ついに今年の最速の男を決める世界選手権がやってきた。
世界選手権で個人タイムトライヤルが開催されたのは、1994年から。クリス・ボードマンが最初の世界チャンピオンだ。
過去10年の王者は
- 2020 フィリッポ・ガンナ
- 2019 ローハン・デニス
- 2018 ローハン・デニス
- 2017 トム・デュムラン
- 2016 トニー・マルティン
- 2015 ヴァシル・キリエンカ
- 2014 ブラットリー・ウィギンス
- 2013 トニー・マルティン
- 2012 トニー・マルティン
- 2011 トニー・マルティン
残念なのは、東京オリンピックのメダリストが誰も参加しないことだ。プリモッシュ・ログッチはロードに専念。トム・デュムランは、交通事故による手首骨折。
銅メダリストのローハン・デニスも参加しない。3人のTTスペシャリストがいないのは、とても残念ではある。
個人TT クノックヘイスト~ブルージュ 43.3km
スタートは、北海に望むクノックヘイストのビーチから。ビーチに沿って1.5kmの距離を走った後、クノックヘイストの海辺のリゾートの中心部を訪れる。
最初の中間地点は13.8km。2番目の中間地点は33.3km。ここからゴールまでは10km。
獲得標高は78mとほぼフラット。ゴールは、歴史的な市内中心部ブルージュに向かう。
シュテファン・ビッセガー
シュテファン・ビッセガーはダン・ビンガムの暫定タイムを17秒も更新。
シュテファン・ビッセガーは、49分13秒。av52.787 km/h。暫定タイムを大幅に更新。これで後続を待つ。
トニー・マルティン
4度の世界チャンピオン、トニー・マルティン。これが彼の最後の世界選手権となる。
ゴールは、49分5秒。暫定2位。これは素晴らしいタイムだ。
レムコ・エヴェネプール
レムコは、第1計測で暫定1位を獲得。15分48秒。av 52.46 km/h。
レムコは、第2計測のシュテファン・ビッセガーの記録を塗り替える。しかも、37秒も更新と大幅だ。av53.59 km/h。37分17秒。
レムコのタイムは、前半のライダーの指標となりそうだ。かなり良いタイムが出そう。
レムコはシュテファン・ビッセガーの記録を42秒も更新してしまった。凄いタイムだ。
48分31秒 av53.549 km/h。これは完全復活に近いのでは。
タデイ・ポガチャル
婚約者と無期限の契約を結んだタデイ・ポガチャル。このTTではどんなタイムを出してくるかな。
タデイ・ポガチャルはツールで見せたスーパーな足ではないようだ。
第2計測で38分8秒。暫定6位。それほど悪くないのだけど。
ゴールタイムは、49分40秒。暫定7位で後続を待つ。
レミ・カヴァニャ
フランス代表、クレルモンフェランのTGVこと、レミ・カヴァニャ。
今年TTで2度も優勝したレミ・カヴァニャだが、ゴールタイムは、49分46秒。14位という結果。シーズン終盤で疲れが出ているのだろうか?
カスパー・アスグリーン
デンマークチャンピオンのカスパー・アスグリーンがスタート。
なんと第1計測でレムコ・エヴェネプールの記録を7秒も抜いてしまった。15分41秒。
だが、第2計測では逆にレムコの記録から7秒遅れてしまう。突っ込み過ぎたのだろうか。ゴールタイムは、レムコに2秒遅れの48分33秒。
暫定2位で、後続の結果を待つことに。
シュテファン・キュング
スイス代表、シュテファン・キュング。直前のヨーロッパ選手権では、フィリッポ・ガンナを破っている。
第1計測では、15分36秒。av53.021km/hで、カスパー・アスグリーンの記録を4秒更新。
しかし、第2計測で遅れて暫定3位まで落ちてしまう。そして、ゴールでは48分54秒.。av53.1km/h。レムコとカスパー・アスグリーンに及ばす暫定3位。
ワウト・ファンアールト
ベルギー代表ワウト・ファンアールト。目指すは優勝しかない。
ワウト・ファンアールトは、目がいってしまっている。シクロクロスで見せる時の戦う目だ。
ワウト・ファンアールトは、第1計測で15分19秒。av54.036km/hのトップタイムをたたき出す。シュテファン・キュングを17秒も上回っている。
続いて、第2計測も36分45秒。 av54.345km/.h。ここでもトップタイムを出す。
ワウト・ファンアールトは、最後までベースを落とさず、47分53秒。av54.253km/h。レムコの記録を22秒も上回った。これでフィリッポ・ガンナのタイムを待つことになる。
果たして優勝できたのか?
フィリッポ・ガンナ
ガンナは間違いなく調整してきているはず。このコースはガンナにぴったりのコースだ。
だが、第1計測でガンナはワウト・ファンアールト負けてしまう。15分26秒で7秒も遅れている。どうしたガンナ。
7秒の遅れというとかなりの距離もある。ここから挽回できるのだろうか?
だが、ガンナは第2計測で36分46秒。av54.334km/h。ワウト・ファンアールトと、1秒差までタイム差を縮める。これはゴール勝負だ。
ゴールに向けてガンナは追いこみをかける。後からスタートなので相手のタイムを聞いて調整が出来るのは有利だ。
フィリッポ・ガンナは、ゴールで手を上げた。タイムは、47分47秒。av54.335km/h。
なんと、ワウト・ファンアールトの記録を6秒も短縮した。物凄いペースアップだ。
ガンナはこれで2年連続の世界チャンピオンとなった。世界一の最速の男だ。
リザルト
Rnk | Rider | Team | UCI | Pnt | Time | Avg |
---|---|---|---|---|---|---|
1 |
GANNA Filippo
|
Italy | 350 | 250 | 0:47:47 | 54.370 |
2 |
VAN AERT Wout
|
Belgium | 250 | 190 | 0:06 | 54.257 |
3 |
EVENEPOEL Remco
|
Belgium | 200 | 140 | 0:44 | 53.549 |
4 |
ASGREEN Kasper
|
Denmark | 150 | 110 | 0:46 | 53.512 |
5 |
KÜNG Stefan
|
Switzerland | 125 | 100 | 1:07 | 53.129 |
6 |
MARTIN Tony
|
Germany | 100 | 90 | 1:18 | 52.930 |
7 |
BISSEGGER Stefan
|
Switzerland | 85 | 80 | 1:26 | 52.787 |
8 |
HAYTER Ethan
|
Great Britain | 70 | 70 | 1:27 | 52.769 |
9 |
AFFINI Edoardo
|
Italy | 60 | 60 | 1:49 | 52.379 |
10 |
POGAČAR Tadej
|
Slovenia | 50 | 50 | 1:53 | 52.309 |
11 |
WALSCHEID Max
|
Germany | 40 | 40 | 1:54 | 52.291 |
12 |
VAN EMDEN Jos
|
Netherlands | 30 | 30 | ,, | 52.291 |
13 |
OLIVEIRA Nelson
|
Portugal | 25 | 20 | 1:55 | 52.274 |
14 |
CAVAGNA Rémi
|
France | 20 | 15 | 1:59 | 52.204 |
15 |
TRATNIK Jan
|
Slovenia | 15 | 10 | 2:04 | 52.116 |
16 |
BIGHAM Daniel
|
Great Britain | 10 | 10 | 2:11 | 51.995 |
17 |
BJERG Mikkel
|
Denmark | 5 | 10 | 2:16 | 51.908 |
18 |
CRADDOCK Lawson
|
United States | 5 | 10 | 2:37 | 51.548 |
19 |
GIBBONS Ryan
|
South Africa | 5 | 10 | ,, | 51.548 |
20 |
HOULE Hugo
|
Canada | 5 | 10 | 3:03 | 51.108 |
ベルギー勢の二人は来年ガンナ打倒を目指すことになる。
コメント
すごく興奮する戦いでしたね!
リザルトの表について教えてください。
UCI、Pnt というのはそれぞれ何の数字ですか?
本当に凄い戦いでしたね。ガンナは第2計測からどれだけのスピードを出したことやら。ワウト・ファンアールトが勝ったと思ってたんですけど、びっくりでした。
UCIポイントは、1月1日からの集計で、レースの上位入賞者に与えられます。このポイントがないとオリンピックとか出れない。
以下でポイントの配分を書いています。
https://chan-bike.com/uci-world-tour-and-race-rank
PCSポイントは、12か月+2週間のオーバーラップ期間にわたるボイントの集計です。分かりにくいので、今度からUCIポイントだけの表示にしておきますね。