ツール第11ステージであり得ないことが起こった。
テレグラフ峠でJumbo-Vismaのヨナス・ヴィンゲゴーとプリモッシュ・ログリッチの交互にかけるアタックに全て対応。
さらに、ガリビエ峠では、ヨナス・ヴィンゲゴー以外の全ての総合ライダーを置き去りにして登り切った。
だが、最後の超級山岳コル・デュ・グラノンであり得ないことが。無敵と思われたタデイ・ポガチャルがクラックしたのだ。
クラックの理由
🇩🇰 Jonas Vingegaard drops @TamauPogi ! The Yellow Jersey can’t follow!
🇩🇰 Jonas Vingegaard décramponne @TamauPogi ! Le maillot jaune vacille !#TDF2022 pic.twitter.com/sFzeW93Rej
— Tour de France™ (@LeTour) July 13, 2022
残り4.6kmで繰り出したヨナス・ヴィンゲゴーのアタック。
これで何回目のアタックだっただろう。だけど、これはプリモッシュ・ログリッチとの交互に繰り出したアタックの最後の一撃となった。
ラファウ・マイカが最初に追うが追いつかない。タデイ・ポガチャルはあっと言う間に引き離されてしまう。
ゲラント・トーマス、アダム・イェーツ、ダヴィ・ゴデュと次々とタデイ・ポガチャルを置き去りにして走り去ってしまう。
こんなタデイ・ポガチャルの姿を誰が予想しただろう。これについて、超級山岳コル・デュ・グラノンの前で、タデイ・ポガチャルは理由となるジャスチャーを見せている。
タデイ・ポガチャルは、カメラに気づくと何度も手を口に運ぶジャスチャーを見せる。
これだ。これは余裕のボーズではなく、タデイ・ポガチャルが腹が減っていたことを示している。何か食べたいと思っていると感じたが、本当にそうだったようだ。
タデイ・ポガチャルは、ゴール後のインタビューでは触れていないが、チームメイトのマルク・ソレルによると、ガリビエ峠のスピードが速すぎて、タデイ・ポガチャルは、補助食を十分に食べてていないと。
まあ、そりゃあ、そうだろう。ずっとアタックに反応して、自分でもヨナス・ヴィンゲゴーを引き連れてガリビエ峠を登っているのだから。
それが、上記のジェスチャーに繋がったようだ。これまで、ハンガーノックで力が入らなくなり、実力を発揮出来ずに終わったライダーは多い。
ツール5勝を飾った、スペインの英雄、ミゲル・インドゥラインが脱落した時にそうだった。補給食をゴールの遥か手前で捨ててしまいハンガーノックに陥り脱落。翌年走ることなく引退している。
クリス・フルームもツール連覇中に、ハンガーノックに陥りそうになり、ゴール手前10km以内での補給を受けてペナルティを支払っている。
それでも、4分以上のタイム差があったので総合優勝には全く関係なかった。これが補助食を食べていなかったら、ペナルティの何倍も支払っていたことだろう。
エネルギー不足は、どんなライダーでも命とりだ。
運動量が多いときには、それだけエネルギーもなくなる。十分な補給を取らないとタデイ・ポガチャルでも失速するということだ。
復讐を誓う
タデイ・ポガチャルは、清々しい。マイヨジョーヌを奪われたのにヨナス・ヴィンゲゴーに笑顔で挨拶している。これはプリモッシュ・ログリッチも同じような感じだ。
二人のスロベニア人は、とてもいい人だ。
だが、タデイ・ポガチャルは、これからのステージでハンターと化すだろう。
Jumbo-Vismaのアタックに一日中悩まされたが、彼らは今日もチームワークを発揮してくれた。
戦術的には、今日もとてもいいコースで走ってくれた。今日はコントロールが難しく、多くのライダーが残っていなかったんだ。
あの時はどうだったんだろう。本当に大変で、脚が良くなかったんだ。フィニッシュまで本当に辛かった。ベストな一日ではなかった。
明日になればわかるが、リベンジ したい。ヴィンゲゴーは今日3分だが、もしかしたら明日3分かかるのは私かもしれない。
ツールはまだ終わらない!
悔いのないレースをして、パリにたどり着きたい。明日は攻めるぞ。
初めてツールを制覇した時にも、個人タイムトライヤルで爆発した。昨年は圧勝しており、復讐心とたぐいまれなる登坂力が合致した時、タディはどれだけの力を発揮することか。
ヨナス・ヴィンゲゴーとのタイム差2分22秒。この差を埋めるのは並大抵ではない。特に、ヨナス・ヴィンゲゴーの登坂力はタデイ・ポガチャルと互角。
ヨナス・ヴィンゲゴーの徹底的なマークをどうかいくぐるのかも見ものとなる。
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