Q36.5 Pro Cycling Teamに所属していたトム・デヴリーントが静かに引退となった。
2年間身体の不調に悩まされ、一日に何度もトイレに行くはめに。もう走れる状態ではなかった。
不調の原因
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トム・デヴリーントは、2015年Wanty – Groupe Gobertでプロデビュー。2017年オムループ・ファン・ヘット・ハウトランドでプロ初勝利。
2019 ツアー・オブ・オーストラリア第2ステージで2勝目。そして、2022 パリ~ルーベでは、逃げ集団に入り残り30km地点では単独トップで走っていた。
最後のゴールはワウト・ファンアールト、シュテファン・キュング、マテイ・モホリッチとのスプリントで4位。惜しくも表彰台を逃している。
その9か月後から問題が始まる。異変についてトム・デヴリーントは次のように語る。
「2023年シーズン前の冬に、突然体重が極端に減った。脂肪率は4パーセントまで下がった。あれはツアー・オブ・バレンシアの時だった。
気温は17度で、寒かったのでバフが必要だった。不思議なことに、クラシックライダーである私はいつでも寒さに耐えることができた。
あのツアー・オブ・バレンシアの後、極度に疲れてしまい、二度と自分のレベルに達することはなかった。
アムステルゴールドレースから帰宅し、すぐにベッドに横になって休息期間を始めた。その後、胃の問題が始まった。
8 か月間、昼も夜もトイレに行かなければならず、1日10〜12回も行かなければならなかった。今年1月になって初めて、腸管の炎症性疾患であるクローン病であると診断された。
だが、今年のGPモンセレ(3月3日)の後、12日間連続でベッドに横たわっていた。もう本当に何もできなかった。
チームは依然として私にフランドルに乗ってほしいと思っていた。フランドルの3日前は自転車に乗らなかったのは、そうしないとアウデナールデでゴールできないのではないかと心配したからだ。
だが、ロンド・ファン・フラーンデレンでリタイアしてしまった。その後、チームバスの中で、パリ~ルーベには選ばないでくれとスタッフに懇願した。
完全に疲れ果てて空っぽで、全身のバランスが崩れていた。その気持ちを言葉で表すのは難しいが、まるで魂が私の体を破壊するかのように。
レースが終わって家に車で帰ろうと思ったとき、最初は目を閉じてしばらく車の中に座っていた。家に帰れないのではないかと心配だった。
数か月間回復するために何もしなった。 8月末にオーベレルエイセで復帰した。 あと3レース乗る予定だったが、毎回欠場しなければならなかった。
もう本当に何もできなかった。トレーニング中は友人のヘルベン・タイッセンやクサンドロ・ムーリッセについて行くことさえできなかった。
多くのライダーはレースをやめるのは難しいと言っていた。でも自分にとっては本当に解放された気分だ。
2回の優勝といくつかの素晴らしい名誉ある場所で、自分のキャリアを最大限に活用することができた。
多くの人はパリ〜ルーベの4位がハイライトだと考えるだろう。でも、スプリントのミスで表彰台を逃したことは、やはり負けだと思っている。もう、あまり考えていないけど。自分はまだ若いので、人生はまだ始まっていない。
クローン病とは
クローン病は炎症性腸疾患のひとつで、主に小腸や大腸などの粘膜に炎症が起きることにより粘膜にびらん(粘膜がただれている状態)や潰瘍(粘膜がえぐられている状態)ができる原因不明の慢性の病気です。主な症状には、腹痛、下痢や血便、発熱、肛門付近の痛みや腫れ、体重減少などがあります。また、さまざまな合併症が発現することがあります。
引用 クローン病
クローン病は難病指定されており、普通に生活を送ることも出来るけれど原因不明。プロ選手が活動するのは難しい。過去にはGroupama – FDJのジェイク・スチュワートがかかっていたこともある。
トム・デヴリーントは、家の近くで仕事を探す予定と言っている。病気でやめなけばならないのは残念なことだ。
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