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2026 世界選手権TT なぜ57秒差が生まれた? レムコがガンナを圧倒した秘密とは?

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2026年9月20日、カナダ・モントリオールで開催された世界選手権男子エリート個人タイムトライアル。

39.2kmのコースをレムコ・エヴェネプールが44分53秒13で走り、フィリッポ・ガンナに57秒31差をつけて優勝した。

エヴェネプールにとっては男子エリートでは史上初となる世界選手権個人TT4連覇。

一方、ガンナは2位となった。過去の両者の世界選手権TTでのタイム差は、2023年が12秒、2024年が6秒だっただけに、今回の57秒差は極めて大きな開きとなった。

 

しかし、ガンナはレース後、自身のパフォーマンスに大きな問題があったとは考えていなかった。

 

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なぜ57秒差が生まれた?

 
 
 
 
 
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ガンナにとって、今回の57秒差は単純に「パワーで負けた」と説明できるものではなかった。

ガンナはレース後、自身について「最大限の力を出した」と説明し、45分間の走行において自身最高のパワー出力だったと思うと語った。つまりベストだったと。

チームの事前予測よりも速いタイムで走れたとも話しており、自分自身の走りに大きな悔いを残していたわけではない。

一方で、エヴェネプールは今回のコースで重要だった要素として、コーナリングの改善を挙げた。

「以前はガンナがコーナーで自分に対してかなりタイムを稼いでいた」としたうえで、自身はTTバイクでも通常のロードバイクでもコーナリングが大きく向上したと説明。

さらに、コーナーで攻めるための自信がついたことも大きかったと語っている。

 

実際の区間タイムにも差

 

この説明を裏付けるのが、コース上の区間タイムだ。

最初の10.7kmには18個のコーナーが存在した。この区間だけで、エヴェネプールはガンナに約23秒の差をつけた。

さらに、その後の区間には複数の180度ターンがあり、21.9km地点までにガンナはさらに18秒を失った。

つまり21.9km地点までに、両者の差はすでに41秒に達していた。

一方、残り17.3kmの比較的テクニカルではない区間で広がった差は17秒だった。

この数字から見えてくるのは、今回の57秒差が単純な「平坦路での持続パワー差」だけでは説明しにくいということだ。

コーナーの多い前半・中盤で大きく差が広がり、比較的直線的な区間ではその差の広がりが小さくなっている。

 

エヴェネプールは「減速を少なくする」技術を手に入れた

 

タイムトライアルでは、コーナーそのものを速く通過するだけではない。

重要なのは、

ブレーキング → コーナー進入 → コーナー通過 → 再加速

という一連の動作で、どれだけ速度を維持できるかだ。

エヴェネプール自身も、今回のレースについて「コーナーはスムーズだった」と振り返っている。

また、路面が乾いていたことに加え、新しいTTバイクによって、より積極的にコーナーを攻められる感覚があったと説明している。

つまり今回のエヴェネプールは、直線でひたすらパワーを出していたというだけではない。

コーナーで失う速度を抑え、そのまま高い速度を維持して次の直線へ入る。

この積み重ねが、コーナーの多い区間で大きなタイム差となったと考えられる。

 

ガンナは「どこでタイムを失ったのか分からない」

 
 
 
 
 
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興味深いのは、ガンナ自身が今回のタイム差の原因を明確には特定できなかったことだ。

ガンナは最初と最後の区間が最もテクニカルだったと認め、終盤の上りも非常に大きな負荷だったと説明した。しかし、それらが決定的な敗因だったとは考えておらず、

「どこでタイムを失ったのか分からない」

という趣旨のコメントを残している。

ガンナにとって難しいのは、本人が最大限の力を出したという感覚がありながら、タイム差が57秒まで膨らんだことだった。

 

「パワー」だけでは測れないTTだった

エヴェネプールは、ガンナの「自身最高の45分パワーだった」というコメントについて、今回のコースでは、単純なパワー比較は難しいと指摘している。

コーナーではブレーキングによって出力が落ち、その後に再加速する。

したがって、同じ平均パワーを発揮したとしても、「どれだけ速い速度を維持しながらコーナーを抜けたか」によって、最終的なタイムは変わってくる。

今回のデータでは、特にコーナーの多い区間でエヴェネプールが大きくタイムを稼いでいる。

 

ポジションの優位性

 

上記の画像比較がまた面白い。ネットで見つけたものだけど、ポール・セイシャスに比べてフィリッポ・ガンナのほうが低い。

  • フィリッポ・ガンナ 193cm
  • レムコ・エヴェネプール 171cm
  • ポール・セイシャス 186cm

身長を比べるとレムコ・エヴェネプールの低さは群を抜いている。フィリッポ・ガンナは、ポール・セイシャスより身長が高いのに低いポジション。

もう、これ以上のポジションはないだろう。逆にポール・セイシャスは改善の余地が残されているということだ。

 

57秒差は「新しいエヴェネプール」を示すのか

 

今回の勝利でエヴェネプールは世界選手権個人TT4連覇を達成した。

そして今回注目すべきなのは、単にTTのパワーが優れていたことだけではない。

エヴェネプール自身が語ったように、これまでガンナにタイムを稼がれていたコーナリングを改善したことが大きなポイントとなった。

過去の世界選手権では6秒、12秒という差だった両者が、今回は57秒差。

その57秒のうち、最初の21.9kmだけで41秒が生まれ、特に18コーナーを含む最初の10.7kmでは約23秒の差がついた。

もちろん、この区間データだけから「57秒すべてがコーナリングによって生まれた」と断定することはできない。路面状況、ライン取り、加減速、機材、ペーシングなど複数の要素が絡んでいる。

それでも今回のタイム差について、コーナリング技術の向上が非常に大きな要素だったことは、エヴェネプール自身の証言と区間タイムの両方から確認できる。

そして何より印象的なのは、かつてガンナがタイムを稼いでいた「コーナー」が、今回は逆にエヴェネプールが大差をつける場所になったことだ。

レムコは、サッカー選手から転身して遅くに自転車を初めている。

これまで経験不足によるテクニック不足が指摘されることがあったが、世界王者は絶対的なコーナリング技術を手に入れている。無敵だ。

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