UCIは、事故防止のために最大ギアの制限を導入しようとしている。クランク1回転で最大10.46mの推進力を発揮するギアの使用のみが許可される。
具体的には、54×11までに最大ギアを制限しようとするものだ。こうすることでスピードがでないようにするのだ。
これで困るのはSRAMとそれを使うチームだ。現在SRAMには54×11という組み合わせはないからだ。
UCIと法廷闘争
UCIは10月14日から始まるツアー・オブ・広西で試験的にギア制限を導入してテストする。
54×11までならばShimanoはOK。困るのはSRAMを使う下記のチームだ。
- Team Visma | Lease a Bike
- Lidl – Trek
- Movistar Team
- Red Bull – BORA – hansgrohe
4チームはツアー・オブ・広西に出場予定。
SRAM REDだと48×10を使用して10.22mしか進めない。その差は、0.24m、24cmとなる。これは大きい。詳しくは以下で。
果たして4チームはSRAMのどんな組み合わせでレースに出場するのだろうか。
SRAMは何度もUCIに掛け合ったそうだが全く聞き入れられていない。
SRAMの訴状内容は
- 協議や透明性なしに採用され、それを裏付ける経験的証拠や安全性の正当性は含まれていない
- SRAM を装備したライダーはプロのサイクリングのイベントでは不利になる
- SRAM は自社製品の使用とマーケティングをトップチームに依存しているため、競争によりプロチーム、そして最終的には消費者の選択肢が制限され、ロードバイクのドライブトレイン市場に混乱が生じる
- EUおよびベルギーの競争法に違反する
すでに、SRAMのギアは不適合であると公に表示されており、評判の失墜、市場の混乱もある。テストとはいえ使えないなどと言われると購入を断念するユーザーもいるだろう。
企業にとっては大打撃だ。しかも、実際に使えなくなると新しくギアを作ったりしないといけなくなる。
ギア比で不利になるならば、ライダー、チームからも懸念が出るだろう。ゴールでは1センチ、2センチで勝負が変わることが多々ある。非常に重要な問題なのだ。
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