UCIが導入してようとして現在止まっているギア制限のルール。
この議論に、かつてプロトンを牽引したオーストラリアの二人のレジェンド、カデル・エヴァンス(2011年ツール・ド・フランス覇者)とスチュアート・オグレディ(2007年パリ〜ルーベ覇者、現ツアー・ダウンアンダー主催者)が加わった。
過激化するエアロポジション、頻発する落車、そして議論を呼んでいる「ギア制限」について、主催者と元選手の視点から現代のレースシーンに警鐘を鳴らしている。
ギア制限はF1と同じく当然の選択
“Gear restrictions are a no-brainer”
Cadel Evans and Stuart O’Grady on cycling’s safety debate, how the sport has changed, protests, and why fans should “just enjoy watching Pogačar’s greatness”https://t.co/ZgbsQuwuvY #cycling
— road.cc (@roadcc) December 13, 2025
UCI(国際自転車競技連合)は、レースのスピード抑制と安全性向上のためのギア制限(最大ギア比の規制)について検討しているが、これは必要なのか、カデル・エヴァンスとスチュアート・オグレディが対談している。
UCIは、スピード抑制と安全性のために、プロのレースにもギア比制限を導入する計画を立てています。これについてどう思いますか?
オグレディ: それは考えるまでもない当然のことだね。 考えてみてほしい。あらゆるモータースポーツには、ギアやエンジンの制限があるだろう?
F1のサーキットにドラッグレースの車を持ち込んだらどうなる? 速すぎてコースアウトしてしまうだけだよね。テクノロジーと機材の進化で、すべてがどんどん速くなっている。だからこそ、ギア制限は必要だと私は思うよ。
近年のレーススピードや機材の進化、幅の狭いハンドルなどについてはどう感じていますか?
オグレディ: 少し手綱を締める必要があると思う。主催者としての立場でレースを見ていると、選手たちが時速80kmで下りながら落車するシーンばかり目にするんだ。
昔、我々も時速100km出すことはあったけれど、その速度域でペダリングはしていなかった。それにハンドル幅も肩幅と同じだったから、バイクをコントロールできていたんだ。それは常識的なことだったよ。
カデル、あなたはUCIの新しいルール規制についてどう思いますか?
エヴァンス: UCIの計画は、一連の一時しのぎのような継ぎ接ぎに見えることもあるね。 結局のところ、効果的に取り締まることができないルールを作っても無意味なんだ。
そんなことをすれば、ルールを守る正直者たちが不利になるだけだからね。
では、誰が責任を持つべきなのでしょうか?
エヴァンス: 全ての責任をUCIに押し付けたくはないけれど、ルールを作るのは彼らだ。だから彼らがこの状況をしっかり管理し続けなければならない。
ただ、メディアもファンも、主催者も選手も、全員でこのスポーツがどうあるべきか、という明確な指針を持ち続ける必要がある。スポーツの進化を止めてしまうのは残念なことだからね。
現代の極端なエアロポジションについては?
エヴァンス: 極端なブラケットの角度などで落車を避けるために必要なブレーキレバーに指が届かないなんて、滑稽だと思わないか?
でも、それがプロアスリートとして契約を守るために必要なことだとしたら、選手はそうせざるを得ないんだ。
現在の集団は全員がレベルアップしており、ハイスピードでも崩れない。当然密集しているし、誰もギリギリまでブレーキをかけないと言われている。
それに加えて、若い経験の少ないライダーも入っているのでスピードが上がれば危険なのは当然だ。
ギアを制限するとさらに密集するかもしれないので、難しい問題でもある。








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