ツール・ド・フランスで総合6位となったアスタナのエース、ミゲルアンヘル・ロペス。
ある意味では、ツールで最大の敗者であると言っても良いかもしれない。
表彰台確保どころか、タイムトライヤルで6位まで落ちてしまうという大敗北。TTに弱いのはわかっていたけど、ここまで悪いとは本人もチームも思ってなかったかも。
それに続いて、ミゲルアンヘル・ロペスが今シーズン限りでアスタナから移籍するというニュースも。
ツールの活躍
ミゲルアンヘル・ロペスの第17ステージでの勝利は素晴らしいものだった。超級山岳ラ・ローズでのアタックでは、プリモシュ・ログリッチの追走も届かず15秒もの差をつけクイーンステージを制した。
その時点で、リゴベルト・ウランを抜いて、総合4位のリッチー・ポートとは1分39秒もタイム差があった。
それが、タイムトライヤルでは後から出走したタデイ・ポガチャルに抜かれてしまう。そのスピード差は圧倒的だった。
タイムトライヤルを改善しないと、これから総合上位を確保するのは難しいだろう。
だが、ツール初出場で6位というのは素晴らしい。
まだ26歳であり、これから全盛期を迎えるのはチームにとっても希望の持てるものだったはずだが。
チーム事情による
だが、チームはスポンサー問題で揺れている。年初には給料未払い問題が発覚した。
アスタナの給料未払い問題はこれで3度目。
さらに続いて、コロナによってレースが開催されなくなり、更にチーム事情は悪化。
この時には、コロナで今シーズンレースが開催されなければ、チームは消滅するとGMのアレクサンドル・ヴィノクロフは述べていた。
8月からUCIワールドツアーも再開されたので、チームの存続は可能だろう。だが、チーム事情がそれほど改善された訳ではない。
チームとしては、エースであるミゲルアンヘル・ロペスを放出せざるを得ない状況まで追い込まれている。
チームは来シーズンの予算削減に伴い、ロペスを雇っておくことも出来ない。仕方のない処置だが、活躍出来る選手を放出してはスポンサーにも受けはよくない。
残るメンバーで成績を残すしかない。
ミゲルアンヘル・ロペスは、ヤコブ・フルサンをアシストするためにジロ・デ・イタリアに出場する。
これが彼のチームでの最後のレースとなるだろう。
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