チームは、シーズン終了後に去っていくライダーに対して、あまり時間をかけて賛辞を送ることはない。
Instagramやツイッターに写真を投稿し、ライダーの活躍に感謝することはあっても、一般的にはそれくらいだ。
引退する選手にはあるけれど、チームを去るライダーのために感動的なハイライトビデオを制作し、純粋な好意を持って彼らを送り出すことはあまりない。
しかし、Team BikeExchangeは、エステバン・チャベスのために行ったことは、まさにこれだった。
チャベスは、8年間チームに在籍していたが、2022年にEF Education-Nippoへ移籍する。
8年の思い出を振り返る
Thanks for the memories…
After an unforgettable 8 years of highs, lows and lots of smiles, it’s time to say goodbye to @estecharu 👏#GraciasChaves pic.twitter.com/Gzk9Tj54Sy
— Team BikeExchange (@GreenEDGEteam) December 13, 2021
エスデバン・チャベスは、2013年レース中の事故で右鎖骨の複合骨折、頭蓋骨の骨折、右頬骨、上顎洞と蝶形骨、穿刺された肺、肋骨骨折の重症をおってしまう。
サイクリングキャリアが終わってもおかしくないケガで、この時の不自由な生活がエスデバン・チャベス財団を立ち上げることにつながっており、子供を整形外科的に救う活動をしている。
エスデバン・チャベスは、翌年の2014年に、オーストラリアのチームに加入した。
オリカ・グリーンエッジに加入したチャベスは、単にレースに復帰しただけでなく、初めてワールドツアーに参加し、コロンビアで最も成功したサイクリストの一人となり、プロプロトン全体で最も愛されているライダーの一人となった。
エスデバン・チャベスのGreenEdgeでのキャリアハイライトは、2016年のイル・ロンバルディアでの勝利だ。
これは、コロンビア人として初のモニュメント優勝となっている。
また、ジロ・デ・イタリアでの3ステージ優勝、ブエルタ・ア・エスパーニャでの2ステージ優勝、2016ジロ・デ・イタリアで総合2位、2016ブエルタ・ア・エスパーニャ総合3位など輝かしい記録を誇っている。
ただ、チャベスは、2017年には膝のケガ、肩の骨折。2018年には、伝染性単核球症にかかってしまいジロを総合73位で終えた後は、このシーズンレースを走ることはなかった。
この伝染性単核球症からの回復のために2年間低迷していた。
しかし、2021ボルタ・ア・カタルーニャ第4ステージで独走勝利を上げて、実に2年振りの勝利を上げる。
今シーズンは満足のいく成績を上げ更なる活躍が期待される
- ボルタ・ア・カタルーニャ第3ステージ優勝 総合6位 ボイント賞獲得
- イツリア・バスクカントリー 総合9位
- フレッシュ・ワロンヌ 8位
- グロサー・プライス・デス・カントン・アールガウ 3位
- ツール・ド・スイス 総合10位
- ツール・ド・フランス 総合12位
ツールを総合12位で終えたのは大きい。来年以降グランドツアーで活躍出来る可能性は高いだろう。
チャベスは多くの良い思い出とともにBikeExchangeを去る。チームがまとめたビデオを見る限り、明らかにチームも多くの良い思い出を持っている。
実は、彼を手放したくはなかっただろうと思われる。チーム事情というものだろうけれども、これは仕方のないことだ。
エスデバン・チャベスはチームへの恩返しとして、更なる活躍をすることだろう。
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