2023 アムステルゴールドレースは優勝候補のタデイ・ポガチャルが最終的に28kmの独走という形でフニッシュした。
予測では、最後の登りでアタックがあると思われていたけれど、タデイ・ポガチャルがアタックしたのは、ゴールから29kmも離れたキューテンベルグ(Keutenberg)だった。
長さとしては1.6km。平均勾配は5.2%という、上記の写真のような牧草地の中の小道だ。では、何故、タデイ・ポガチャルはこの場所でアタックをしたのか。
それをゴール後にタデイ・ポガチャルは明かしている。
アタック場所のアドバイス
Tadej Pogacar weet wie hij moet bedanken: “Mathieu van der Poel tipte me dat ik moest aanvallen op de Keutenberg” https://t.co/c695z5zmw9 #AGR23 pic.twitter.com/MFSMwG36Mp
— Sporza 🚴 (@sporza_koers) April 16, 2023
通常ならば、ゴールまで29kmもある場所から単独アタックというのは考えられない。だが、ダディと彼のチャット仲間は違うようだ。
タデイ・ポガチャルは、最近の自転車レースで勝つために多くの助けを必要とすることはないが、適切なアドバイスの価値は知っている。
このレースには、今シーズン活躍するビック6のライダーの5人が出場していない。
- タデイ・ポガチャル UAE Team Emirates
- ヨナス・ヴィンゲゴー Jumbo-Visma
- プリモッシュ・ログリッチ Jumbo-Visma
- ワウト・ファンアールト Jumbo-Visma
- マチュー・ファンデルプール Alpecin-Deceuninck
- レムコ・エヴェネプール Soudal – Quick Step
特に、2019年優勝のオランダのホームコースをマチュー・ファンデルプールは走らない。ポガチャルはこのチャンスを生かし独走した。
この秘密についてタデイ・ポガチャルが明かしている。
「マチュー・ファンデルプールが、キューテンベルクで行くべきだと教えてくれたんだ。一番難しい登りだし、僕に一番合っているんだ。
彼は3日前にメッセージを送ってくれたんだ。アドバイスに感謝する。ソロで最後まで行けるかどうかは疑問だったが、すべてを絞り出して成功した。
今では大したことだと気づいている。すべてが彼の予測通りに起こった。金曜日の偵察中に、誰もがそれが最も難しい山だと考え、計画を立てた。
私はそのチャンスをつかんだ。でも、ソロは本当に簡単ではなかったと断言できる。私は苦しんだ。」
マチュー・ファンデルプールとタデイ・ポガチャルは仲良しだ。マチュー・ファンデルプールが出場していたら、同じようにキューテンベルグで抜け出しを試みていたことだろう。
1.6kmとそれほど長くないけれど、頂上で10秒のタイム差をつけると、彼らには十分ということだ。マチューも出場していたら、また違った展開となっていたかもしれない。
続く2レースで歴史を作るか?
🤩 It is Tadej Pogacar’s world and we are just living in it
🥇 Tadej Pogacar wins the Amstel Gold Race Men and continues to dominate the cycling world 🚴♂️#AmstelGoldRace | @TamauPogi pic.twitter.com/zQ1OadCQoN
— Eurosport (@eurosport) April 16, 2023
これで、タデイ・ポガチャルはシーズン11勝目。2月のハエン・パライソ・インテリオルのグラベルで独走優勝して以来、その勢いは止まらない。
ブエルタ・ア・アンダルシアとパリ~ニースで総合優勝を果たし、それぞれのレースでステージ優勝のハットトリックを達成、さらにロンド・ファン・フラーンデレンでも優勝を果たした。
今シーズンの唯一の敗戦はミラノ〜サンレモ(4位)とE3サクソクラシック(3位)だが、2週間前のロンドでの成績やパリ〜ニースでのツール・ド・フランスのライバル、ヨナス・ヴィンゲゴーに与えた打撃に比べると、非常に小さな失敗だ。
まだ今週、フレッシュ・ワロンヌとリエージュ〜バストーニュ〜リエージュの2レースが控えている。
彼のユイの壁での成績は、2020年の9位が最高で、圧倒的なものだが、水曜日には、その物語が変わるかもしれない。
「僕にとっては難しいレースだ。でも、今は調子がいいし、いいチームなので、フレッシュでもいい結果を残せると思う。水曜日と日曜日はまだ遠いので、このまま冷静になる。」
もし、完全制覇ならば、歴史に名前を刻むことになる。アルデンヌクラシック同一年の完全制覇は
- 2004 ダビテ・レベリン
- 2011 フィリップ・ジルベール
この二人だけだ。タデイ・ポガチャルは2021年にリエージュ〜バストーニュ〜リエージュを制している。同一年でなければ、あとはフレッシュ・ワロンヌを勝利すれば全てに勝ったことになる。
これは、エディ・メルクス、ダニーロ・ディルーカ、ミケーレ・バルトリ、ベルナール・イノーに続く快挙となる。
歴史を作り続けるタデイ・ポガチャル。まずは、フレッシュ・ワロンヌに注目だ。
コメント
ジルベール完全制覇は2011では?
今の勢いのポガチャルなら、やっちゃあかもですね。
クラシック期間だからか、少し筋肉量増えて体重増えてるような気がするのは僕だけでしょうかね。
そうですね。引退する年に完全制覇してはいけませんね。教えていただきありがとございます<(_ _)>
ポガチャルのライバルはリエージュ〜バストーニュ〜リエージュでのレムコだけでしょうか。ポガチャルも意識してクラシック期間中は増やしてそうですね。
登りよりも、パワー重視と言った感じでしょうか。その後、ツールに向けて少しずつ体重を落としていくのでしょう。