アンドレア・タフィが53歳で復帰するというニュースが出たのは昨年のこと。
これについては以下で記事にしている。
そして、チームが見つかったというニュースも一時出たが、やはりそんなに甘くないのか復帰するチームは見つかってないようだ。
53歳のTafiは、あなたが思うほど多くのパワーを失っていないかもしれない。 私達が年をとるにつれて起こる生理学的変化を詳しく見ていていこう。
生理的課題は何か
アンドレア・タフィは、1999年にパリ～ルーベで勝利。その20周年記念日に再びパリ～ルーベを走りたいと考えている 。さて、彼は実際にレースで生き残ることができるだろうか。
残念ながら、私達は生理学的実験室でアンドレア・タフィをテストすることができない。彼のエンジンがどのように機能するのか、そしてWorldTourプロトンによってもたらされるストレスに耐えることができるかどうかはわからない。
それでも、生理学の基本原則のいくつかを分析し、すべての高齢アスリートが直面する衰退を見ることによって、タフィが直面するであろうパフォーマンス関連の課題のいくつかを解読することができます。
有名なコーチのJoe Frielによる「Fast After 50」に詳述されているように、年齢を重ねることによるパフォーマンスの低下に関連して3つの大きな変化があることが述べられている。
- 有酸素容量の減少（VO 2 max）
- 筋肉の収縮
- 有酸素能力の低下
タフィの老化した体は、彼のチャレンジを困難にする他の要因に直面している。
専門家らは、タフィの年齢ではパリ～ルーベで通用しないだろうと言うが、必ずしも彼がパワーを欠いているというわけではない。
それは彼のエンジンが以前のやり方で調整されなかったことだけかもしれない。
以前のやり方とは何だろう?
有酸素運動能力について
Photo credit: Ed Yourdon on Visualhunt.com / CC BY-NC-SA
ごく最近までの調査によると、老化した運動選手のパフォーマンスが低下する原因として最も可能性が高いのは、有酸素運動能力の喪失であった。
調査結果によると、年長のアスリートは単に運動中の筋肉に酸素を供給したり、若いアスリートと同じくらい効果的に酸素を使用することはできなかった。
コーチであり生理学者であるTrevor Connorによると、老化と生理学に関する新しい研究はこの見解を変えています。今までの研究では、年齢効果は実際よりもはるかに悪く考えられていました。
「純粋な生理学的見地から、実際に正しく行われれば50歳でも競争力を持つことができます。
おそらくあなたは、30歳の頃のように速くなることはできませんが、あなたが考えるほどそれほど大きくは減少しません。」
有酸素運動能力は、サイクリストの総合力の1つの要素にすぎない。 加齢によっても、嫌気的な力、つまり純粋な力を要する一分間の能力が大幅に低下し、そこでの損失が大きくなる。
研究によると、筋肉組織の組成は加齢とともに変化することが示されている。私たちは速筋線維を失う。
速筋線維が遅筋線維に変わることを示唆している研究もあり、これは好気性エンジンの改善を説明するものだ。 その結果、大きくて強力な短期的な力が全体的に失われていく。
そして老化した運動選手に起こる他の変化があります。
- より多くの脂肪
- より少ない筋肉
これらの変化は主に酵素的変化によるもの。 具体的には、リポタンパク質リパーゼ（LPL）は脂肪組織の蓄積につながる。
若い男性では、テストステロンはLPLが非常に活発になるのを防ぎ、体の健康を維持するのに役立つ。 私達は年をとるにつれて、テストステロンは少なくなり、それ故にLPLはそれほど制限されない。 そのため体重が増えるが、それは自然なことだ。
その体重増加はパフォーマンスを低下させる。 VO2maxの式は、毎分キログラム当たりの酸素の体積である。 容量と体重との間の逆相関のために、体重が増加するにつれてVO2maxは減少する。
このように、アスリートが体重を増やすとき、多くの人がそうであるように、他のすべての要因が同じであるならば、筋肉は単に彼らが以前の体重と同じペースを維持するために、より懸命に働く必要がある。
言い換えれば、VO2maxはあなたが体脂肪や筋肉に加える体重の増加ごとに低下する。 これは、アスリートがより強い重力の引っ張りに直面しているとき、例えばヒルクライムなどでより関連性がある。
フランス北部のパヴェでは、これはあまり重要ではないが、それでも要因になりえる。
サルコペニアとして知られている筋肉の同時減少があることを示唆する研究もある。これは、テストステロン産生の減少が主な原因で40歳前後で始まることによる。
成長ホルモンやインスリン成長因子など、筋肉の維持と発達に密接に関連する他のホルモンの変化もある。
しかし、検討すべきことは、筋肉を精力的に使用し続けると、年をとっても損失を減らすことができるという研究が示唆していること。 彼らが言うように、筋肉を使うようにして下さい。
そのため、タフィが引退以来ずっと定期的にトレーニングを続けてきたと仮定すると、彼は20年前と同じくらいの筋肉量を持っているかもしれない。 彼もそう願っている。
伝説Ned Overendからの教訓
1990年にマウンテンバイクの世界初のチャンピオンとなった伝説のNed Overend。これ以上の例はありません。
Ned Overend
Overendは、50代のマウントワシントンヒルクライムなど、今でもレースで優勝している。 今では彼は60代だが、Overendはまだ毎週デュランゴの地元のプロとトレーニングしている。
彼は主に回復と健康の維持に重点を置いている。まず彼のエンジンに関しては、彼はあらゆる年齢の運動選手と競うことができる人物である。
ただ、非常に高い強度が続くと彼でも対応出来ない。Overendがどのようにトレーニングするのか、彼がどのように「若く」いるのか。
ただ、彼の最善の努力にもかかわらず高い強度の刺激には何年にもわたってゆっくりと変化してきたのだ。
1999年のパリ～ルーベと2002年のツール・ド・フランドルの勝者であった世界一流のサイクリストのタフィは、かつてスポーツの頂点に立っていた並外れた運動選手であったということ。
問題は引退して彼はWorldTourレベルでのレースをしてなかったことです。「彼はもう慣れていない。」
その理由を示唆する研究はないが、レースの精神的側面がパフォーマンスに大きな影響を与えることを多くの人は知っている。レースは私たちを別のレベルへと導きます。
Tafiは非常に長い間その激しさを経験せずにパリ～ルーベに入ろうとしている。
もし彼がカムバック出来たら衝撃になるだろうが、良い走りが出来たらこれまでのシステムにも精神的な衝撃も与えることになるだろう。
年長のアスリートが能力を落とさないためには、若い頃と同じようにレースに出続ける必要とトレーニングはかかせないということもわかりました。
コメント