第15ステージを終え、2026 ブエルタ・ア・エスパーニャ2026は最終週へ入る。
総合首位はエンリク・マス。2位はフェリックス・ガル、3位がプリモシュ・ログリッチという状況だ。
- エンリク・マス
- フェリックス・ガル 2分6秒差
- プリモシュ・ログリッチ 2分10秒差
第15ステージでは総合上位勢が同じ集団でフィニッシュし、順位に大きな変化はなかった。
しかし、プリモシュ・ログリッチにはまだ大きな勝負の場が残っている。第18ステージの個人タイムトライアルだ。
今回の考察では、32.1kmという距離を前提に、第1ステージの9.4km個人タイムトライアルで記録したタイム差を単純に比例させてみたい。
第18ステージは切り札となるか?
第1ステージは9.4kmの個人タイムトライアルだった。
- プリモシュ・ログリッチ 22秒差 22位
- エンリク・マス 33秒差 50位
- リチャル・カラパス 33秒差 52位
- フェリックス・ガル 46秒差 91位
- オスカー・オンリー 50秒差 106位
このステージでプリモシュ・ログリッチは22秒差の22位。対してエンリク・マスは33秒差の50位だった。
つまり、プリモシュ・ログリッチはエンリク・マスに対して11秒速かったことになる。 総合優勝争いという観点では、この11秒という差は非常に興味深い。
なぜなら、第18ステージの個人タイムトライアルは第1ステージよりもはるかに長いからだ。 第1ステージの9.4kmに対し、第18ステージは32.1km。
実に約3.41倍の距離になる。
計算は単純だ。 9.4kmで11秒差だったものを、32.1kmにそのまま比例させる。
11秒÷9.4km×32.1km=約37.6秒 つまり、約38秒。
もちろん実際のタイムトライアルでは、コースプロフィール、風、路面、機材、疲労、スタート順などによってタイム差は大きく変わる。
したがって、この数字をそのまま実際の結果として予測することはできない。 しかし、ひとつの基準として考えるなら、プリモシュ・ログリッチは第18ステージでエンリク・マスから約38秒を奪う可能性があるという見方ができる。
でも、それでも逆転には届かない。単純計算では約1分32秒の差が残る。 これが今回の数字から見える、プリモシュ・ログリッチの厳しい現実だ。
第1ステージと同じような差のつき方なら、個人TTだけでエンリク・マスを捕らえることはできない。
ただし、逆に言えば、第18ステージで1分前後を縮めることができれば、一気に勝負は面白くなる。
プリモシュ・ログリッチに必要なのは「38秒」ではなく、それ以上のタイムが必要だ。もし、仮に1分30秒近くまで縮めたとしても、まだ完全には決まらない。
第18ステージの後には、第19ステージと第20ステージが残っている。 登りゴールが待っている。
つまり、第18ステージは「逆転を決めるステージ」というより、プリモシュ・ログリッチにとって逆転の可能性を残すための最大のチャンスになる可能性が高い。
第19・20ステージでアタックするのか?
一方で、プリモシュ・ログリッチを単純に「逆転は難しい」と片付けることもできない。
プリモシュ・ログリッチにとって最大の問題は、相手が単純に「守るだけ」の選手ではないことだ。 現在のエンリク・マスは、山岳ステージでも安定しており、過去最高のパフォーマンスを発揮している。
Dobra borba🚴♂️@rogla malo zmanjkalo, skupno sedaj na 3. mestu. Še bo borba! Dober tudi 🚴♂️#JakobOmrzel ohranil 6. in 2. mesto v skupnem seštevku po 14 etapi. Zmagovalec ubežnik Marco Brenner! #LaVuelta26 🇪🇸! 👏👏 💪🇸🇮 (📽️#eurosport, prihod Primoža v cilj) pic.twitter.com/vRm9ig0uZc
— Igor Derenda (@IDerenda) September 5, 2026
第14ステージでも、エンリク・マスはアタックをかけて、プリモシュ・ログリッチを25秒引き離した。ここで離されたのは、非常に痛かった。個人TTだけでの逆転の目が摘み取られたからだ。
そして第15ステージでは、総合上位勢がまとまってフィニッシュ。 エンリク・マスはプリモシュ・ログリッチにタイムを奪われることなく、第2休息日を迎えた。
つまり、プリモシュ・ログリッチが第18ステージだけに期待するのは危険だ。残りは第19ステージと第20ステージ。
そして第21ステージはグラナダでの最終ステージとなるため、総合順位を大きく動かす現実的な最後の舞台は第20ステージになる。
つまり、第18ステージでどこまでエンリク・マスとの差を削れるかが極めて重要になる。 仮に第18ステージ終了時点で1分30秒以上の差が残っていたら、プリモシュ・ログリッチは第19・20ステージでそれをすべて取り戻さなければならない。

Image generated by Midjourney
そして、もう一つ興味深いのが、第18ステージ以降のプリモシュ・ログリッチの戦い方だ。 第18ステージでエンリク・マスとの差を縮めたとしても、それだけで逆転できなければ、残りの山岳で攻撃する必要がある。
しかし、ここには大きなリスクもある。 現在、プリモシュ・ログリッチのすぐ後ろにはフェリックス・ガルがいる。
つまり、エンリク・マスを追ってプリモシュ・ログリッチが無理なアタックを仕掛ければ、逆にフェリックス・ガルにその隙を突かれる可能性がある。
プリモシュ・ログリッチにとっては、 エンリク・マスを追うための攻撃 と、 フェリックス・ガルに総合2位を奪われないための走りを同時に考えなければならない。
ただ、プリモシュ・ログリッチは、これまで何度も個人タイムトライアルをグランツール総合争いの武器としてきた選手だ。 だからこそ、第18ステージは見逃せない。
2分10秒差を逆転できるのか。 その答えを出すための最初の関門が、32.1kmの個人タイムトライアルになる。 ここでプリモシュ・ログリッチが1分近く、あるいはそれ以上を削ることができれば、ブエルタの総合優勝争いは一気に緊張感を増す。
逆に、30~40秒程度しか縮まらなければ、エンリク・マスがかなり有利な状況で残り2ステージへ向かうことになる。
まずは、プリモシュ・ログリッチが第18ステージでどこまで迫れるか。これが、プリモシュ・ログリッチが逆転できるかの試金石となる。



コメント
少し前に日本の中継においてもマスとログリッチの過去のデータを読み込ませて、個人TT前にどの程度のタイム差が必要かをAIを用いて考察していました。(確か最低2分、できれば2分15~2分半は欲しいだったかな……?)
そんなに~。それだと逆転できることになりますね~。さて、エンリク・マスがレッドマジックを見せるのかほんと注目ですね。
ここまでプリモシュ・ログリッチは、まだ手をあげてないので、本調子になることを期待してますけど、さてどうなるか?