北のクラシック、ベルギーのヘント~ウェヴェルヘムが予定通り開幕。
昨年はコロナのために秋に開催で、雨の中の冷たいレースだったが、今年は快晴だ。だが、風は凄いことになりそうだ。
残念ながら、Trek – SegafredoとBORA – hansgroheが撤退しているので昨年優勝のマッズ・ピーダスンはいない。
イーペル~ウェヴェルヘム 247km
昨年は、232.5kmで争われたが、今年は247kmと距離は通常に回復。スタートは2003年からヘントでは始まっていない。
スタート地点のイーペルとゴールのウェヴェルヘムの距離は30km未満だが、ライダーは西フランダースの地域を回ってくる。
スタートから150kmで始まるセクターは、13kmの間に5つの斜面が続く。
- Scherpenberg(シェルベルバーグ) 800m・9.1% スタートから150km
- Vidaigneberg 1.9km・4.7% 154km
- Baneberg(バネベルグ) 300m・10% 156km
- Monteberg(モンテベルグ) 1km・7.3% 161km
- Kemmelberg(ケンメルベルグ) 2.5km・4.4% 163km
- Monteberg(モンテベルグ) 1km・7.3% 177km
- Kemmelberg(ケンメルベルグ) 2.5km・4.4% 179km
- Scherpenberg(シェルベルバーグ) 800m・9.1% 182km
- Vidaigneberg 1.9km・4.7% 193km
- Baneberg(バネベルグ) 300m・10% 202km
- Kemmelberg(ケンメルベルグ) 3km・4% 207km
例年は、ゴールまでに集団が追いつきスプリンターが勝利することになるが、逃げグループが強力だと昨年のように捕まらない。
予報では風が強いとされており、集団は大きく分裂するはずだ。ただ、Alpecin-Fenixはマチュー・ファンデルプールがおらず、ジャスパー・フィリップセンとティム・メルリエでスプリント勝負を狙っている。
クラシック3強の内のワウト・ファンアールトだけでは、逃げ切るのが難しいかもしれない。
22人の逃げ
晴れ渡る空の元、選手のスタート。
スタートして、すぐに大きな集団が出来上がる。
ラスト78mでも22人と大量の逃げだ。集団先頭は、Team BikeExchangがマイケル・マシューズのために引いている。
サム・ベネットに、ワウト・ファンアールトも入っている。これで決まるとは思えないけど。
1 | BENNETT Sam |
2 | DE BUYST Jasper |
3 | VAN POPPEL Danny |
4 | VAN AERT Wout |
5 | VAN HOOYDONCK Nathan |
6 | COLBRELLI Sonny |
7 | BAUER Jack |
8 | MATTHEWS Michael |
9 | STANNARD Robert |
10 | ERVITI Imanol |
11 | MAS Lluís |
12 | NIZZOLO Giacomo |
13 | BYSTRØM Sven Erik |
14 | TRENTIN Matteo |
15 | BISSEGGER Stefan |
16 | RUTSCH Jonas |
17 | KÜNG Stefan |
18 | GOŁAŚ Michał |
19 | DUPONT Timothy |
20 | REX Laurenz |
21 | LECROQ Jérémy |
22 | LEMOINE Cyril |
メイン集団にいたブライアン・コカール (B&B Hotels p/b KTM)がパンクだ。ここでの遅れはスプリントに加わりたいコカールには厳しい。
5番目のセクターKemmelberg(ケンメルベルグ) 2.5km・4.4% でワウト・ファンアールトが集団先頭で引いていく。人数を絞っていく作戦だ。
先頭は一気に9人と減った。ワウト・ファンアールトのチームメイト、ネイサン・ファンフーイドンクもまだ残っている。 CCC Tecmの解散に伴って移籍してきたクラシック強化班だ。
勝負の分かれ目であった部分をツイートで見ると
#GWEmen A recap:
The front group split into two on the Kemmelberg. The second half of this group follows at 29″. A chasing group with 5 riders follows around the one minute mark. The rest of the bunch is situated at 1’37” #GWE21 pic.twitter.com/H5zYpwGGjH
— GentWevelgem (@GentWevelgem) March 28, 2021
ネイサン・ファンフーイドンクの引きから、ワウト・ファンアールトが受け継いで集団を絞ったことが良くわかる。チームワークの勝利だ。
7つ目のセクター、Kemmelberg(ケンメルベルグ) 2.5km・4.4%が迫ってくる。後続は30秒ほど後ろだ。ここは、勾配が緩いので問題はないだろう。
現在の9人は、
- サム・ベネット(Deceuninck – Quick Step)
- ダニー・ファンポッペル (Bingoal Pauwels Sauces WB)
- ワウト・ファンアールト(Team Jumbo-Visma)
- ネイサン・ファンフーイドンク(Team Jumbo-Visma)
- ソンニ・コルブレッリ(Bahrain – Victorious)
- マイケル・マシューズ(Team BikeExchange)
- ジャコモ・ニッツォーロ(Team Qhubeka ASSOS)
- マッテオ・トレンティン(UAE-Team Emirates)
- シュテファン・キュング(Groupama – FDJ)
Kemmelberg(ケンメルベルグ) 3kmを越えていく。ここでネイサン・ファンフーイドンク(Team Jumbo-Visma)が切れてしまう。だが、なんとか下りで復帰だ。
サム・ベネットがきつい。誰も最強のスプリンターを連れて行きたくないので全開で回している。だが、なんとかサム・ベネットは耐えてついていく。
なんと嘔吐していた。これについては後で別記事を~。
第2集団は9人。クイックステップのイブ・ランパールトは引かない。イネオスはディラン・ファンバーレが引いている。残り30kmで1分のタイム差だ。
AG2Rはグレッグ・ファンアーヴェルマートとオリバー・ナーセンが残っている。
先頭9人は残り24kmだ。タイム差は少しずつ縮まって51秒となっている。逃げ切れるかな。
ラスト16kmで、ネイサン・ファンフーイドンク(Team Jumbo-Visma)がアタックをかける。
このアタックで、サム・ベネットとダニー・ファンポッペルが遅れる。これは完璧なユンボ・ヴィズマの作戦だ。
ダニー・ファンポッペルは元のチームによって切られてしまうとは~。
第2集団からは、アントニー・テュルジス(Groupama – FDJ)がアタックしている。
第2集団から、サム・ベネットが切れたために、ゼネク・スティバルが全力で引いている。イブ・ランパールトと共に先頭集団を目指すが、時すでに遅しか。サム・ベネットまで追いつくか。
先頭集団は、ワウト・ファンアールトに有利だ。ゴール前で、ネイサン・ファンフーイドンク(Team Jumbo-Visma)がまたアタックをかければ良い。もしくは、ゴール前で誰も出さないように引いていくか。
アントニー・テュルジス(FDJ)は、ダニー・ファンポッペル (Bingoal Pauwels Sauces WB)まで追いつく。
アントニー・テュルジスが先頭に追いつけば、シュテファン・キュングが優位になるが残り6.5kmでは厳しい。
ディラン・ファンバーレが前の2人に追いついたが、先頭までは1分もある。もう、追いつくことない。
先頭は、ラスト5kmを切った。そろそろ、シュテファン・キュング(Groupama – FDJ)がアタックを、かけるのではないかな。
スプリントとなれば、マイケル・マシューズ、ジャコモ・ニッツォーロ、ワウト・ファンアールトが有利だ。シュテファン・キュングが勝つにはアタックしかないが、このメンバーではそれも厳しいか?
やっぱり、いったー!
ラスト1.8kmでシュテファン・キュングがアタックだ~。しかし、ジャコモ・ニッツォーロが後ろにつく。
うまく、中央分離帯を交わして反対側からいったが、ちょうどネイサン・ファンフーイドンクの横に並んでしまい、逃がしてくれない。
最後は、ネイサン・ファンフーイドンク(Team Jumbo-Visma)が固定で引いていく。誰も前に出させない。
最初にスプリントを開始したのは、やはりシュテファン・キュング。マイケル・マシューズが後ろにつく。
先行するシュテファン・キュングをワウト・ファンアールトは軽くまくっていく。後ろではゴールする前にネイサン・ファンフーイドンク(Team Jumbo-Visma)がすでに手を上げて喜んでいる!
やはり、ゴールまでチームメイトのいたワウト・ファンアールトは有利だった。250km走っていても、そのスプリント力はこの中では抜群だ。
追いすがるジャコモ・ニッツォーロ(Team Qhubeka ASSOS)、マッテオ・トレンティン(UAE-Team Emirates)を寄せ付けなかった。
昨年は、マチュー・ファンデルプールを意識するあまり、二人で集団最後尾ゴールだったが、今年は見事なまでな勝利を収めた。
これでワウト・ファンアールトは今シーズン早くも3勝目だ。
リザルト
Rnk | Rider | Team | UCI | Pnt | Time |
---|---|---|---|---|---|
1 | VAN AERT Wout | Team Jumbo-Visma | 400 | 225 | 5:45:11 |
2 | NIZZOLO Giacomo | Team Qhubeka ASSOS | 320 | 150 | ,, |
3 | TRENTIN Matteo | UAE-Team Emirates | 260 | 110 | ,, |
4 | COLBRELLI Sonny | Bahrain – Victorious | 220 | 90 | ,, |
5 | MATTHEWS Michael | Team BikeExchange | 180 | 80 | ,, |
6 | KÜNG Stefan | Groupama – FDJ | 140 | 70 | ,, |
7 | VAN HOOYDONCK Nathan | Team Jumbo-Visma | 120 | 60 | 0:03 |
8 | VAN BAARLE Dylan | INEOS Grenadiers | 100 | 50 | 0:52 |
9 | TURGIS Anthony | Team Total Direct Energie | 80 | 46 | 0:54 |
10 | VERMEERSCH Gianni | Alpecin-Fenix | 68 | 42 | 1:25 |
コメント