普通レースの逃げは、スプリントレースでチームのエースを勝たせるために走ったりする。逃げに乗ったチームのメンバーは集団を引かなくて良いので力を温存出来る。
逃げというのは、あまり成功する勝率の少ない勝ち方だ。だが、トーマス・デヘントが逃げに乗ると一気にその成功確率は上がる。
彼はソロで逃げている時も、常に計算しながら出力を管理して巧みに逃げ切るのだ。
世界一の逃げ屋、トーマス・デヘントが2020年に乗るRidley Helium SLXディスクを見てみよう!
Ridley Helium SLXディスク
トーマス・デヘントの逃げはとても計画的だ。スプリンターステージの時には逃げない。逆に、チームのために延々と集団の前を引く。
2019年のジロ・デ・イタリアでも全く逃げずにカレブ・ユアンのために引き続けた。
彼が逃げるのは、スプリンターステージでなく、総合を狙うライダーが休憩と呼ぶステージだ。
完璧な日には、主に2級、3級カテゴリーのある登山が含まれ、最終的に70kmでタンクを空にする前に4人または5人のライダーと協力して逃げる。
これは2019年に2回、2018年に2回、そして2020年に再び行われた戦術でいずれも成功した。つまり彼は計算して逃げているのだ。
トーマス・デヘントが今年乗るのはRidley Helium SLXディスク。今年からついにディスクにのる。
Helium SLXは、Ridleyの軽量フレームオプションであり、2020年にトーマス・デヘントが選択したバイク。
逃げるならば、空力的に優れたノアファーストディスクを選ぶのかと思ったが、デゲントにとっては、空力よりも軽量で硬いほうが良いのだろう。
それは、平地での出力よりも、登りでの出力管理が重要だからだと言う。
トーマス・デヘントのステムは120mmとそれほど長くない。だがハンドル位置は低く標準的なプロのセットアップとなっている。
トーマス・デヘントの使うメーターはSRMだ。彼にとっての命綱だ。
ハンドル幅は420mmと179cmの身長だと普通だろう。
デゲントは、昨年使用したグループセットであるCampagnolo Super-Record EPS 12スピードディスクを使用する。
53 / 39、11-29のかなり標準的なギア比となっている。
ホイールセットは、Vittoria Corsa 25mmタイヤを備えたCampagnolo Bora Oneチューブラーだ。
デゲントのバイクで最も重要なキットは、SRM PC8パワーメーター。結局のところ、彼のエススープはワットで判断される。つまり、正確な測定値は絶対に不可欠となる。
今シーズン、ロットではチームリーダーに特別なカスタムペイントのリドレーを用意した。
選ばれたチームリーダーは、ティム・ウェレンス、フリップ・ジルベール、ジョン・デゲンコルプとカレブ・ユアン。
当然、デゲントも特別なフレームにふさわしいと思ってましたけどねえ~。
トーマス・デヘントは他のチームメイトと同様の標準的な赤と黒のカラーのバイクに乗る。
トーマス・デヘントのRidley Helium SLXディスク仕様
- フレームセット:Ridley Helium SLX Disc
- グループ:Campagnolo Super Record EPS 12スピードディスク
- ホイール:Campagnolo Bora One Disc 50mm
- コンピューターおよび電力メーター:SRM
- ペダル:Look Keo Blade Carbon Ceramic
- シートポスト:DEDA Superleggero
- ステム:DEDA SuperZero
- ハンドルバー:DEDA SuperZero
- バーテープ:Lizard Skins DSP 2.5mm
- サドル:Selle Italia
- ボトムブラケット:Cベアセラミックベアリング
- ボトルケージ:Tacx Ciro
- タイヤ:Vittoria Corsa 26mmチューブラー
- 重量:7.15kg
トーマス・デヘントは今シーズン、ジロ・デ・イタリアとツール・ド・フランスに出場する。今年は全てのグランドツアーには出場しない。
昨シーズンは、ブエルタまで出て空っぽになってしまったからだ。やはり、ある程度は集中して走らないとピークをずっと保つのは難しいのだろう。
今年のグランツールはスプリンターステージが少ないので、トーマス・デヘントの逃げ切りのチャンスはあるはずだ。また華麗な逃げ切りに期待したい。
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