かつてTeam Sky、そしてINEOS Grenadiersとしてグランツールを席巻したイギリスのチーム。しかし、近年はかつての圧倒的な強さを失い、再建の途上にある。
2026年からチームのDirector of Racing(レース部門責任者)に就任したゲラント・トーマスは、ポッドキャスト「Watts Occurring」で今シーズンを振り返った。
結果については厳しい評価を下しながらも、若手選手の成長やチームの戦術面には確かな進歩を感じているという。
トーマスが語ったのは、かつての強豪チームを取り戻すための現実的な道のりだった。
36勝を挙げたものの、大きな成功には届かなかった2026年
ゲラント・トーマスは、ポッドキャスト「Watts Occurring」に出演し、Netcompany INEOSの2026年シーズンを振り返った。
チームは年間36勝を記録したものの、その多くは比較的小さな勝利であり、かつてのチームが手にしていたような大きなタイトルには届かなかった。UCIチームランキングでは2年連続の8位。
ゲラント・トーマスは次のように率直に語っている。
「結果だけを見れば、間違いなく良いシーズンではなかった。多くの勝利を挙げたが、そのほとんどは小さな勝利だった。本当に大きな勝利はなかった。」
特にグランツールでは苦戦が目立った。ジロ・デ・イタリアではテイメン・アレンスマンが総合4位に入ったものの、ツール・ド・フランスではステージ優勝を挙げられず、総合トップ10に入った選手もいなかった。
かつてブラッドリー・ウィギンス、クリス・フルーム、ゲラント・トーマスらを擁し、ツール・ド・フランスを何度も制していたチームにとって、満足できる結果ではなかった。
20%から80%に一気に戻ることはできない
しかし、トーマスは結果だけでシーズン全体を判断するべきではないと考えている。
チームは現在、かつての強さを取り戻すための再建段階にある。その過程では、時間をかけて一歩ずつ前進する必要がある。
トーマスは現在のチームの状態を、かつての強さを100%とした場合の20%に例えた。
「仮に、以前の自分たちの20%の状態からスタートしているとしよう。そこから一気に80%に戻ることはできない。
階段の2段目から、いきなり8段目に行くことはできない。3段目、4段目、5段目と進んでいかなければならない。」
トーマスは、チームがシーズン中に何度か後退したことも認めている。それでも、全体としては確実に数段上がることができたと感じている。
確実に階段を数段上がったと思う。もちろん、何度か滑り落ちることもあった。でも、それも再建の一部だ。
2027年に向けて若手中心のチーム再建へ
Netcompany INEOSは2027年に向けて、さらにチームの世代交代を進めていく。
一方で、大きな戦力流出もある。フィリッポ・ガンナが8年間所属したチームを離れ、Lidl-Trekへ移籍することが決まっている。
ガンナはクラシックやタイムトライアルでチームを支えてきた重要な選手であり、その穴を埋めることは簡単ではない。
新シーズンにはジョセフ・ブラックモア、マルケル・ベロキ、ベンジャミン・ノバルら若い選手も加わる予定だ。



オスカー・オンリー、ケヴィン・ヴォークラン、ティメン・アレンスマンらとともに、次世代のチームを形成していくことになる。
トーマスにとって、Director of Racingとして迎える2年目は、2026年に築いた基盤をさらに発展させる重要なシーズンとなる。
かつてのようにグランツールを支配するチームへ戻るには、まだ乗り越えなければならない課題が多い。しかし、トーマスは焦らず、一段ずつ階段を上っていくことが必要だと考えている。
36勝という数字だけでは測れないチーム再建の進歩。それが2027年シーズンにどのような結果として表れるのか注目したい。




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