イネオス・グレナディアーズのトム・ピドコックは、自分とエガン・ベルナルの転倒は「極端な」ライディングポジションが原因だと考えている。
プロのサイクリストであっても公道でタイムトライアルバイクのトレーニングを行うことは、ライディングポジションの関係で非常に危険だという。
ピドコックもTTバイクで事故に
エガン・ベルナルは月曜日にコロンビアでTTバイクでトレーニング中にバスの後部に衝突。
ピドコック自身は、昨年6月、自宅のあるアンドラ近郊のフランス・ピレネー山脈でタイムトライアルバイクのトレーニング中に転倒し、鎖骨骨折している。
トム・ピドコックは、チームメイトの事故に対して、BBC Sport (link is external)に以下のようにコメント。
TTポジションはどんどん極端になり、そのポジションを維持するために多くの時間を費やすようになった。自分がどこに行こうとしているのか、必ずしも見えていないんだ。
かなり危険な状態になっているのは明らかだ。しかし、より安全な方法でトレーニングを行い、このような衝突を軽減する方法を考える必要がある。
TTポジションも、空力的に引くくなる傾向が続いている。顔はよりTTバーに近づいた状態で走るので前を見るのも難しい。
ただ、練習する際には車と並走するような場所では危険すぎると言ってもよいだろう。
イネオスのベン・ターナーも
“Because in a split second, it’s gone” #alwayswearahelmet pic.twitter.com/oURNaZlQS2
— Benjamin Turner (@benjeturner) August 16, 2021
今シーズンからイネオス・グレナディアーズに加入したベン・ターナーも、昨年8月のツール・ド・ラヴニールのプロローグでタイムトライアル用バイクに乗り、大クラッシュをしている。
これについてもトム・ピドコックは語る。
私はタイムトライアルバイクでクラッシュし、ベン・ターナーもタイムトライアルバイクでクラッシュした。
ベルナルも今クラッシュしている。最近のクラッシュの最大の原因はそれだと思う。
私事だが、先月大学生のトライアスリートにぶっちぎられた。帰り道で一緒になったので、後ろを走っていたら、突然TTポジションで走り始めたので、すぐに距離を取った。
ちゃんと後ろに障害物の合図もしてくれるし、これは先頭交代しても良いかなと思ったのだけど。
さすがに、一般公道でTTボジションでブレーキなしで走られたら後ろで走れるものではない。練習するならば、車がこないような場所でするのが正解ではないかな。
プロでも、事故やケガをするのだから視界の面でも危険だと思う。
現在のベルナルの様子
An update on Egan.
Thank you for every single message of support #FuerzaEgan pic.twitter.com/5kHNojl6li
— INEOS Grenadiers (@INEOSGrenadiers) January 25, 2022
ベルナルは、2度の手術を受けている。椎骨骨折、右大腿骨骨折、右膝蓋骨骨折、胸部外傷、肺穿刺、強い衝撃による肋骨数本骨折とチームは発表している。
父親のジェルマンさんは、コロンビア紙El Tiempoに、25歳の回復は順調であると語った。
少しは良くなっているようだ。彼はほとんど喋らないから、少し言葉を交わしたよ。そんな中、彼の体調は以前より良くなっているので、私たちは落ち着いています。
ベルナルの母親であるフロール・マリーナさんは、子供の頃の写真を紹介するインスタグラムのストーリーを投稿し、回復が進んでいることに触れながら、こう語った。
私の幸せは25年前に感じたものと比べられるかもしれません。私の息子が再び生まれたと感じたからです。
脊椎損傷とかの最悪の状態は脱しており、手足は無事に動いていると。
また、La Gazzetta dello Sportによると、ベルナルは病院からエージェントのジュゼッペアクアドロに電話をかけているそうだ。
回復するのには時間がかかるだろうけど、少しずつ症状を緩和していくしかない。
コメント
これはほんとうにピドコックが言う通りだと思います。
すぐに思いつくだけでも練習レース本番かかわらず、フルーム、ファンアールトら有力選手がTTバイクで大けがをしていますからね。
公道での練習はもちろんですが、ロードレースのTTもトラックにくらべたら不測の事態は起こりやすいでしょうし、前を見て走れないポジションになりがちなのは、やはりあぶない。
こういうことが続くと、TTバイクについてもスーパータックポジションや幅狭ハンドルのようにUCIが規制を強化するかもしれませんね。
確かにそうですね。特に公道でTTポジションは危ない。
路面の振動でも、肘がパットから外れる可能性もあり落車に繋がることもあるかと。
ベルナルの状態は、本当に良くないみたいで、半身不随の可能性が95%あったということなのか、本当にそうなるのかは、わからないですけど、心配です。