日本では競輪は公的に認められている公営ギャンブル。お隣の韓国でも競輪がある。
視聴者にレースへの賭けを奨励する韓国と日本の競輪モデルのグローバル版であるDerbyWheelツアーは、2024年初めに開始される予定となっている。
だが、これに対してUCIが待ったをかけている。
DerbyWheelの趣旨
DerbyWheelの趣旨はとても良い。
世界中の競輪場は予定もなく空いていることが多い。しかも、トラック競技では儲けることが出来ない。だから、外国のトラック選手が日本にきて競輪をすることもある。
一方、プロ競輪を導入した日本と韓国では参加選手が稼ぎながら選手生活を40代後半や50代までも営んでいて、プロ競輪を誘致する競技場も共に好況を享受している。
このようなことが可能な理由は、日本と韓国政府が自国のプロ競輪競技に自国民が合法的にギャンブルできるように許容しているためだ。
DerbyWheelはこのような日本、韓国のプロ競輪をグローバル化したもの。
競技コンテンツを合法的に運営している世界中のスポーツベッティング会社に提供し、ここで生み出された収益でトラック競技選手が安定した収入で選手生活を長く営めるようにすることだ。
またDerbyWheel競技を誘致する競技場にも競技場の活用度を高めながら収益を創出させること。競技者も助かるし、競輪場も潤う。ウインウインの関係となる。
UCIは禁止されたイベントに指定
これに対して、UCIは以下のようなアナウンスを行っている。
プール賭博を伴う一連の新しいケイリンイベントに関連して、イベント主催者のDerbyWheelが行った連絡に留意した。
UCIは、2022年6月にこのプロジェクトに関してDerbyWheelから最初に連絡を受けた。それ以来、UCIはスポーツイベントと賭博がどのように運営されるかを正確に理解するために定期的に連絡を取り、イベントが規制に基づいて認可されるかどうかを判断している。
現在に至るまで、UCIにはUCI規則への準拠を評価するために必要な情報が提供されておらず、したがって、これらのDerbyWheelに対する認可を確認する立場にない。
そのため、これらは現在、UCI規則第1.2.019条に従って「禁止されたイベント」とみなされる。UCIライセンス保持者のこれらのイベントへの参加は、UCI規則第1.2.021条に従って懲戒処分の対象となります。
10月には、DerbyWheelは、アジアのサーキットから半数を占める500人近くのライダーと、32カ国のUCIトラックライダー200人以上がこのシリーズに参加するために登録していることを明らかにしている。
DerbyWheelは、UCIのイベントに登録するつもりもない。ただ、トラック競技選手がドーピングや不正行為をしてはならないので、UCIからは報告書を求められている。
3月にロンドンでエキシビションイベントを行った後、4月に開始されるDerbyWheelツアーにUCIのライセンスを持っているトラック選手が参加した場合には懲戒処分の対象となる。
主催者側がしっかりと報告書等を提出して、UCIが納得すればDerbyWheelツアーは予定通り開催される。今後は、世界中のトラック競技者が競輪で生活できるようになる日がくるかもしれない。
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