UCIは2021年6月1日から規則1.3.006bisの修正により、Team Jumbo-VismaやCANYON//SRAMが使用する、リアルタイムでエネルギー消費量のわかるデバイスのレース中の禁止を発表。
だが、同じバイオセンサーでも水分補給のタイミングがわかるNix Biosenorsについては承認をした。これにより2025年からレース当日に使用することが可能となっている。
Nix Biosenors
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Nixは、個人で生物学にアクセスし、理解し、行動できるようにするバイオセンサーを開発する目的で設立された会社。
米国のバイオセンサー開発企業であるNix社は、新しいNix Hydrationバイオセンサーとアプリを公開している。
Nix Hydrationバイオセンサーは、汗を分析し、アスリートにリアルタイムでパーソナライズされた水分補給データを提供する世界初のバイオセンサーと言われている。
水分補給がうまくいくと、持久力、筋力、認知力のパフォーマンスが向上し、回復を助けることが知られている。
しかし、脱水症状がパフォーマンスに劇的な悪影響を及ぼす可能性があることは、あまり知られていない。
脱水のデメリットとしては
- 体温調節機能の低下
- 心拍数の上昇
- 疲労の自覚
- めまい
脱水となると、パフォーマンスに悪影響を及ぼす事象の連鎖反応を引き起こす。簡単に言えば、脱水は数ヶ月のトレーニングを台無しにし、パフォーマンスを低下させ、さらに健康への危険な副作用も伴う。
当然、運動中の脱水は可能な限り避けるべきだ。
しかし、各個人が必要とする正確な水分補給の量や種類は人によって異なり、多くのアスリートにとってまだ大きな未知の世界となる。
Gatorade Gx Sweat Patchのように、アスリートの汗を数値化するデバイスはすでに市場にあるが、Nix社のセンサーはリアルタイムでそれを実現し、しかも再利用可能なものだ。
ワールドツアーチームでは、EF Education-EasyPostが2024年5月にNixと提携している。
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Nixによると、この新しいデバイスは、いつ、何を飲むべきかについて、個人的で正確、かつ実用的なデータを提供することが出来る。
単に一般的な計算を提供するのではなく、バイオセンサーは継続的に汗を分析し、最適な水分補給戦略を特定するための試行錯誤を排除することを約束するそうだ。
システムは、パッチ、バイオセンサーを格納するポッド、ライブおよびライド後の分析用アプリで構成されている。
パッチは皮膚に直接貼り付けて汗の成分を分析し、水分と電解質の損失を1秒に1回、すべて針を使わず、皮膚を壊すことなく判定する。
充電式ポッドは、1回限りの汗拭きパッチに取り付けて、データを直接Nixアプリにリアルタイムでストリーミングする。重さは15g。
- ワークアウト中のライブデータ
- ワークアウト後の分析
- トレンドスポッティングのための履歴データ
- 天気予報に基づいてイベントに必要な水分補給量を計算するための予測データを提供
また、ワークアウト中は、アスリートがいつ、何を、どれだけ飲むべきかについて、ライブで実用的な通知を提供してくれる。
水を飲むタイミングだけでなく、どの飲料をどれだけ飲めば良いのか個人の汗の状況に合わせて表示する。
真夏のツール・ド・フランスなどで活躍しそうだ。
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