだ。
これは単なるワンデーレースのワンシーンに留まらない。少なくともパンチ力や激坂の上りという局面において、デルトロはセイシャスに及ばなかった。
今後、グランツールの厳しい山岳ステージで両者が相見えた時、デルトロは純粋な登坂力においてセイシャスにはかなわないのではないか——。
とくに長い上りとなると更に顕著になるかもしれない。
そんな予感すら抱かせるほど、ポール・セイシャスという規格外のライバルの出現は、次世代の王者アイザック・デルトロの今後のキャリアにおいて、越えなければならない最大の壁となるかもしれない。



コメント
登りで負けるというのは、デルトロにとって大きな屈辱を味わったのでしょうね。
デカトロンはアシストの補強に力を入れてくるかも知れませんね。
セイシャスこの状況でデルトロを振り切って2着は観客の期待を上回ってきましたね。驚きです。
デルトロにとっては2025ジロ9stでの、カンポ広場ゴールでのワウト復活勝利の際の借りを返してワンツーといきたかったところでしょうが力負けしましたね。
今後のグランツールトップシーンでのバトルを期待させる戦いだと感じました。