ロードバイクの情報を発信しています!

Shimano DURA-ACEの新ペダル正式発表!23年ぶりの大刷新「SPD-SLR」とは

機材情報
Image generated by Midjourney
この記事は約7分で読めます。

Shimanoが、新たなロードバイク用ペダルシステム「SPD-SLR」を正式発表した。

今回登場したのは、フラッグシップとなるDURA-ACEの新型ペダル「PD-R9300」とULTEGRAの「PD-R8200」。さらに専用設計のクリートとS-PHYREシューズも同時に展開された。

実はこのDURA-ACE新ペダルは、正式発表前からすでにリーク画像が出回っていた。

9月14日には未発表のDURA-ACE PD-R9300とみられるペダルの画像が公開され、新しいSPD-SLRという名称や、従来より低いスタックハイトなどが注目されていた。

 

そして今回、Shimanoが正式に発表。単なるDURA-ACEペダルのモデルチェンジではなかった。

Shimanoは、2003年に登場したSPD-SL以来、20年以上にわたって基本的な3ボルト式インターフェースを維持してきたが、今回初めて、その接続システムそのものを大きく見直した。

 

スポンサーリンク

足をペダル軸へ2.3mm近づける

 

新しいSPD-SLRで最も大きな変更となるのが、スタックハイトの低減だ。

PD-R9300では、ペダルとシューズの接続部分を再設計することで、ペダル部分のスタックハイトを従来モデルより2.3mm低くした。

Shimanoによれば、PD-R9300のスタックハイトは12.5mm。

さらに新しいS-PHYRE RC910シューズとSPD-SLRクリートを組み合わせた場合、システム全体では従来世代より2.8mm低くなる。

わずか数mmと思えるが、Shimanoが狙うのは、単純な軽量化だけではない。

足をペダル軸へ近づけることで、ペダリング時の安定性を高め、ライダーとバイクの一体感を向上させる。

Shimanoは、足とペダル、そしてクランクへ伝わる力の間にある不要な動きを減らし、よりダイレクトなパワー伝達を目指している。

 

クリップインも速くなる

もう一つの大きな変更が、クリップインだ。

新しいSPD-SLRでは、ペダル側のキャッチゾーンを広げ、クリートがペダルにかかるエンゲージメント角度を従来の15.5度から10.5度へ縮小した。

これによって、足をペダルに乗せた際により素早く、直感的にクリップインできるという。

レースでは、コーナーの立ち上がりや集団内での加速、信号からのスタートなど、ペダルへの再装着を素早く行いたい場面が多い。

数値上の変更は小さく見えるが、こうした瞬間的な操作性を改善することがSPD-SLRの大きな目的となっている。

 

新しいクリートは4種類

クリートも完全に新しくなった。

SPD-SLRでは、これまでのSPD-SLと同様にフロート量の違いによってカラーが分けられている。

CL-SL100(レッド):ゼロフロート
CL-SL110(イエロー):±3度のフロート
CL-SL120(ブルー):±1度のフロート
CL-SL130(グレー):他社製3ボルトシューズ向け

 

Shimanoによれば、新設計のCL-SL100/110/120は、従来のSPD-SLクリートセットと比較して、クリート、ボルト、スペーサーを含め最大22%軽量化されている。

グレーのCL-SL130については、Shimano以外の3ボルト式ロードシューズでもSPD-SLRペダルを使用できるように設計されている。

ただし、低スタックハイトや軽量化というSPD-SLRのメリットを最大限に得るには、対応するShimanoシューズとの組み合わせが前提となる。

 

DURA-ACE PD-R9300は剛性も向上

フラッグシップとなるPD-R9300は、カーボンファイバー強化素材を使用したボディと、幅広いコンタクトプラットフォームを採用。

さらにベアリング周辺も見直された。

Shimanoは、前世代のPD-R9200ではなく、ULTEGRA PD-R8200との比較で、PD-R9300の剛性が11%向上し、回転抵抗を53%低減したとしている。

また、標準の52mm軸に加えて、4mm長い軸仕様も用意される。

 

ULTEGRAにもSPD-SLR

新しいSPD-SLRはDURA-ACEだけの技術ではない。

ULTEGRA PD-R8200にも同じSPD-SLRシステムが採用される。

カーボンコンポジットボディやステンレス製コンタクトプレートを備え、DURA-ACEと同じSPD-SLRの基本設計を共有する。

つまり今回の変更は、DURA-ACEだけのペダル刷新ではなく、Shimanoのロードバイク用ペダルシステムそのものを次の世代へ移行させる動きといえる。

 

従来のSPD-SLとは互換性なし

今回のSPD-SLRで最も注意したいのがここだ。

名前はSPD-SLから「R」が加わっただけに見えるが、従来のSPD-SLとは互換性がない。

新しいSPD-SLRペダルには新しいSPD-SLRクリートが必要で、従来のSPD-SLクリートをそのまま使用することはできない。

逆に、SPD-SLRクリートも従来のSPD-SLペダルでは使用できない。

20年以上にわたって続いてきたSPD-SLの互換性を考えると、これは今回の発表における非常に大きな変更だ。

 

シューズまで含めた「システム」

 

Shimanoが今回強調しているのは、ペダル単体ではない。

ペダル、クリート、シューズを最初から一つのシステムとして設計したことだ。

新しいS-PHYRE RC910とRC810もSPD-SLRを前提として開発され、足をペダル軸へ近づけるための設計が施されている。

つまり、SPD-SLRは「新しいペダル」というよりも、ライダーの足からクランクまでの接続部分を一から再設計したシステムと考えたほうが分かりやすい。

Shimanoが掲げるのは、低いスタックハイト、素早いクリップイン、軽量化、そしてよりダイレクトなパワー伝達だ。

 

正式発表となったが

 
 
 
 
 
この投稿をInstagramで見る
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

Shimano Bike(@rideshimano)がシェアした投稿

 

今回のDURA-ACE新ペダルは、正式発表の数日前からすでにその姿が明らかになっていた。

そのため、9月14日に出回ったリーク画像を見ていたサイクリストにとっては、「やはりこれだったか」という発表になったかもしれない。

しかし、正式発表によって明らかになったのは、ペダルの形状だけではない。

ShimanoはSPD-SLの基本構造を20年以上ぶりに見直し、ペダルとクリートを新しいSPD-SLR規格として設計した。

ここで注意したいのは、SPD-SLRへ移行する際に、すべてを一度に買い替える必要があるわけではないことだ。

新しいSPD-SLRペダルを使用する場合、クリートもSPD-SLR専用のものに交換する必要がある。従来のSPD-SLクリートを新しいSPD-SLRペダルで使うことはできない。

一方で、SPD-SLRクリートは既存の3穴ロードシューズに取り付けることができる。

Shimanoも公式に、SPD-SLRクリートは既存のロードシューズと互換性があると説明している。

つまり、現在SPD-SL対応シューズを使用しているユーザーなら、まずは新しいペダルとクリートだけを交換してSPD-SLRへ移行することができる。

では、なぜShimanoは新しいシューズまで用意したのか。

それはSPD-SLRの性能を最大限に引き出すためだ。

SPD-SLRは、ペダル、クリート、シューズを一つのシステムとして設計することで、足をペダル軸へ近づけ、よりダイレクトなパワー伝達を狙っている。

ペダルとクリートを交換するだけでもSPD-SLRは使用できる。

しかし、従来のシューズを使い続けた場合、新しいSPD-SLRシューズを組み合わせたときと同じシステム全体のメリットを得られるわけではない。

Shimano自身も、SPD-SLRクリートは既存シューズと互換性がある一方、SPD-SLR対応シューズ、クリート、ペダルを組み合わせることで性能を最大限に引き出せるとしている。

20年以上にわたって続いてきたSPD-SLから、新しいSPD-SLRへ。

すべてを買い替えなければならないわけではないとはいえ、長年SPD-SLを使ってきたユーザーにとって、ペダルとクリートの規格が完全に切り替わることは決して小さな変更ではない。

特に、これまでSPD-SLのペダルとクリートを予備としてストックしてきたユーザーにとっては、新しい規格への移行をどう考えるかが一つのポイントになりそうだ。

コメント

タイトルとURLをコピーしました