ベルギーの首都ブリュッセルで開催される、ブリュッセル・サイクリングクラシックの歴史は古く今回が101回目の開催。
初回は、1893年。レースカレンダー内で最古参に分類されるワンデイレース。以前はパリ〜ブリュッセルと呼ばれ、黎明期には400km近くもの距離を走破していたという。
歴代優勝者にはスプリンターが並ぶ
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2020 ティム・メルリエ
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2019 カレブ・ユアン
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2018 パスカル・アッカーマン
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2017 アルノー・デマール
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2016 トム・ボーネン
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2015 ディラン・フルーネウェーヘン
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2014 アンドレ・グライペル
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2013 アンドレ・グライペル
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2012 トム・ボーネン
ただ、101回目となる今回は、コースの難易度が上がっている。普通通りにスプリントとなるのかはわからない。
ブリュッセル~ブリュッセル 205.3km
レースはブリュッセルのサンカントネール公園で始まる。
そこから、ルートはクロワゾー通り、ロンキエールの傾斜面、ザヴェルストラートを経由して、ムールファンヘラールツベルゲン、ボスベルグ、コっベンベルグの周回コースにはいる。
最後の、カペルミュールとボスベルグは、フィニッシュから56kmと52km。その後、ルートはホーリークロスロード経由でブリュッセルに戻り、アベニュー・フーバ・ドゥ・ストルーパーに到着する。
厳しい登りを生き残ってスプリントに参加できるライダーが何人いるだろうか?
スタート前
昨年優勝のティム・メルリエ。登りを生き残ってスプリントに絡めるか。
直前のベルギーのワンデイレース、オーベレルエイセで奇跡の逃げ切り勝利をしたレムコ・エヴェネプールも参加する。今日も逃げ切りを目指してアタックするのかな。
逃げは7人
レムコ・エヴェネプールは先頭からスタート。
7人が逃げに乗る。
- PEYSKENS Dimitri (Bingoal Pauwels Sauces WB)
- DE VYLDER Lindsay (Sport Vlaanderen – Baloise)
- TRÆEN Torstein (Uno-X Pro Cycling Team)
- VAN EMPEL Etienne (Vini Zabù)
- HESTERS Jules (BEAT Cycling)
- SCOTT Robert (Canyon dhb SunGod)
- MARCHAND Gianni (Tarteletto – Isorex)
残り75kmで、集団からはヴィクトール・カンペナールツがアタック!
当然のようにレムコがチェックにはいる。
レムコとヴィクトール・カンペナールツに後ろから合流。先頭集団を吸収した。
先頭集団からは、プロチームの二人が乗ることが出来た。
- レムコ・エヴェネプール(Deceuninck – Quick Step)
- アイメ・デヘント( Intermarché – Wanty – Gobert Matériaux)
- フィリップ・ジルベール ( Lotto Soudal)
- トシッシュ・ファンデルサンド ( Lotto Soudal)
- ヴィクトール・カンペナールツ (Team Qhubeka NextHash)
- マルク・ヒルシ (UAE Team Emirates)
- ブランドン・マクナリティ(UAE Team Emirates)
- DE VYLDER Lindsay(Sport Vlaanderen – Baloise)
- TRÆEN Torstein(Uno-X Pro Cycling Team)
2回目カペルミュール
2回目のカペルミュールでフィリップ・ギルバートがスパートをかける。それにヴィクトール・カンペナールツがくらいつく。
カペルミュールでブロチームの二人が脱落し、7人となる。
2回目のボスベルグ
ボスベルグでは、ブランドン・マクナリティが先頭を引く。
平坦路では7人が協力して走る。
だが、ここでヴィクトール・カンペナールツがアタックをかける。すぐにレムコが反応。
マルク・ヒルシとブランドン・マクナリティが遅れる。
あっと言う間に差が開くが。
先頭は4人。だが、これで決まるようなメンバーではない。
一人遅れていたマルク・ヒルシも追いついて7人に戻る。アタックが決まるのは、やはり上り坂だろう。
ここで、アイメ・デヘント( Intermarché – Wanty – Gobert Matériaux)がパンク。バイク交換して走り出すが、追いつかないだろう。追いついても足を使ってしまう。
逃げに乗っていないプロチームが引くが、少しずつタイムは開いていく。
おっと、失礼。アイメ・デヘント( Intermarché – Wanty – Gobert Matériaux)は無事にパンクから復帰。少しペースを落としていたのかな。
このメンバーだと、レムコが登りでアタックをかけて逃げ切りそうな感じもするがどうだろう。ただ、UAEもロットも二人ずつメンバーを乗せているので交互にアタックをかけれる。
掛けられ前にかけたほうが良い。
石畳の端の部分を走る。ここまで不気味なほど静かに先頭は走っている。残るはホーリークロスロードでアタックをかけて逃げ切るパターンか。
なんと、先頭集団はT字路でコースを間違えた~!
慌てて、間違えた5人は戻るけど~。
間違えなかったのは二人。レムコとアイメ・デヘントだけ。決まっちゃたかな。
- レムコ・エヴェネプール(Deceuninck – Quick Step)
- アイメ・デヘント( Intermarché – Wanty – Gobert Matériaux)
なんと、マルク・ヒルシはパンクだ。これで追走は4人に。
- フィリップ・ジルベール ( Lotto Soudal)
- トシッシュ・ファンデルサンド ( Lotto Soudal)
- ヴィクトール・カンペナールツ (Team Qhubeka NextHash)
- ブランドン・マクナリティ(UAE Team Emirates)
雨の中、タイム差はどんどん広がる。すでに47秒も引き離した。もう決まりだ。あとは、レムコがどこでアタックをかけるかだ。
どうしてコースミスが起こったのか良くわからないが、係員の旗振りが上手く見えてなかったのだろうか。追走も力が入らない感じだ。
先頭ではレムコ力の入った先頭交代だなあ~と思っていると。
レムコのアタックだ~!
レムコはダンシングで引き離すが、アイメ・デヘントが腰を下ろしてしまった。
もう、こうなるとレムコに追いつくライダーは誰もいない。2試合連続での逃げり勝利は確実だ。
残り4Ikm。25秒のタイム差をつけて逃げ続ける。レムコはまたも運を味方につけたようだ。ツキが回ってきた。
アイメ・デヘントの2位も確実だ。後続に1分以上のタイム差をつけている。
まさに運を味方につけたレムコは、2連勝を飾った。前回は火事で足をためて単独60kmの逃げ切り。今回は、10kmだけど、まさかのコースミスで二人となる幸運。
これは、流石に待つ必要もないので問題は全くない。オーベレルエイセに続いて、ブリュッセルクラシックも逃げ切りで勝ってしまった。
これでデンマークツアーのTTから3連勝。独走で勝つ、レムコのパターンは以前の調子に戻りつつある。今日のゴールでは涙はなかった。
レムコはインタビューで
足が新鮮ではなかったが、ここで優勝できてうれしい。これはほぼ私のホームレースだ。
全員が自分のコンピューターにルートを持っているので、何人かの人が間違った方向に進んだのは奇妙だ。
故郷の村と石畳の通りの向こう側に行かなければならなかったので、左に行かなければならないことを知っていた。
それが起こったとき、驚いたが、最終的にはプロトンが非常に接近していたので、待つ意味がなかった。誰もが非常に強くてアグレッシブだったので、それはレースにとってただ残念なことだ。
リザルト
Rnk | Rider | Team | UCI | Pnt | Time |
---|---|---|---|---|---|
1 |
EVENEPOEL Remco
|
Deceuninck – Quick Step | 125 | 4:28:30 | |
2 |
DE GENDT Aimé
|
Intermarché – Wanty – Gobert Matériaux | 85 | 0:50 | |
3 |
VAN DER SANDE Tosh
|
Lotto Soudal | 60 | 2:13 | |
4 |
GILBERT Philippe
|
Lotto Soudal | 50 | ,, | |
5 |
HIRSCHI Marc
|
UAE-Team Emirates | 45 | ,, | |
6 |
MCNULTY Brandon
|
UAE-Team Emirates | 40 | ,, | |
7 |
MERLIER Tim
|
Alpecin-Fenix | 35 | 2:16 | |
8 |
VAN POPPEL Danny
|
Intermarché – Wanty – Gobert Matériaux | 30 | ,, | |
9 |
LECROQ Jérémy
|
B&B Hotels p/b KTM | 26 | ,, | |
10 |
GAVIRIA Fernando
|
UAE-Team Emirates | 22 | ,, |
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