次のレムコ・エヴェネプールと言われているQuick-Step Alpha Vinyl Teamのイラン・ファンワイルダー。
2022ジロ・デ・イタリアに出場予定だったけれど、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュの落車で顎の骨を骨折して2か月レースから遠ざかった。
このブエルタ・ア・エスパーニャでは、ジュリアン・アラフィリップと並んで、レムコの重要なアシストしてレース終盤まで働いている。
レース展開が厳しくなった時に、残っているのはジュリアンと彼だけだ。
だが、イラン・ファンワイルダーは第10ステージの個人タイムトライヤルでほぼ最下位でゴールしている。
個人タイムトライヤルは得意
イラン・ファンワイルダーは、2018ヨーロッパ ジュニアタイム トライアル選手権で銀メダルを獲得。この時の優勝はレムコ・エヴェネプール。
二人はジュニア時代にはライバル関係にあった。
2 年後のヨーロッパ U23 タイム トライアル選手権で銅メダルを獲得。さらにエリートに上がってからはTT能力が更に進化。
- 2021 ツール・ド・ロマンディ個人TT 4位
- 2021 クリテリウム・デュ・ドーフィネ個人TT 5位
- 2021 ベルギー選手権タイムトライヤル4位
タイムトライヤルは得意だが、第10ステージではブービーの155位。その理由についてゴール後のインタビューで語っているので聞いてみよう。
10位や15位でゴールしても、チームには何のメリットもない。レムコにとって私はかなり重要な存在で、だから休みを取ることにしたんだ。今年も来年も、僕にはたくさんのタイムトライアルが待っている。
途中で、マルク・ソレルに追いつかれた。
彼は私に怒鳴りつけたんだ。そんなにゆっくり走っている時間はあるのか? ってね。
それに対して私は、平均時速39キロで運転しても時間内に完走できると答えたんだ。そして、私たちはお互いのスリップストリームでレースをするようになった。
不思議なもので、僕はタイムトライアルで努力するのが好きなんだけど、チームから2日目の休養を取るように言われた。だから、そうしたんだ。
タイムリミットを計算していた。私たちはレムコを助けるためにここにいるのだから、努力でおかしくなってはいけないし、自分の足を守るためでもある。
たとえ35分という短い時間でも、そうでなければ完全に自分をフックに乗せてしまい、翌日からそれを実感することになるからね。厳しいブエルタが待っているし、力を出し切らない方がいい。
このようなレースをするのは奇妙だ。
昨日は休息日にレムコと1時間半走ったが、今日は50分走った。ウォーミングアップが8分、偵察はなし、タイムトライアルはほぼ42分だ。明日からは仕事に戻らなければならない。
完全にプロフッショナルだ。この個人タイムトライヤルでは多くのアシストライダーはゆっくりと走っている。ジュリアン・アラフィリップ、ルーク・プラップ(INEOS Grenadiers)など。
イラン・ファンワイルダーは、ブービーで走ったけれど総合順位は3つ下がって51位になっただけだ。一緒に走ったマルク・ソレルもステージ147位とゆっくりと走っても総合47位と変わらない。
これでブエルタ後半にかけて、イラン・ファンワイルダーは、レムコのアシスト作業を続けていけるはずだ。いくらレムコの調子が良くてもアシストがいなければ一人で戦うことは出来ない。
チームにとってはアシストの足を守ることも重要なのだ。すべてはエースのために。
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