Quick-Step Alpha Vinyl Teamのクライマー、ファウスト・マスナダがAstana Qazaqstan Teamに移籍となった。噂ではQ36.5 Pro Cycling Teamとなっていた。
ウルフパックは、主力級がごっそりとぬける。
- ジュリアン・アラフリップ Tudor Pro Cycling Team
- ジャンニ・モスコン Red Bull-BORA-hansgrohe
- ヤン・ヒルト Israel – Premier Tech
- カスパー・アスグリーン EF Education-EasyPost
- ファウスト・マスナダ Astana Qazaqstan Team
移籍で獲得する選手と差し引きでプラスとなるのだろうか。
2025年末までの1年契約
🇮🇹 NEW RIDER: @masnada_fausto
We welcome Fausto Masada in our team for the season of 2025!
📰👉Details: https://t.co/ki9KWLkClk#AstanaQazaqstanTeam
📷 @SprintCycling pic.twitter.com/bF9qLLkKIe
— Astana Qazaqstan Team (@AstanaQazTeam) October 28, 2024
ファウスト・マスナダは、2016年にLampre – Meridaのtrainee(研修生)。だが、契約とはならず2017年からイタリアのコンチネンタルプロチーム、Androni – Sidermec – Bottecchiaに。
2019年には、ツアー・オブ・アルプスで区間2勝をあげた。さらに、2019ジロ・デ・イタリアではステージ優勝に、山岳賞では2位となり、総合で20位と活躍。
2019 クリテリウム・デュ・ドーフィネでも山岳賞では3位となっており、クライミングが武器だ。
Androni Giocattoli – Sidermecから2020年にCCCに移籍。チーム解散に伴い2020年8月19日からDeceuninck – Quick Stepに移籍している。
ファウスト・マスナダがチームに来てからの活躍はとにかくスーパー。2020ジロ・デ・イタリアではエースとなったアルメイダの総合4位をアシストして自らも総合9位に入っている。
これほどの強さを見せる選手は中々いない。
2021年の活躍は特に素晴らしい。
- UAEツアー 総合10位(アルメイダ3位)
- ボルタ・ア・カタルーニャ 総合15位(アルメイダ7位)
- ツール・ド・ロマンディ 総合3位
- ジロ・デ・イタリア 第12ステージ リタイヤ
- イタリア選手権ロード 2位
- セティマナ・シクリスティカ・イタリアーナ 第4ステージ リタイヤ
- ツール・ド・ルクセンブルク 総合13位(アルメイダ1位)
- ジロ・デ・エミリア 30位(アルメイダ2位)
- ベルノッチカップ 3位(レムコ・エヴェネプール1位)
- ミラノ~トリノ 8位(レムコ・エヴェネプール1位)
- イル・ロンバルディア 2位
ほとんどのレースで、アルメイダとレムコをアシストしながらも総合でも上位に食い込んでいる。間違いなく他チームならばエースだ。
2021 ジロ・デ・イタリアでは、膝靭帯の痛みでリタイヤ。2021 セティマナ・シクリスティカ・イタリアーナ(Settimana Ciclistica Italiana)でクラッシュして、背中の骨折。
それでも2か月で復帰して、最後の2021 イル・ロンバルディアでも惜しい2位となっている。
ただ、この時にチームの指示を無視してタデイ・ポガチャルと逃げたことでパトリック・ルフェーブルの怒りをかっている。パトリック・ルフェーブルが言うには、スポーツディレクターのダビデ・ブラマティの指示を無視したそうだ。
そして、2022年となってツアー・オブ・オマーンでステージ優勝。
だが、その後、2022 UAEツアー総合26位。2022 ボルタ・ア・カタルーニャでは第3ステージを走ることなくリタイヤしている。
この前から不調を感じていたが、その理由についてチームGMパトリック・ルフェーブルが明らかにしている。ファウスト・マスナダは、伝染性単核球症にかかっていた。
伝染性単核球症とは
伝染性単核球症とは、ヘルペスウイルスの一種であるEBウイルスによる感染症のことです。
口から口への感染が多いので、「キス病」とも言われています。空気感染はしません。
多くが子供のころに感染し、大人になるまでに抗体を持つ病気です。
引用 伝染性単核球症とは?
症状としては、
- 発熱(38℃以上)
- 全身に疲れを感じる
- のどの奥(口蓋扁桃)が腫れる
- のどの痛み(痛みで食べ物を飲み込むことができない)
- リンパ節の腫れ
風邪のような症状だが、これでは走ることなど出来ない。
単核球症は、マーク・カヴェンディシュ、エスデバン・チャベスなども経験したように、長引く病気で長期離脱となる。
6月に復帰したけれど、以前のようにアシストしながらも上位に入るという離れ業は出来なくなった。さらに臀部の手術。サドルに座って痛みがあるのではレースどころではない。
2022年の病気、2023年には手術と最高のレベルに戻ることができていない。レベルが戻らなければ1年で退団ということも考えられる。
ファウスト・マスナダのコメント
ほんの数週間前に、来年からAstana Qazaqstan Teamに加わることになると言われても、おそらく信じなかっただろう。
このような機会を得られて感激しているし、このような尊敬されるチームの一員になれることに興奮している。 苦しい2シーズンの後、リセットして新たな目標を目指す絶好のチャンスだ。
チームが2025年に向けて構築しているプロジェクトは信じられないほど刺激的で、その成功に貢献するのが待ちきれない。
この契約の実現に携わった監督や関係者、そして私を信頼してくれたことに感謝している。 新しいジャージを着てチームを代表するのが待ちきれないよ。
コメント
クイックステップは有力選手が流出して補強はそれと釣り合うものではない状態が何年間もずっと続いていますが、
それでも若手の台頭や獲得した中堅選手の覚醒でそこそこの成績を残し続けているので、今回も大丈夫だろうとは思ってます。
そう、紙面上で見ると劣っているように見えるのですが、何故か移籍で放出した選手は活躍しない。
こうなると、パトリック・ルフェーブルの目は凄いとしかいいようがないですね。今年移籍で獲得した選手が一気にブレークするのか。ここに注目です。